大衆車からの脱却を図ったトラッド・サニー

大衆車からの脱却を図ったトラッド・サニー

ラティオの販売終了で、空席となった日産の小型セダン。その座と言えば、かつてはサニーが君臨していました。特に1985年に登場した6代目は、品質やデザインにおいて、その後の方向性に大きな影響を残しました。


1994年1月にフルモデルチェンジした8代目・B14型は、サニーユーザーの若返りを図るため、従来のイメージを残しつつも大規模なデザイン変更を受けました。しかし、若年層のセダン離れが進んでいたこともあり、販売実績はよろしくなく、1997年5月のマイナーチェンジで大規模なデザイン変更を受け、B13型を彷彿とさせる角張感を持たせたデザインになりました。

このため、1998年10月にフルモデルチェンジした9代目・B15型では、完全にB13型を踏襲したデザインとなりました。当時の雑誌インタビューでも、デザイナーが作りたいクルマというよりも、「市場を重視して伝統的なサニーユーザーを意識したデザイン」という方針が語られていました。

2002年5月にマイナーチェンジを受け、日産の新しいCIマークを採用するなど、デザイン変更を受けました。そして2004年10月、サニーの国内での新車販売を終了し、長い歴史に幕を下ろしました。

1994年にフルモデルチェンジした8代目は、デザインの若返りを図ったが、販売実績には結びつかなかった。

1994年にフルモデルチェンジした8代目

Nissan Sunny (B14) 1993–99 images

8代目は1997年に大規模なマイナーチェンジを受け、燈火類やバンパーに角張った印象が加えられた。

日産・サニー - Wikipedia

各部の設計は新しいが、デザインはトラッドサニーに先祖返りした。

1998年にフルモデルチェンジした9代目

Images of Nissan Sunny (B15) 1998–2002

キープコンセプトが生産終了の原因?

売れ筋の車種のモデルチェンジは難しく、大胆に変えればユーザーが離れ、キープコンセプトならともに高齢化していくまでです。サニーの場合、B13型でキープコンセプトをしたのが、車名の寿命を早めた原因かもしれません。都合8年間ユーザーを引きずって、B14型のときには潜在ユーザーが離れてしまったのです。

かくいう私は、サニーユーザーでした。初めて免許を取ったとき、我が家のクルマはB12型サニーの後期型。角張っているので非常に運転がしやすく、5速MT車でしたので半クラや坂道発進など、MT操作の基本を鍛えられました。

さらに、このB12型を廃車にしてしまったため、知り合いのつてでB13型を中古で購入し、2年ほど乗っていました。このB13型は解説でも記した通り品質が高く、何よりも電子制御キャブレターの5速MT車でしたので、運転して非常に楽しかったです。

しかし、年頃の青年には「オヤジグルマ」という女子の目線が気になるわけです。特に私が運転しだした頃は、若者はRV、オジサンは大衆車という図式でしたので、学生という身分なので仕方がないのですが、女子を誘いにくいクルマでした。

今になると、B12型もB13型も格好良く、楽しいクルマでした。しかし、それは思い出も加わって今になって感じる印象。サニーの名がなくなってしまったのは残念ですが、B15型を見ればそれもやむなし、と言わざるを得ません。

歴史にタラレバはありませんが、昔のサニーのように、ユーザーをリードするクルマであり続けられれば、今もサニーの車名は残っていたかもしれません。

日本では最後のモデルとなったB15型後期型。

Nissan Sunny (B15) 2002–04 wallpapers

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