大人の恋愛映画の最高峰ともいえる「男と女」ですが、その時クロード・ルルーシュ監督は若干29歳だった

大人の恋愛映画の最高峰ともいえる「男と女」ですが、その時クロード・ルルーシュ監督は若干29歳だった

繊細なタッチで大人の愛を、微妙な心情をフランスのエスプリたっぷりに描いている恋愛映画の大名作「男と女」。今観ても十分に魅力的でスタイリッシュなラブストーリーです。しかも大人の恋愛です。なんと、この映画を製作した時、クロード・ルルーシュ監督は若干29歳だったというのですから驚きです。


Original Soundtrack

まず聴いていただきたいのが「シャバダバダ~」のスキャットで有名なこの曲です。

そうです。映画「男と女」のテーマ曲です。作詞は、この曲およびこの映画に出演したことで俳優としての地位を確立したピエール・バルー。そして作曲は、ご存知フランス映画界の巨匠フランシス・レイですが、フランシス・レイもまたこの曲で作曲家としての地位を築き上げています。

1. 男と女(インストゥルメンタル)
  2. 男と女のサンバ
  3. 今日,あなたが
  4. 男と女
  5. あらがえないもの(インストゥルメンタル)
  6. 今日,あなたが(インストゥルメンタル)
  7. 僕らの陰に
  8. あらがえないもの
  9. 時速200キロ

男と女 オリジナル・サウンドトラック

Un homme et une femme

次に、このポスターを見てください。

如何です?オシャレでしょう?!フランスのエスプリ全開といった趣ですよね。

音楽を担当した二人も駆け出しだったのですが、何よりも監督をつとめたクロード・ルルーシュが当時はまったくの無名の存在で、この作品が出世作なんですよ。

生年月日:1937年10月30日
出生地:パリ 
国籍:フランス

クロード・ルルーシュ

当時無名ではあったものの、若く才能のあるアーティストがこうして揃ったのは偶然にして必然、名作とは奇跡とはこうして生まれるのでしょう。

クロード・ルルーシュ監督は、1964年制作の監督デビュー作品「行きずりの二人」、続く「女を引き裂く」、「女と拳銃」が失敗に終わり、映画監督としての生命が消えかかる程の苦境に立たされていました。

監督4作目となる「男と女」もスポンサーが付かず自主製作された作品です。低予算であったため、製作、監督、更には主な撮影もクロード・ルルーシュ監督が自ら行っており、撮影期間は僅か3週間という非常にタイトなものでした。
また、出演者も主演を務めたジャン=ルイ・トランティニャンとアヌーク・エーメ以外はほとんど登場しません。と言うよりも出演させることが出来なかったと言った方が良いでしょう。

しかし、このことがむしろプラスになるんですね。そうです。名作において偶然は必然なのです。
本作は、カンヌでグランプリ(パルムドール)を獲得し、アカデミー賞では外国語映画賞も受賞しています。

Story

1966年 フランス映画

監督: クロード・ルルーシュ  
製作: クロード・ルルーシュ  
脚本: ピエール・ユイッテルヘーベン  
     クロード・ルルーシュ  
撮影: クロード・ルルーシュ  
     パトリス・プージェ  
編集: クロード・バロア  
音楽: フランシス・レイ 

歌:ピエール・バルー(作詞も)
  二コール・クロワジール

【出演】
 アヌーク・エーメ 
 ジャン=ルイ・トランティニャン 
 ピエール・バルー  
  ヴァレリー・ラグランジェ

男と女

【物語】
夫をなくしたアンヌは、寄宿舎に娘をあずけパリで独り暮しをしています。そんなアンヌは、ある日、同じく息子を寄宿舎にあずけているジャン・ルイと出会います。
ジャン・ルイはスピード・レーサーで、妻は彼が事故を起したとき、ショックから自殺していました。世界選手権が近づき忙しい中でも、アンヌのことが忘れられないジャン・ルイ。
また次の日曜日にも寄宿舎へ行きアンヌとジャン・ルイ再開するのですが、その時に、二人はお互いの間に愛が芽生えていることを知ります。

レースを終えたジャン・ルイはすぐさまアンヌのもとへ行きお互いの愛を確認します。しかし、愛が高まったとき、アンヌの脳裡に浮かんだのは、死んだ夫の幻影でした。そして別れる二人。アンヌは汽車で、ジャン・ルイは自動車でと別々にパリへ戻ります。
しかし、アンヌを忘られぬジャン・ルイは、先回りをして駅のホームでアンヌを抱きしめるのでした。

「男と女」はフランスの冬を舞台にした三週間の物語ですが、予算の問題もあったとはいえ、オールロケを行った実際の撮影も三週間で撮り終えています。面白いですね。

面白いと言えば、「カラーとモノクロームを使い分けた大胆なモンタージュ」などど評される流麗なカメラワークでも有名な「男と女」ですが、もともとは予算がなかったために全編モノクロになる予定だったのですが、カラーで撮ってテレビ局に放映権を売るならという条件である出資者から4万ドルを得ることが出来たのです。しかし、それでも全編をカラーにするには予算が足りなかったため、現在のシーンはモノクロ、過去のシーンはカラーと使い分けることになったのだとか。
このことによって独特の雰囲気が生まれたわけですね。またしても、こう言わずにはおれません。名作において偶然は必然なのだと。

Cast

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