Acoustic Swing
ジャズのようでいてジャズではありません。ノスタルジックなヴォーカルやアコースティック楽器の音色でまったりとスウィングできる「アコースティック・スウィング」。聴いていて心地よいことこの上ない音楽のジャンルです。
とはいえ、アコースティック・スウィングといっても、ウェスタン・スウィング、ジャズ・ヴァイオリン、ジャンプ&ジャイブ・ミュージックなどなど幅広いのです。
そこで、アコースティック・スウィングに分類される心地よくなれること間違いなしのアルバム、曲をご紹介します。
音楽自体は古くからあるものですが、90年代以降に再評価されたアコースティック・スウィングが日本で広く知られるようになったのは、この本の影響があったように思います。

アコースティック・スウィング
ジョン・ミラーの写真を使ったとても雰囲気のある単行本です。内容的にもすばらしく、アコースティック・スウィングと呼ばれる音楽、またそのルーツとなる音楽に関することをまとめた世界でも類を見ない1冊です。
Dan Hicks
アコースティック・スウィングといえば、真っ先に紹介しなければいけないのが、ダン・ヒックスですね。1941年生まれで1960年代初期から活動しているダン・ヒックスの音楽は、ときに「フォークジャズ」などと呼ばれています。
キャリアが長いので素晴らしいアルバムはいくつもあるのですが、是非とも聴いてほしのが1978年発表の「イット・ハプンド・ワン・バイト」です。

イット・ハプンド・ワン・バイト
とにかく楽しい一枚。ノスタルジックでドリーミーなアコースティック・ジャイブ・ミュージック。シャレもユーモアもたっぷりで聴いているとにこにこしてしまいます。
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如何です?ステキでしょう?!意外なことにAOR関係の仕事で有名なトミー・リピューマがプロデューサーなんです。
しかし、残念なことに本作は入手困難です。こんなに素晴らしいアルバムが埋もれてしまうとしたら残念でなりません。
Lew London
そして、90年代に起こったアコースティックスィングブームの火付け役となったアルバムが、ルウ・ロンドンが1976年に発表した「スウィングタイム・イン・スプリングタイム」です。
アルバム・ジャケットを見てもらうとわかるように、楽しくも清々しい、なんとなく牧歌的で心地良いスウィング感が楽しめる名作といってよいアルバムです。オリジナル曲もカバー曲も文句なしの仕上がりですよ。

Swingtime In Springtime
とても爽やかでとっつきやすく、 ラグタイムフォーク、アコースティック・スイングを 初めて聴くのに最適のアルバムだと思います!!
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音楽的な難しいことは分からなくても聴けば分かるとはまさにこのことです。心地よいですよね!いつまでも聴いていたくなること請け合いです。
John Miller
最初にご紹介した単行本の表紙に使われたこともあり、ぐっと認知度が上がったアコースティック・スウィングのアルバムと言えばこれでしょう。
アメリカン・ポップスの先駆者として、またミュージカルの天才として名高いジョージ・ガーシュインのトリビュート作品として1979年にジョン・ミラーが発表したアルバム「ガーシュインでスウィング!」です。
ジョン・ミラーは、今やニューヨーク・アコースティック・シーンの中心人物であり、既に伝説のギタリストと呼ばれるようになっています。本作でも本当に素晴らしいフィンガー・ピッキング・ギターを披露しています。

ガーシュインでスウィング!
Ry Cooder
アメリカだけに留まらず、世界各国のルーツミュージックの探求者であるライ・クーダーの1978年発表のアルバム・タイトルはズバリ「ジャズ」。
ただし、「ジャズ」とは言うものの、それだけでなく、ブルースやゴスペル、ラグタイムにフォーク、カントリー、ブルーグラスからメキシカンやハワイアンと、これが何とも心地よいグッド・オールド・ミュージックの連続攻撃。まさにアコースティック・スウィングしているのです。

ジャズ
Asleep at the Wheel
アスリープ・アット・ザ・ホイールは、日本での知名度はそれほど高いとは言えませんがアメリカのカントリー・ミュージック・バンドです。
「The Letter That Johnny Walker Read」という代表曲を持つ彼らは、なんと2011年の時点でグラミー賞を7回も受賞している実力派なんですよ。

Wheelin' And Dealin'
彼らのアルバムを手に入れることは現在では大変難しいのですが、どの曲もとても楽しげにやっています。ちなみに、本作の1曲目にやっている「ルート66」と言う曲は、1946年にボビー・トゥループが作った曲でジャズのスタンダードとして名高いのですが、 チャック・ベリーをはじめローリング・ストーンズ、ゼム、ドクター・フィールグッドなどがカバーしておりロック・バンドのカバー曲としても定番となっています。
Fairground Attraction
70年代後半には、ご紹介したもの以外にもアコースティック・スウィングと呼ばれる素晴らしいアルバムが多数発表されていますが、それから10年後にも宝石のようなアルバムがイギリスから生まれました。
エリオット・アーウィットによる印象的な写真がジャケットに使われている、1988年に発表されたフェアーグラウンド・アトラクションのファースト・アルバムにして事実上のラスト・アルバムでもある「ファースト・キッス」です。グラスゴー生まれの女性ボーカル、エディ・リーダーの歌声を聴くことは至福のひと時です。幸せに包まれますよ。

ファースト・キッス
ノスタルジックな香りが漂うアコースティック・サウンドは、独特の世界観を持ち多くのファンを魅了、1980年代を代表する名盤となった。
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本作、およびデビュー・シングルの「パーフェクト」が共に全英1位となる大ヒットを記録していただけに、次作を出すことなく解散してしまったのは非常に残念です。
しかし、こうしたアコースティックな曲というのは、流行はあってもスタイルや呼び名を変えながらいつの時代にも存在しているものなんですよね。
アコースティック・スウィングを聴いて、一人でも多くの人が楽しい気持ちになってくれると幸いです。