シャイニング

シャイニング
メインキャスト

ジャック・トランスを演じるジャック・ニコルソン

ダニーを演じるダニー・ロイド。

ウェンディ・トランスを演じるシェリー・デュヴァル。

ハロランを演じるスキャットマン・クローザース。
あらすじ

ジャック・トランス(ジャック・ニコルソン)は、オーバー・ルック・ホテルで支配人と会い、そこに管理人として住み込む話を進めていた。

その頃、ジャックの家では、息子ダニー(ダニー・ロイド)が母親ウェンディ(シェリー・デュヴァル)と食事をしながら浮かない顔をしていた。

友だちのいない彼は、自分の中にトニーというもう一人の人間を育てており、そのトニーがホテルに行く事に賛成していないのであった。

その時、ダニーの目の前で幻想ともつかぬ恐ろしい光景がよぎる。それはエレベーターの扉から滝のように流れ出る夥しい量の血と、その前に立ちつくす双児の少女の不気味な姿だった。

やがて、一家三人は大自然の中に建てられたオーバー・ルック・ホテルに到着する。

そして、一家三人だけの孤独な生活がはじまった。ジャックの頭の中には、支配人が語ったある惨劇のことがちらついていた。それは、ジャックの前任者の管理人グレイディ(フィリップ・ストーン)という男のことで、彼は、この生活のあまりの孤独のために気が狂い、妻と二人の娘を斧で殺し、自分も自殺したということだった。

ホテルが閉鎖される日、黒人の料理人ハロラン(スキャットマン・クローザース)と二人になった時、ダニーは“シャイニング”という、幻視超能力の話をハロランから聞き、何げなく237号室のことを訊くが、彼は驚きの表情を見せるだけだった。

その237号室の前の廊下をダニーが通る時、彼は決まって何か恐ろしい空気を感じていた。

一方、ジャックは、作家という仕事柄、静かなホテルの一室で書けることはこの上なく好都合だったが、いざ始めてみると苛立つばかりで進まない。

ウェンディは、そんなジャックの様子を見て不安になった。

徐々にジャックがおかしくなっていき、三人の緊張に満ちた不安定な生活が遂に惨事を生むまでにいたる。

237号に忍び込んだダニーが何者かに傷つけられ、作品を書いていると思われたジャックのタイプには一行のある言葉が何百枚もの用紙に書き綴られており、その用紙を目撃したウェンディをジャックが襲った。


必死で逃げるウェンディはまずダニーを部屋の窓から外に逃がした。窓はウェンディが脱出するにはせますぎ、斧で扉をこわし始めたジャックの狂気の声を聞きながらウェンディは焦った。


そのころ、何か悪い予感を感じ猛雪の中をホテルに向かっていたハロランがホテルへ到着。

そして、ハロランは一家を探して部屋の中に入ると、ジャックの斧が襲った。


ダニーの姿を目にしたジャックは、斧をかざして、庭にある迷路に逃げたダニーを追った。


複雑に交錯する迷路を巧みに逃げ通し、やがてウェンディとめぐり会ったダニー。ニ人はハロランが乗ってきた車に逃げ込むと、恐ろしいホテルを後にした。

翌日、降り積った雪の中には、惨めに凍りついたジャックの姿があるのだった。
シャイニングの意味

つまり、未来が見えたりする不思議な能力ということです。
そして、「建物」にも「シャイニング」を持つものがあり、ホテルがそうでした。また、シャイニングを持つ建物の中に、同じくシャイニングを持つ人間がいると未来だけではなく過去が見えることもあるとハロランは、ジャックに教えてくれました。

ホテルの中でジャックは、双児の少女とよく出会います。

そこで、彼女たちが惨殺されている光景を見にしました。
ちなみにこの双子、「シャイニング」の恐怖イメージとして何度もインサートされるのですが、このイメージは、奇形者や精神病患者のポートレートで世界的に知られることになった写真家ダイアン・アーバスの双子の写真をモチーフにしています。

映画に登場する双子。

モチーフにされた双子。
「237号室」
ダニーは、「237号室って怖いの?何かあるの?」とハロランに質問をしますが、「何も無い。絶対に何も無い。だから近寄るな」と言われました。しかし、ダニーは気になっていました。

何かある「237号室」
ダニーは怖いもの見たさで237号室へ入ってしまい、そこで見知らぬ女から首を絞められたといって、くっきりと首に痣をつけて母親の前に登場します。
それから完全に我を失い「REDRUM(レッドラム)!!」「REDRUM!!」と叫び続け、豹変してしまいました。

別の何者かに憑かれたダミーが書いたもの。
そして、父のジャックが203号室へ様子を見に行くと、そこには美しい女性がバスタブにいてジャックを誘惑します。しかし、美しい女性は瞬時に老婆へと姿を変え、ジャックは恐怖におののいて部屋を出ていきました。

美しい女性に誘惑されたジャック。

女性は、老婆へと変身。
ジャックは、前世にもこのホテルにいた?!

ホテルにある一枚の写真の中にジャックによく似た男が映る。
そのヒントは映画の中で、1920年代にタイムスリップしたかのような壮大なパーティーが開かれ、給仕人のデルバート・グレイディにジャックは飲み物をかけられたので一緒にトイレへ行き、汚れを落とします。そして、デルバートに「あなたはいつもこのホテルの管理人でしたよ」とジャックに意味深なことを言います。つまりラストシーンの写真に映っていた男は、後に生まれ変わったジャックであるという可能性が高いです。

給仕人のデルバート・グレイディ(左)とジャック(右)
ちなみに、デルバート・グレイディという男は、1970年にこのホテルで家族を殺したチャールズ・グレーディです。トイレでデルバートは、妻と娘が2人いることをジャックに話します。そして、ジャックが今、(家族は)どこに?と聞くと、この近くですと答えます。また、君の顔が新聞に出ていた、家族をぶっ殺した管理人だよな、とジャックが問い詰めますが、お間違いでしょうと拒否。しかし、デルバートは、自分が(娘)2人を“しつけ”し、妻も自分の邪魔をしたので、“しつけた”ことを明かしています。さらに、ジャックに息子が超能力を使って、邪魔するつもりだから、よく“しつける”必要があるとそそのかします。
この後、おかしくなったジャックが奥さんに襲いかかります。この点から“しつける”=殺人が浮かび上がる。
ちなみにデルバートは霊で、食品保管庫でも声だけですが登場します。そして、倉庫に閉じ込められたジャックにご相談した例の”仕事”は?と問いかけます。ジャックはここを出たらすぐ始末するさと答えています。
一度奥さんにやられるジャック

トイレでデルバートと話した後おかしくなったジャックは、危ない雰囲気をかもし出しながらウェンディに近づく。

しかし、身の危険を悟ったウェンディはなんとジャックの頭を木製バットで殴ります。

階段から転げ落ち、ジャックは意識を失います。


その後食料庫に閉じ込められたジャック。

なんと、意識を取り戻し、脱出を図ります。

ジャックは、食料庫から脱出し、再び襲撃します。
映画の解説

1人ホテルで狂気の目で見つめるジャック。

雪合戦で遊ぶ母子。
スティーヴン・キングが映画化に不満
原作者であるスティーヴン・キングは、丁寧に描いてきた家族の愛情と邪悪な存在との戦いを、映画はないがしろにしたと言って激怒しています。
そんなキングですが、TVシリーズでは自ら制作総指揮・脚本を担当し、映画版では見せなかった部分を描きました。
映画『シャイニング』は、人間が精神破壊する恐ろしさを描きつつ、ホテルがみせる記憶と霊の存在がさらに恐怖心を仰ぎます。狂っていく主人公がとても不気味です。是非、機会があったらご覧下さい。