【日産・プレセア】女性に人気だったスタイリッシュな4ドアハードトップ

【日産・プレセア】女性に人気だったスタイリッシュな4ドアハードトップ

トヨタ・カリーナEDのヒットにを契機に市場が拡大しつつあった“4ドアハードトップ”に日産が新たに投入したのがプレセア。背の低い流麗なボディラインにグリルレスのフロントマスク、マリーンブルーメーター等、スタイリングの美しさを追求し、女性ドライバーからの支持が高い車でした。


【日産・プレセア】カリーナEDの影響を受けた4ドアハードトップ

販売期間: 1990年 - 1995年

【画像提供:カーセンサーnet 】

【初代】日産・プレセア(PRESEA)

日産が1990年6月に発売した「プレセア」。トヨタのカリーナEDのヒットにを契機に市場が拡大しつつあった“4ドアハードトップ市場”に日産が新たに投入した車で、カリーナEDが1.8L/2Lのエンジン展開だったのに対し、プレセアは1.5L/1.8L/2Lとワンランク下からの設定で、その分価格は抑えられ、堅実な売れ行きを見せました。

日本車にスタイリッシュな4ドアのブームを巻き起こしたカリーナED。4ドアながらスポーティな雰囲気を前面に押し出したカリーナEDは爆発的なヒットを記録し、相次いで他メーカーからも同様のコンセプトを持つ車種が登場することとなりました。

トヨタ・カリーナED(1985年登場)

女性人気が高かった「絶世のセダン」、日産・プレセア

プレセアは、後に知られることになるプロダクトデザイナー、和田智氏によるデザインでした。

7代目サニー(B13型系)と基本コンポーネンツは共通ながら、スタイリングは全く異なり、グリルレスのすっきりしたフロントマスクと曲線を多用した流麗なフォルムを備えていました。このスタイリングの美しさを追求した4ドアハードトップは、特に女性からの支持を集めました。

◎キャッチコピーは「全身・センス」、スタイリングの美しさを追求!

インフィニティ・Q45と同じグリルレスのフロント。顔つきだけでなくプレセアのPの字をあしらったエンブレムマークも、インフィニティ・Q45で採用されていた「七宝焼」でした。

特徴的なフロントマスク

プレセアのエンブレムマーク。

1989年、日産が北米の高級車市場の一角を狙ったクルマ。グリルレスのフロント。

【画像提供:カーセンサーnet 】

日産 インフィニティ・Q45(INFINITI Q45)

インフィニティ・Q45の七宝焼エンブレム。

シャシーはサニーをベースとしながらも、ホイールベースは70mm延長。

【画像提供:カーセンサーnet 】

背の低い流麗なボディライン

扱いやすい5ナンバーサイズのコンパクトボディで、運転操作がラクなところも女性から人気だった理由の一つかもしれません。

◎プレセアの代表的な装備「マリーンブルーメーター」

昼間は普通のメーターですが・・・

【画像提供:カーセンサーnet 】

プレセアのインテリア

ライトを点灯するとメーターパネルを美しく、エレガントにライトアップ!
これがホントに綺麗♪

マリーンブルーメーター

スモールライトに連動して、鮮やかなブルーに発光するムード満点のメーターパネル「マリーンブルーメーター」。プレセアの代表的な装備のひとつで、メーターパネルに蛍光塗料が塗られていて、パネル下に設置してあるブラックライトが点灯すると、 幻想的な青色に光りました。夜間のメーター類の美しさは、夜のドライブを一層楽しくしてくれました。

一緒に乗る人が大抵褒めてくれるため、人を乗せるのが楽しみなクルマでもありました♪

◎“プレセア”とはスペイン語で“宝石”という意味

車名の“プレセア”もスペイン語で“宝石”を意味していることから、当初から女性ユーザーをターゲットにしていたのでしょう。ボディカラーやグレード名も全て宝石をイメージした名前のこだわりぶりでした。

グレード名は車名にちなんだ「Ct.(カラット)」。上級版のCt.Ⅱ、普及版のCt.Ⅰの2種類。

ボディカラーはトパーズゴールド、ペリドットグリーン、サードニクスブラウン、アクアマリンブルー、アメジストパープル、パールグレー、サファイヤブルー、ガーネットレッド、クリスタルホワイト。

プレセアのラインナップ

◎女性に嬉しい「バニティミラー」

車内で身だしなみを整えたり、お化粧直しにとても便利な装備。

マイナーチェンジ時に一部グレードに設定された「バニティミラー」

プレセアのネックは後部座席の狭さ

日産・プレセアは、スタイリングの美しさを優先したことで、居住性が犠牲になっていました。今のクルマと較べると室内高が圧倒的に低く、後部座席の狭さは特筆すべきものがあり、男性が後部座席に座ると天井に頭がつきそうな程で、ニースペースもほとんどありませんでした。5人乗りとはいえ、大人5人が本当に乗るのは困難なクルマでした。

“見返り美人”をモチーフにしたテレビCM

当初は国内専用車の位置づけであったプレセア。CMは菱川師宣の「見返り美人図」をモチーフとするなど、“日本の美”をアピールしていました。

菱川師宣(ひしかわ もろのぶ)は江戸初期に活動した浮世絵師。浮世絵の確立者であり、しばしば「浮世絵の祖」と称されます。

菱川師宣の「見返り美人図」

初代プレセアのCMキャラクターを務めたのは人気モデルの桐島かれん。

見返り美人役は「桐島かれん」

男性に人気だったスポーツグレード「ブラックスター」

1991年5月、スポーツグレードの「ブラックスター」が追加。リアスポイラーを採用したスポーティモデルは男性人気を得ました。

1.8L/2L車にエアロパーツやスポーツシート、本革巻きステアリングなどが備わるスポーティグレード。

「ブラックスター」

1995年、2代目「プレセア」誕生!

1995年1月にフルモデルチェンジを実施し、2代目モデルにバトンが渡されました。

販売期間: 1995年 - 2000年

【画像提供:カーセンサーnet 】

【2代目】日産・プレセア(PRESEA)

2代目は5ナンバーサイズを守りつつもホイールベースを80mm延長、全長も60mm伸ばし、一回り大柄に。初代で不満の大きかった後席の居住性を改善した半面、エクステリアからプレセアならではのエッセンスが薄められてしまいました。

エンジンは初代と同じく1.5L、1.8L、2Lと3種類の直列4気筒を用意。駆動方式はFFのみで、それぞれ5MTと4ATのミッションが選択できました。

ちなみに、ボディカラーに用意されていた「パールグレー」は、“グレー”とあるのにどうしても“紺”にしか見えませんでした(笑)

【画像提供:カーセンサーnet 】

シャシーは先代と同じくサニーをベース

【画像提供:カーセンサーnet 】

鮮やかなブルーに発光する「マリーンブルーメーター」は継続採用

この類いのモデルとしては真面目に造られた印象の強いモデルでしたが、4ドアハードトップの流行は既に峠を超えており、この2代目プレセアはさしたる営業的成果も残せないままフェードアウトしていくことになります。

2代目プレセアのCMは浅野温子

女性ドライバーからの支持が高かった初代プレセアの後をうけ、2代目プレセアのCMは浅野温子を起用し、女性が自身で運転して自由に旅するイメージを打ち出した内容に。

序盤は、浅野温子のCMと初代から引き続き生産されたスポーティモデル「ブラックスター」がウケていたのですが、マイナーチェンジのグレード整理後は見向きもされないクルマになってしまいました。

2代目プレセアの後期CMは松雪泰子へバトンタッチ

そして2000年、ブルーバードシルフィに統合される形で販売を終了しました。

プレセアのように“流麗な美しいボディスタイル”そして“手頃な価格”のクルマが個人的にはまた出てきて欲しいところですが、残念ながら現在では“居住性よりもスタイリングを優先するクルマ”がつくられることはないでしょうね・・・。

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