まず最初に。
筆者は40代の大人ですが、いまでも児童文学「ガンバの冒険シリーズ」をKindleで読んでは、ハラハラドキドキしてしまいます。
幼き頃の原風景にこの「ガンバの冒険シリーズ」と、映画「グーニーズ」「スタンド・バイ・ミー」、更には「天空の城ラピュタ」を加えると、冒険に想いをはせた往時を思い返すことが出来るようです。
本稿では、「ガンバの冒険」シリーズについて振り返ります。
グリックの冒険(1970年)
「ガンバの冒険」シリーズとされる3作品の一つ目は「グリックの冒険」(1970年)です。
筆者は、後述の「冒険者たち」で「ガンバの冒険」シリーズにハマり、「ガンバとカワウソの冒険」を読んでから「グリックの冒険」に辿り着いたのですが、実は後の2作品が「グリックの冒険」からのスピンオフ作品。
というのも「グリックの冒険」の主人公は、シマリスのグリック。ガンバとは旅の途中で出会う話だったのですね。
シマリスのグリックが主人公の「グリックの冒険」
元はといえば、人間に飼われていたシマリスのグリックが、森を目指して冒険に出たのが最初。
その途中で助けることとなったドブネズミのガンバが、後の2作品ではスピンオフして主人公となったのでした。
「グリックの冒険」は1981年7月21日にアニメ版が劇場公開されました
「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」(1972年)
テレビアニメとして放送されたこの「冒険者たち」が、「ガンバの冒険」シリーズでは最も人気がある作品です。
ガンバたちとイタチのノロイの戦いに引き込まれる様に、当時も夢中で本を読んだことを憶えています。
アニメ版は、おそらく再放送されたものを観ていました。本よりも仲間の数が少なかったんですね。
ガンバたちとイタチのノロイの戦いを描いた「冒険者たち」
ガンバの仲間のネズミたちそれぞれのキャラがしっかりしていて、幼いながらに感情移入して読んでいました。
1975年4月7日~9月29日までのテレビアニメ、1984年3月の「冒険者たち ガンバと7匹のなかま」などで映像化。
ノロイは昭和生まれのトラウマ!個性豊かなネズミ達の物語・ガンバの冒険 - Middle Edge(ミドルエッジ)
度々映像化される「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」
2014年の「BABY GAMBA」(冒険者たちのキャラを原案とした2分間のショートアニメ)や、2015年の「GAMBA ガンバと仲間たち」など。
特に「GAMBA ガンバと仲間たち」は3DCGアニメ映画で、総製作費20億円をかけて制作された作品でした。
「ガンバとカワウソの冒険」(1982年)
「ガンバの冒険」シリーズラストとなった「ガンバとカワウソの冒険」。
発表年は前2作よりもだいぶ後で、野犬に追われるカワウソをガンバたちが助ける物語。
3作品の中ではもっとも長編で、しかも内容もけっこう重いんですね。
絶滅寸前のニホンカワウソにスポットを当てた「ガンバとカワウソの冒険」
作者の斎藤惇夫が原画の薮内正幸と話していて絶滅動物の話題となった際、ニホンカワウソが絶滅寸前であることを知ったのが執筆の動機だったそうです。
なお、3作品の時系列は「冒険者たち」「グリックの冒険」「ガンバとカワウソの冒険」となっています。
「ガンバとカワウソの冒険」は1991年07月20日にアニメ版が劇場公開されました
大人になってもしっかり読める作品、ついつい感情移入してしまう作品です。
当時触れることのなかった方にも、ぜひおススメのシリーズ作品ですよ。