T・レックスの絶頂期である72年3月18日にロンドンはウェンブリー・プールで行われたライヴ映像を中心にして、リンゴ・スターやエルトン・ジョンとのスタジオでのセッション、シュールなイメージ映像などが収録された伝説のロック・フィルム「 ボーン・トゥ・ブギー ~ ザ・モーション・ピクチャー」が2016年7/月6日に発売されています。
T・レックスの素晴らしさを知るには最高のアイテムです。
ファンの方はもちろん。まだT・レックスを知らないという方にお勧めします!
T-REX

T・レックス
イギリスで1970年代前半から中盤にかけて流行したグラムロック。その中心的存在だったのがマーク・ボラン率いるT・レックスです。
当時その人気は絶大で、特徴的なブギーを使った音楽性からブギーのアイドルと呼ばれていました。
映像を見るとお分かりになると思いますが、派手なメイクとコスチューム、まさにグラムの申し子といった佇まいですね。
そういえば、ステージでギターを弾きながら派手に動き回り歌うというステージ・アクションはT・レックス以前には誰もいなかったのではないでしょうか?
現在につながるスタイルが確立されたといってもいいのかもしれませんね。
それにしても当時のT・レックス人気は今では考えられないほど凄まじかったのです。
そんなT・レックスに目を付けたのが元ビートルズのドラマーであったリンゴ・スターです。
ビートルズはアップルという自分たちの会社を持っていました。当時そのアップルで最も大きな収益をあげていたのはビートルズが所属するアップル・レコードですが、その他の部門はあまり芳しくありませんでした。
1972年にアップルの映像部門であるアップル・フィルムのテコ入れをすることになり、そこで選ばれたのがT・レックスというわけです。

リンゴ・スター
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マーク・ボランとT・レックスを主役としたドキュメンタリー映画を、監督リンゴ・スターで制作することになります。
「ボーン・トゥ・ブギー」がそれですが、このことは当時のT・レックス人気がどれほど凄かったかを物語っていると同時に、ビートルズの後継者をビートルズ自ら指名したとも受け取れます。
ビートルズの手によってドキュメンタリー映画がが作られたことでビートルズに変わる存在として認められたT・レックス。
一時期マスターフィルムが不明となっていたのだそうですが、こうしてリマスターされ当時の映像を見ることができる喜びは計り知れません。
Born To Boogie – The Motion Picture
ビートルズが認めたとはいえリンゴ・スターが監督ということで不安を抱えてしまいがちですが、監督がどうであれ(失礼!)この時期のT.レックスはさすがに素晴らしいです。
「小細工はしない」というマーク・ボランの言葉によって作られたステージは、質素というか飾りっ気がまったくありませんが、過剰な演出がない分バンドの、音楽の、素晴らしさがよく分かります。
臨場感があって楽しめますよ。

ボーン・トゥ・ブギー ~ ザ・モーション・ピクチャー
永遠のアイドルです。この作品も以前からいろんな形のものを購入してきました。作品的にはかなりマニアックな部分もありますが、そこをスルーしないで楽しんでほしいと思います
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ライブの収録曲は以下の通りです。
1972.3.18 ウェンブリー マチネー・ショウ
●ロスコズ・イントロ
●キャデラック
●ジープスター
●ベイビー・ストレンジ
●スペースボール・リコシェ
●ガール
●コズミック・ダンサー
●テレグラム・サム
●ホット・ラブ
●ゲット・イット・オン
●サマータイム・ブルース
お馴染みの「Get It On」です。
それにしてもマーク・ボランの震える声というのは何とも魅力的ですね。
そして、ライブ以外にスタジオでの風景も収録されています。代表曲のひとつである「Children Of The Revolution」を生ギターを弾きながらエルトン・ジョンのピアノとリンゴ・スターのドラムをバックに歌うマーク・ボラン。
貴重な映像です。
しかし、それ以上にこの素朴なスタジオ・テイクからは曲の良さがよく伝わります。
The Slider
このライブ映像が撮影されたのと同じ年の1972年にリリースされたT・レックスのオリジナル・アルバム「ザ・スライダー」ですが、ジャケット写真をリンゴ・スターが撮影しています。
勢いがあった時期だけあって大ヒット曲の「メタル・グルー」と「テレグラム・サム」を含む名盤となっています。

ザ・スライダー
歴史に残るような名盤をリリースした時期のライブ映像を見ることができるということで「ボーン・トゥ・ブギー ~ ザ・モーション・ピクチャー」は貴重なドキュメントと言えます。
名曲の数々と70年代独特の空気感、是非とも多くの方に追体験して頂きたいと思います。
Member
T・レックスはもともとティラノザウルス・レックスと名乗ってマーク・ボランとパーカッションのスティーヴ・トゥックの二人組のフォーク・グループとしてデビューしています。一説によるとエレクトリック・バンドを結成するには予算がなかったからと言われていますが、パーカッションを相方に選んだところに独自性が感じられます。
それは、バンドとなってからもマーク・ボランの右腕として最も長く行動を共にしたのがミッキー・フィン(パーカッション)だということからも明確な意図が感じられます。
マーク・ボラン:ギター、ヴォーカル (1967-1977)以下 在籍したメンバーは以下の通りです。
スティーヴ・トゥック:パーカッション、ヴォーカル (1967-1969)
ミッキー・フィン:パーカッション (1969-1974)
スティーヴ・カーリー:ベース (1970-1976)
ビル・レジェンド:ドラムス (1971-1973)
ポール・フェントン:ドラムス (1973-1975)
ジャック・グリーン:ギター (1973)
ディノ・ダインズ:キーボード (1973-1977)
デイヴィー・ラットン:ドラムス (1973-1976)
グロリア・ジョーンズ:キーボード、ヴォーカル (1973-1976)
ミラー・アンダースン:ギター、ヴォーカル (1976-1977)
ハービー・フラワーズ:ベース (1976-1977)
トニー・ニューマン:ドラムス (1976-1977)

ミッキー・フィン