昔は餅は米屋で買ったもんだ
正月にいただくお餅。
今はスーパーで「サトウの切り餅」的な商品がたくさん並んでいて
スーパーで買うのが定番ですね。
でも昔は、米屋に注文して届けてもらうものでしたよ。
もちろん、正月にいただくお餅の形状が地域によって違うので、これは切り餅の地域の話。

のし餅
29日か30日にこれが家に届くんだけど、まだほかほか温かくって、やわらかくて
大きい座卓や戸板をはずしたものに乗せて、曲がった状態で堅くならないようにしていました。
うちの親は裁縫時の裁断板の上に乗せていたなあ。
餅は柔らかいうちに切っちゃダメなんです。包丁がベタベタになっちゃうので。
指で押してへこまない堅さになったら、包丁で一気に切ります。
ちょーっと乾いちゃったグミを切るような感触ですね。
子どもでも少し体重をかければ「かっくん」と切れる感じです。

外のビニールは切るためのガイド
切った餅からガイド用のビニールははずしません。
お餅が乾燥して割れるのを少しでも防ぐため、だと親は言っていましたが
本当のところはどうなんでしょうかね。
あれをペリペリはがして焼きあみに乗せるのが楽しみでしたよ。

切ったのし餅
米じゃないのに米屋で売っていたもの
米屋だから、もちろん米は売ってました。
いろんな地域の米があったし、玄米もあったし、精米機もありました。
でも、なんでこれが米屋に?と思うものが、当時の米屋にはあったんです。
それがこれ。
なんでこれ?その1 プラッシー

なつかしのプラッシー
武田食品工業の「プラッシー」
みかんのジュースにビタミンCをプラスしたから「プラッシー」っつー、安直あーいやいや分かりやすいネーミング。
あーそれで米屋。
重いものを運んでくれるなら酒屋さんでもよかったんでは、と思うが
お酒を飲まない家はあっても、米を食べない家はないもんね。
より汎用性の高いインフラを選んだ武田食品工業、さすがです。
でも1ケースにつきグラスがついていた、というのは、知らなかったな。
1ケースもジュース買わなかったしぶい家だからか(涙

これがついていたのか?
プラッシーも時代によってパッケージ形状が変わっていきます。
昔のプラッシーはこうですが

プラッシーの歴史
岡本米穀店
缶があるのはなんとなく覚えていたけど、ペットボトルがあるよ!
なんかちがう・・・気がする。

ビンと缶とペットボトルプラッシー
つまり今は米屋では売っていないと。
そもそも米屋があまり見当たらないよね。
なんでこれ?その2 いの一番

いの一番の看板
いの一番ってなんだよ、って人も多いだろうなあ。
いやつまりだしの素です。味の素の類似品と言ってもいいか。

いの一番

味の素
あとハイミーってのもありましたね。
「ハイミー、、、、パパッパァ」っていうCMもあった。
ハイミーは味の素から出てますが、味の素とはイノシン酸の配合が違うらしい。
味の素もハイミーも普通に食料品店で売っていたのですが。
いの一番に戻りましょう。
いの一番は武田食品工業の商品なので、プラッシーと同じです。
つまりプラッシーを扱う店で、いの一番もついでに扱っていたと。
うちの近所の米屋では
お米を買うとおまけでプラッシーといの一番をくれたんですが
プラッシーはともかく、いの一番がたくさんあって困った覚えがあります。
なんでこれ?その3 強化米
いやべつに米屋なんで、強化米を売っていてもいいんですけど。
てか当たり前っちゃ当たり前ですけど。
ただそのネーミングやパッケージがちょいと強烈だったので。
まずビタライス。

ビタライス
米のくせに、なんでか箱入り。
「強化米」とは、米にビタミンを浸み込ませたり吹き付けたりしたもので、
普通のコメに混ぜて一緒に炊くと、栄養がとれるよ、というシロモノ。
でもこれを入れて炊くと、なんか薬臭いような、ご飯じゃない匂いがしたんだよね。
上の画像には三共製薬のマークが出ていますが、武田薬品工業と、あと塩野義製薬でも出してました。
その炊いた時の匂い(ビタミン臭というらしい)をなくした、という触れ込みの
ポリライス。

ポリライス
箱ではないですが、圧縮袋に入っていて、黄色のパッケージがけっこう強烈。
なにより「ポリライス」って何よ、ポリエチレンライスですか?
でも、各種の給食現場とかでかなり利用されているらしいので
みなさん知らないうちに召し上がっているのかもです。

武田食品工業の商品看板
米屋と武田食品工業(強化米は武田薬品工業ですが)が流通でつながって
米屋なのに「なんでここで?」商品が売られていたんですね。
