アル・パチーノ主演の映画『セルピコ』
1973年製作のアメリカ・イタリア合作映画。日本公開は1974年7月。
監督は『オリエント急行殺人事件』(1974年)、 『狼たちの午後』(1975年)、『旅立ちの時』(1988年)のシドニー・ルメット。
主演は『ゴッドファーザー』(1972年)で当たり役「マイケル・コルレオーネ」を演じ、名優としての地位を確立し始めた頃のアル・パチーノ。

映画『セルピコ』
本作はニューヨーク市警に蔓延する汚職や腐敗に立ち向かう警察官、主人公フランク・セルピコの実話に基づいた作品。
1976年、『アウトロー刑事・セルピコ』としてデヴィッド・バーニー、バート・ヤング出演でドラマ化された(全15話)。パイロット版TV放送時題名『新セルピコ 孤独刑事最後の挑戦』。
映画『セルピコ』 あらすじ

セルピコ(アル・パチーノ)

銃で撃たれ瀕死の状態
セルピコ - 作品情報・映画レビュー -KINENOTE(キネノート)

セルピコは過度に犯罪者を追い詰めてしまい、自らも立場を悪くする。正義感の塊。

ブレア(トニー・ロバーツ)

レズリー(コーネリア・シャープ)

愛犬と
セルピコ - 作品情報・映画レビュー -KINENOTE(キネノート)

恋人のローリー(バーバラ・イーダ・ヤング)

汚職を訴えるセルピコ

危険な任務を遂行するセルピコ
セルピコ - 作品情報・映画レビュー -KINENOTE(キネノート)
実在したセルピコ
本作のモデルとなった人物はフランチェスコ・ヴィンセント " フランク " セルピコ(1936年4月14日生まれ)。
10代の頃は軍隊に所属していた。
1960年代後半と1970年代初頭に、劇中でもあるように警察の腐敗を内部告発した。
彼は広範な体系的な警察の腐敗の信頼できる証拠を報告したが何も起こらず、その後ニューヨークタイムズにて告発するに至った。
ニューヨーク市警察署の名誉勲章を受けた1ヵ月後、フランク・セルピコは、1972年6月15日に引退。
その後、傷痍年金を受給しながらヨーロッパで傷を癒した。そして旅行や勉強に時間を費やした。
しかし、嫌がらせや若くして妻を亡くすなどでうつ病に苦しんだという。
彼は1980年にアメリカに戻り、NY州の山奥に住み、警察学校の講師などを担当した。
2003年にアメリカ映画協会が選んだアメリカ映画100年のヒーローと悪役ベスト100では、セルピコがヒーロー部門第40位にランクインしている。

実際のフランク・セルピコ

銃弾を浴び病院で運び込まれた写真
映画化の経緯

シドニー・ルメット監督
作品データ
監督 シドニー・ルメット
脚本 ウォルド・ソルト、ノーマン・ウェクスラー
俳優 アル・パチーノ、 バーバラ・エダ・ヤング、コーネリア・シャープ、トニー・ロバーツ等
公開 1973年(※日本公開は1974年)
配給 パラマウント映画
時間 130分

バイクやファッションも格好良かった
アル・パチーノは本作の演技で、1973年度のゴールデン・グローブ賞(ドラマ部門)とナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の主演男優賞を獲得した。
アル・パチーノ演じるセルピコが純粋な心を持ち、悪に向かっていく様は、実在のセルピコを知らずとも、当時の状況をも想像させてくれる。
腐りきった世界に希望を見出せるのは、やはり純粋無垢な心なのだと強く感じる。
この名作をまだご覧になっていない方は是非、映像でご覧下さい。あらすじを超えたセルピコの生きざまを感じ取れるはずです。