【第10位】Valotte / Julian Lennon

ジョン・レノンの息子ということで、注目の中リリースされたアメリカでのデビュー・シングル(イギリスではセカンド・シングル)。当たり前ですが、ジョン・レノンに似たルックスと声で、全米最高9位のヒットに。本人にとっては、それがプレッシャーにもなっていたのでしょうが、デビュー時だけの一発屋のように語られることが多いジュリアン。意外とこれ以降の作品も、地味ではありますが良い作品が多いので、もっと評価されてもいいのに!と個人的には思ってしまいます。
ヴァロッテとは、ジュリアンがこの曲を書いていた時に過ごしていたフランスの地域名。レコーディングは数多くのソウル名盤でお馴染みのマッスル・ショールズで行われ、ミックスはニューヨークにてジョンが『ダブル・ファンタジー』で使ったのと同じコンソールが使用されていると聞くと、ちょっと感傷的になってしまいますね。
【第9位】All I Need / Jack Wagner

リック・スプリングフィールドが出演したことでも知られるTVドラマ「ジェネラル・ホスピタル」に、同じく出演していたジャック・ワグナー。まさにリックの後を追うかのように、スター街道をまっしぐら、シンガーとしてもこの曲で成功を収めました。クリフ・マグネス&グレン・バラードの名ソングライター・コンビがプロデュースも担当し、全米最高2位のヒット!
【第8位】No More Lonely Nights / Paul McCartney

ポール・マッカートニーが自ら主演し、脚本も担当した映画『ヤア!ブロードストリート』サントラからのシングルで、全米6位、全英2位の大ヒットを記録。バラード・ヴァージョンがシングルとなりましたが、アルバム及びシングルB面に収録されたアップ・テンポなプレイアウト・ヴァージョンも存在します。サントラには豪華なゲスト・ミュージシャンが参加していることも話題となりましたが、この曲ではピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアが弾くギターが印象的。ぜひライヴでも演奏してほしい楽曲なのですが、なぜかいつもセットリストに入ることがない、隠れた人気曲と言えますね。
【第7位】I Feel For You / Chaka Khan

元々はプリンスがパトリース・ラッシェンのために書いた楽曲なのですが、彼女に却下されてしまい、結局殿下自身のセカンド・アルバムに収録された隠れた名曲。それをチャカ・カーンがカバーし、全米3位、全英1位の大ヒットを記録。
プロデューサーのアリフ・マーディンが施したコンテンポラリーなアレンジが光ってますが、中でもイントロで炸裂するメール・メルのラップが衝撃的でした。まだラップが一般的に浸透していない時代に、「チャカ・カーン!チャカ・カーン!」というラップがいきなり鳴り響き、思わず引き込まれてしまったのを思い出します。また、間奏ではスティーヴィー・ワンダーのハーモニカも挿入されるなど、ヒットする要素をふんだんに取り入れたゴージャスな一曲!
【第6位】We Belong / Pat Benatar

パット・ベネター6枚目のスタジオ・アルバム『トロピコ』からのファースト・シングル。それまでの激しいロック・ヴォーカリストとしてのイメージとは異なるポップな楽曲で、全米最高5位のヒットを記録。MTV全盛だった時期ということもあってか、プロモーション・ビデオでもパットの女性的でかわいらしい面を打ちだそうとしていたように見えますね。この曲の作者であるローウェン&ナヴァーロは、よほどこの曲が気に入っていたのか、1990年リリースの自身のアルバムでもセルフ・カバーしています。
【第5位】Cool It Now / New Edition

当時まだ15~16歳だった5人組、ニュー・エディション!後にソロでも活躍し、ホイットニー・ヒューストンと結婚することになったボビー・ブラウンも在籍していたことで知られるボーイズ・グループですが、この曲が全米4位のヒットとなったことで、一気にスターダムを駆け上って行ったのでした。
リード・ボーカルのラルフが聴かせるラップが印象的ですが、あのランDMCよりも先に、本格的なラップを取り入れた楽曲がポップ・チャートの上位にランクインしたのは、この曲が初めてではないでしょうか。そういう意味でも、エポック・メイキングな楽曲と言えますね!
【第4位】Sea Of Love / The Honeydrippers

ロバート・プラント、ジミー・ペイジ、ジェフ・ベック、ナイル・ロジャース、などによる超豪華なサイド・プロジェクト、ザ・ハニー・ドリッパーズ。50'sのR&Bやロックン・ロールをカバーするという内容ですが、レッド・ツェッペリンでハード・ロックのイメージが強いプラントも、実はこんなスタンダードを歌いたい願望があったんですね!ちなみにこの曲は1959年にヒットした(全米2位)フィル・フィリップスのカバー。
しかしながら、あまりにこの曲が売れすぎたため(全米3位!)、自分がロック・ヴォーカリストではなくクルーナー(ソフトな甘い声で歌う歌手)だと勘違いされるんじゃないか、と不安になったプラントは、この素敵なサイド・プロジェクトを長く続けることはありませんでした・・・。これはこれでカッコ良かっただけに、残念!
【第3位】Out Of Touch / Daryl Hall John Oates

80年代にヒットを連発したホール&オーツ、現時点で最後の全米ナンバー・ワンとなったナンバー。アルバムやPVでは、「ダンス・オン・ユア・ニーズ」という激しいインスト曲からなだれ込むように始まるのが、なんともカッコ良く、この2曲は切り離すことが出来ませんね!
ジョン・オーツが、とあるインタビューに答えたところによると、この曲のテーマは「魂(ソウル)」なのだとか。「魂を失うな!」というのが、重要なテーマとのこと。こんなにポップな楽曲でも、実は重たい主張が込められていたんですね~。
【第2位】The Wild Boys / Duran Duran

ニュー・ロマンティックス、第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンの代表として、人気絶頂だったデュラン・デュラン。初のライヴ・アルバム『アリーナ』に、新曲スタジオ録音として1曲だけ収録され、シングルにもなったこの曲は、当時デヴィッド・ボウイやマドンナなどの作品でもひっぱりだこだったナイル・ロジャースによるプロデュースで、当然のように全米2位、全英2位の大ヒット!
ウィリアム・バロウズによる同名小説にインスパイアされて書かれたというこの楽曲ですが、そのイメージを表現すべく作られたPVは、なんと1億ポンド以上のコストがかけられたというのだから、驚きです!まさにMTV全盛の80年代ならではですね!!
【第1位】Like A Virgin / Madonna

第2位だったデュラン・デュランと同じく、これまたナイル・ロジャースがプロデュースしたマドンナのこの曲が、彼女にとって初の全米ナンバー・ワンに!ファースト・アルバムが長くバカ売れしていた影響で、この曲を含むセカンド・アルバムのリリースを遅らせたとも言われているくらい、とにかくノリに乗っていたマドンナ。
この曲の作者、トム・ケリー&ビリー・スタインバーグは、後にシンディ・ローパーの「トゥルー・カラーズ」、バングルスの「エターナル・フレイム」、ハートの「アローン」など、全米1位のヒット曲を多数生み出す超売れっ子ソングライターとなったわけですが、それもこのマドンナのヒットがあったからこそ、と言えるのではないでしょうか。
The Billboard Hot 100 | Charts | Billboard JAPAN