1955(昭和30)年代の犬ブームで断トツ人気だったスピッツ

愛らしいスピッツ
私がまだ幼かった1955(昭和30)年代、町のあちこちでよくよく見かけた犬にスピッツがたくさんいたような記憶が残っています。白くてふわふわの体毛の中型犬で、今で言うならソフトバンクのTV宣伝に出て来る白い小型のポメラニアン(ギガちゃん)を柴犬ぐらいに拡大したような体形でした。
スピッツのルーツ
正確な犬種や詳しい情報はなく、どのような祖先犬だったのかははっきりしていないようです。
外見上の特徴からジャーマン・スピッツから派生した白毛種かボルピノ・イタリアーノ(イタリアン・スピッツ)ではないかとも推測されています。後に問題となった無駄吠えの多さはこれらの犬種の特徴であることも。

ジャーマン・スピッツ

イタリアン・スピッツ
スピッツ、ポメラニアン、及び、サモエドの関係
一番のご先祖の原種として考えられるのはサモエドであり、スピッツの先祖はサモエド、ポメラニアンの祖先はスピッツと言われています。三犬種とも共通しているのは、もふもふの毛並みではないでしょうか?

サモエド

ソフトバンクのギガちゃん
癒し犬の代表格
昔も今も人は癒しを求める道具としてペットを求める傾向にあると言われていますが、スピッツもそのような犬の仲間ではなかったのでしょうか?!

優しい笑顔のスピッツ

おねだりポーズのスピッツ

スピッツの子犬
よく吠える犬という評判

吠えるスピッツ

吠えるスピッツ2
私の記憶によるとスピッツという犬はよく吠えていたように思う。スピッツ自体はとてもかわいいのによく吠えられていたので石を投げつけたこともあったような・・・。今にして見れば流行に便乗しようとする人たちによる乱繁殖で、選択繁殖が行われることなく日本スピッツは急激に増加した一方、犬のしつけの知識・経験不足や、敏感で警戒心の強い犬種特性への理解が追い付かず、「吠えてうるさい犬」という評判が広がって、ブームは短い間に終わってしまったようです。
スピッツ愛好家
ブームはとっくに過ぎてしまいましたが、依然としてスピッツをこよなく愛する方々はおられるようです。最近の日本での頭数は1800頭前後で推移しています。ブームが終わろうとも、この犬種の真の愛好家は決してあきらめずに、無駄吠えが少なくなるように長い時間をかけて選択繁殖を続けた結果、現在のスピッツは無駄吠えや過剰な警戒心の少ない、穏やかな性格になっているそうです。