若く美しいメリル・ストリープのデビュー2作目だった『ディア・ハンター』
ロバート・デ・ニーロが、アントン・チェーホフ作『桜の園』の舞台でのメリル・ストリープの演技に目を止め、『ディア・ハンター』の相手役として推挙した。デ・ニーロは彼女のことをもっとも息の合う女優と言っている。
以後の活躍に関しては、紹介するまでもないが、あらためて確認しておこう。ちなみに、映画デビューは1977年、フレッド・ジンネマン監督の『ジュリア』。『ディア・ハンター』はデビュー2作目だった。
60歳を過ぎてもなお映画で主演をはれる数少ない女優であり、デビュー後これまで、出演作がとぎれることのない女優でもある。アカデミー賞主演女優賞を2度、助演女優賞を1度受賞している。ゴールデングローブ賞にいたっては主演、助演合わせて8度の受賞がある。ほかに、ベルリン国際映画祭銀熊賞や英国アカデミー賞の受賞などもある。アカデミー賞には19回ノミネートされていて、俳優としては最多記録。ゴールデングローブ賞も29回ノミネートされていて、こちらも史上最多記録である。
<女優賞を受賞したおもな出演作>
1979年 『クレイマー、クレイマー』 アカデミー助演女優賞受賞
1981年 『フランス軍中尉の女』 英国アカデミー賞 主演女優賞受賞
1982年 『ソフィーの選択』 アカデミー主演女優賞受賞
ゴールデングローブ賞 主演女優賞受賞
1988年 『クライ・イン・ザ・ダーク』 カンヌ国際映画祭 女優賞受賞
2002年 『めぐりあう時間たち』 ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞
『アダプテーション』 ゴールデングローブ賞助演女優賞
2003年 『プラダを着た悪魔』 ゴールデングローブ賞 主演女優賞受賞
2009年 『ジュリー&ジュリア』 ゴールデングローブ賞 主演女優賞受賞
2011年 『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』
アカデミー主演女優賞受賞
英国アカデミー賞 主演女優賞受賞
ゴールデングローブ賞 主演女優賞受賞
クリストファー・ウォーケン
クリストファー・ウォーケンはこの映画でアカデミー賞の助演男優賞を獲得。その鬼気迫る演技はある意味、ロバート・デ・ニーロ以上に印象的だった。当時、デ・ニーロと同じ35歳だったが、髭面のデ・ニーロよりもだいぶ若く見えた。しかも、繊細な雰囲気、細面でかなり美しいという印象だった。
1985年の『007 美しき獲物たち』では、イカれた悪役を好演。007シリーズの悪役としては初のアカデミー賞受賞歴の俳優の出演となった。2002年の『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』では再びアカデミー助演男優賞にノミネートされるなど、73歳になった現在も映画出演が途切れない名優だ。