「俺たちは皆、弱い意志を何とかつなぎ合わせて生きている。
鋼のような意志なんて誰も持ち合わせていない。
だから苦しい時、どん底の時こそ、過激に生きねばならない。
途中で逃げ出してはいけない。」
猪木や、一部の人間だけが、鋼のように強靭なような意志を持っているわけではない。
そんなものは誰も持っていない。
強い人間と弱い人間のわかれ目は、弱くなりかけた意志を必死に鼓舞し、努力、挑戦し続けることだと、猪木はいう。
「限界などない。
あるのは限界を口にしている自分だけだ。
ありもしない限界にこだわるな。
私に言わせれば「限界」なんて言葉はこの世にはない。
「限界」というから限界が出来るのだ。」
猪木は猪木を超えていく。
自分で自分の天井をつくってはいけない。
負けるかもしれないということは勝てるかもしれないということ。
やればできる・・・かもしれない.
ならやって損はない。
やってみよう。
「俺は夢の途中でギブアップなどしない。
どこまでも行動、行動だ。
力の限り突っ走れ。
己の目標に向かって、ゼイゼイと息切れするまで突っ走ってみろ。
やりたいこと、やらねばならないことに全力でぶつかれ。
途中で嫌になる。
しかし君だけが嫌になっているのではない。
そんなときはみんなもここらでやめたいと思っている。
その時どこまで頑張れるかに明日の勝利がかかっている。」
猪木は、基本的に口ではなく、行動の人。
常に何かに向かって行動し、その背中をみて多くの人が引っ張られている。
「人は誰でもハンディを背負って生きている。
走るのが人より遅い。
それだけでも長い人生においては大きなハンディとなる。
家が金持ちではない。
これも大きなハンディだ。
金があればたやすく実現することはたくさんある。
ハンディを糧として生きることが出来るか否か。
ここに人が人たり得るかどうかがかかっているような気がする。
俺だけではない。
みんなハンディを背負って人生をやってるんだ。
ならば、ハンディ大歓迎だ。
かかって来い。
俺の力で覆してやろうではないか。」
たくさんの苦労と我慢に耐えるだけでも大変で、それができる人間は尊敬に値する。
できない人もいるのだから・・・・
しかし猪木はそれだけではなく、その負のエネルギーを、自らの勝利のエネルギーにせよという。
逆境がなればなるほど燃えることができなければ、輝くことはできない。
「一生懸命にやっている人を小馬鹿にするのは、自分がかなわないから笑うことで逃げているのだ。
そうすることによって己のちっぽけな自尊心を満足させているに過ぎない。
男ならもっと堂々と張り合え。
俺の場合のみならず、この世の誰も、一生懸命に物事に打ち込んでいる人間を馬鹿にすることは許されざる行為だ。
格好をつけて、泥臭く頑張る人間を馬鹿にする奴もいるが、そんなことをする権利は誰にもない。
特にその経験をしていない奴、行動を起こす気もない奴が、無責任に勝手なことをいうのは言語道断だ。
結局、笑いたい奴には笑わせておけばいいのである。
いつか誰かが認めてくれるかもしれないし、もしそうならなくても、「俺はやり通した」という充実感がそこにあれば、それはそれでいいのだ。」
クールさが美徳とされる現在の社会で、格闘技の存在意義は「熱」だと思う。
強くなるために、一生懸命、汗をかく。
クールで経済、物質優先の社会で、すごく大事なことではないだろうか?
「派手に見えれば見えるほど裏で地道な努力をしているのがあらゆる世界のプロだ。
プロの世界で生きようとするなら楽に生きようとするな。
そう考えたら最後、プロにはなれない。
プロとしてやっていく方法。
それはどこまで地味な努力が出来るかということと、どこまでその職業に誇りが持てるかということだ。」
いかにも人前が好きで、派手なパフォーマンスが目立つ猪木だが、たくさんの人間が、猪木が黙々と練習し、忙しいときは道場から自宅にトレーニング器具を持ち帰る姿を目撃している。
大変な努力の人であり、ガマンの人なのだ。
「『おやめなさい』と言われて『ハイ、そうですか』と引き下がるような奴は男ではない。
何でもいい。
やりたいと思ったものはとことんやれ。
誰のための人生だ。
自分の、たった1人の自分のための人生ではないか。
自分が決めたことはやり通せ。」
インターネットの普及で、いろいろな情報が手に入り、その利便性が高まった。
しかし同時に決断力やそのスピードは落ちた。
「理性」が高まれば「野生」が衰えるように、人が優しくなりすぎる時代である。
こんな時代、なんの分野でも、カゲキなガンコモノは、孤独であるが、シアワセモノである。
「もう目一杯登りつめた。
俺がボスだと思っていても上には上がいる。
井の中のカワズだなと気づく。
今の古い井戸から更に広い井戸へと突き進む。
進んだ先が、例え井戸には変わりないとしても突進する。
それが男の生き様だ。
そして気づいたらいつの間にかビッグになっていた。
これでいいではないか。」
確かに猪木は、最強のチャレンジャーにしてビッグボスだ!
「俺はここまでやれた。
それは常に夢を持っていたからだ。
夢・・強い欲さえしっかりと持てば、君だって俺以上のことがやれる。
俺がやれたんだ。
君だって出来る。
やりたいことをさあ、やるんだ。
やり抜くのだ。」
プロレスラー、政治家、実業家、人生のホームレス、いろいろな肩書はあるけれど、猪木のなにか1つのことを追い求めている・・・ような気がする。
「よく他人のアラ探しをして悪口を言う奴がいる。
いいところを積極的に誉めないで悪いとこばかりを責める。
親にもこの手の馬鹿が多い。
子供の成績が悪いからといって結果だけ見てガミガミ言う。
胸に手を当てて自分の学生時代を考えてみろと言いたい。
1つ覚えで、勉強しろと言えば親の役目は済んだと思っている。
すぐ結果を見ようとするからアラ探しをするようになるのだ。
なにごとでも大切なのは結果までのプロセスである。
どのようにしてこのような結果が生じたか?
それを重視しなければならない。」
猪木は、悪いことはするけど、卑怯なことはしない。
そして基本的に弱い者の味方だ。