忌野清志郎&坂本龍一の異色すぎるコラボ
若者に絶大な人気があったロックバンド「RCサクセション」のヴォーカル『忌野清志郎』と、テクノサウンドで世界を席巻した「YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)」の頭脳として時代の寵児となった坂本龍一がコラボ。

い・け・な・いルージュマジック
忌野清志郎と坂本龍一の遭遇エピソード
坂本は以前から忌野と一緒に音楽を制作したいと考えており、ソロアルバム『左うでの夢』製作時、面識のない忌野にカラオケテープを送り、作詞を依頼していた。しかし、忌野がRCサクセションとしてツアーをしながらアルバム『BLUE』を録音していたため、時間的な都合により実現しなかった。
その二人を結びつけたのは、「くうねるあそぶ」などで有名なコピーライターの糸井重里。
1981年の夏、糸井の事務所で坂本龍一と一緒にRCサクセションのライブビデオ見ていた際、坂本が以前から忌野のことを気になっていると口にしたことから、糸井が間に入り、何らかの形で二人をジョイントさせるプランを計画。
そこへ資生堂からCMソングの話が舞い込み、アンケートをとったところ若い女性が注目しているミュージシャンとして坂本と忌野の名前が挙がったことから、この組み合わせが実現。
1981年12月26日に初顔合わせをし、2月14日にはレコードを発売するという早業だった。
物議を醸したミュージック・ビデオ
資生堂のCMソングに
CMソングなのに「いけない」のネガティブフレーズをタイトルに使う大胆さは忌野清志郎によるもの。
雑誌では『曲を作って、歌詞は俺が家に持って帰って作ったの。
そうしたら最初“い・け・な・い”って言葉がいけないとか言われて。
その辺は、糸井さんがうまくやったみたいで、結局あれがキャッチフレーズになってしまった。
“ルージュ・マジック”って言葉だけは使ってくれって言われて。
俺はそんな、商業の作戦か何かで若い子騙してさ(笑)、よくないと思ったから“い・け・な・い”って付けたんだけど。 』と語っている。