とどろけ!一番
ストーリー
進学塾の超名門・大日本進学塾に入学した一人の少年、轟一番(とどろきいちばん)が、書いても書いても減らない幻の鉛筆「四菱ハイユニ」と必殺技を駆使して試験勝負で並みいる強敵を倒していく物語です。

四菱ハイユニ
ゲームセンターあら…
連載初期から中盤にかけては中学受験を舞台に学力テストでの対決を格闘技風に描く漫画でした。テストの答案を書くという、本来アクションでないものをアクション漫画として描くことができた背景には、当時『コロコロ』でのヒット作であった『ゲームセンターあらし』が、ゲームの操作をアクション漫画として描くことで漫画の表現方法を広げたことを通じ、同誌の編集者たちが「漫画にできないものはない」と考えたという背景がありました。後にはのむらも、執筆当初は必死に『あらし』を真似たと語っています。
【ゲームセンターあらし】座って遊ばないテレビゲーム!次々と繰り出される必殺技に子供達は熱狂しました! - Middle Edge(ミドルエッジ)

ゴッドハンド
大人の事情で受験しまくる
また、当初の予定では受験シーズンにあわせて1月から3月までの3回で連載が終わる予定でしたが、人気が出たために連載の継続が決定し、主人公が受験において成功を収めながらも受験を続けなければならないという、苦肉の設定が生まれることとなりました。

開布中学の合格者は「なし」
ボクシング始めました。
物語後半になって突然「これまでの受験勉強の技は全てボクシングのためのものだった」という強引な設定で、ボクシング漫画に方針を転換させて読者を驚かせました。この路線変更によって読者からの手紙は一気に2倍の量になりました。なんとその手紙の大半は路線変更への抗議、クレームの内容で、鉛筆の削りかすや消しゴムのかすが入れられた不幸の手紙までが送られて来るようになリました。

一番の出生の秘密が鍵でした


答案二枚返し
またパクってしまいました。
両手で記入し設問と問題文を同時に読む、秘儀答案二枚返し。この技だと、どんな問題でも二分三十五秒早くできるといわれている、恐ろしい必殺技です…。
当時、ライバル誌週刊少年ジャンプ(集英社)の看板作品だった『リングにかけろ』(車田正美)の演出とストーリー展開を引用(パクッた)したことも人気の急降下に拍車をかけました。これがきっかけで連載終了が決定しました。
水月拳は、水中で特訓したボクシング技です。答案二枚返しを応用して完成しました。まず左のパンチを放って真空状態を作り出し、その真空中に右のパンチを打ち込むことで通常のパンチの何倍もの破壊力を生み出します。その威力は素手で空中の風船を粉々に砕くほどです。
スーパーブロー炸裂!友情・男気・熱血ボクシング漫画『リングにかけろ』 - Middle Edge(ミドルエッジ)
作者、のむらしんぼ
作者ののむらしんぼが『コロコロ創刊伝説』で描いた連載終了の顛末によると、人気が急降下したとはいえ、まだ中の下程度の人気は維持しており、本来は打ち切りになるようなレベルではないことを前担当編集者に明かされ、のむらは「だったら続けさせて下さい」と訴えたが、「ただ生活のためだけに、ダラダラと描き続けていいのか?」と叱責されたという。
その後のむらはいくつかの短期打ち切りを経験した後に、「一番」以上の自身最大のヒット作『つるピカハゲ丸』を送り出すことになる、一方で同作で見られた「他作品の演出等を引用する癖」は『ハゲ丸』終了後再びスランプに陥った時にも見られており、後にこれが自身の凋落と家族崩壊の遠因となった
コロコロコミックの大人気漫画【つるピカハゲ丸】今は作者とキャラクター、どっちが有名!? - Middle Edge(ミドルエッジ)
主人公/轟 一番(とどろき いちばん)
昭和43年(1968年)9月24日生まれ。
名門大日本進学塾所属。と書かれたハチマキをいつもしており、常に鉛筆を3本前後に挟んでいます。書いても書いても芯が減らず鋼鉄より硬い鉛筆「四菱ハイユニ」を使って、様々な秘技を駆使して試験問題を解く超秀才。ほぼ全ての試験で満点を獲得します。満点を取れずに補習を受けたり、ライバルの策略で0点を取ったりするエピソードもあります。

好物は豚カツ(受験に勝つ)、炒り玉子(志望校に入る)、スタミナ焼肉。いとこの轟二番が、ニセ一番として登場するエピソードも。

戸籍のミス
ライバル/常仁 勝(つねに まさる)
一番のライバルで、常仁財閥の御曹司です。
一番と同じく名門大日本進学塾所属。開布中学に合格しますが、一番の得点が自分より上にもかかわらず前述の事情(年齢)で翌年も受験すると知り、また一番を倒すためだけに、入学許可証を破り捨てて再び受験生となりました。そして翌年一番と共に再受験に挑みましたが、入試スキャンダルに巻き込まれ、合格者はなし、結局入学はしませんでした。一番と常に試験で張り合いますが、物語後半では一番と共闘するようになり、よきサポート役となります。試験の点数は500点満点で大体490点位と極めて優秀で、常時2 - 3位に位置しているタイプです。典型的な金持ちライバルキャラですが、勝負に関しては正々堂々と戦う性格です。

ちなみに第一話では、生涯のライバルとなる常仁勝と一番の対決が読めます。テストの点で勝負するのですが、普通のテストではお互いに満点で決着がつきません。
そこで提案されたのが、なんと『主要五科目デスマッチ』というもの。塾の先生が「いかん、それだけはいかん…あまりにも危険すぎる」と怖れた恐ろしい対決方法です。その内容は、塾の創始者多田励無(はげむ)先生が「トップは常に一人でなければならない」という考えから始めたどちらか一方が破られるまで戦う恐ろしい試験です。大体試験時間を一科目10分としても約一時間はかかり、ギャラリーはその間、ただじっと見てるだけという観客的にも恐ろしい試験です。

いかがでしたでしょうか?
こちらもごらんください。後半30分頃から『とどろけ!一番』です。

眠気覚ましには