バブル時代の夢の跡?ユーノス車種百科事典/ユーノス100~800編

バブル時代の夢の跡?ユーノス車種百科事典/ユーノス100~800編

バブル期にマツダ5チャンネル化計画で誕生したブランド、ユーノスは洗練されたデザインと10年先を見据えた仕様で、自動車市場に風穴を開けました。そこで今回は数あるユーノスブランドのラインナップから、ユーノス100、ユーノス300、ユーノス500、ユーノス800について特集します。バブルの頃にマツダが夢見た軌跡を、懐かしい画像や映像とともに、振り返ってみましょう。


ユーノスとは

日本の景気が上昇中だったバブル期に、マツダはそれまでの、マツダ、マツダオート(後のアンフィニ)、オートラマの3つの販売網を5つの販売網にして多角化する、マツダ5チャンネル化計画を行いました。その際、新たに設立されたブランド&販売網が「ユーノス」です。

なかでもユーノスは欧州車のような洗練されたモデルを目指し、実際ヨーロッパで高い評価を受けた車種もあり、日本よりも長く販売されたものもあります。
実際に販売店でシトロエンを扱ってたこともあり、日本でもユーノスを外車だと思う人も一部いたようです。

しかしバブル崩壊とともにマツダ本体の経営が悪化し、5チャンネル化計画も頓挫し、ユーノスブランドは消滅します。
1989年から1996年のたった7年間の間にユーノスが見た夢、その個性的な車達を紹介していきましょう。

ユーノス100

ユーノスブランドのエントリーモデルとして、1989年発売されました。ファミリアアスティナをベースとして作られています。
1.5Lと1.8Lの5ドアハッチバック。標準仕様のタイプAと、内装に本革を使用した上級仕様のタイプBがありました。

ファミリアアスティナ

しかし累計で1,000台ほどしか売れず、1994年ファミリアのモデルチェンジと共に販売終了となりました。

ユーノス100のスペック

1500DOHCタイプB  1,643,000円

型式 E-BG5PE
全長×全幅×全高 4,260×1,675×1,335mm
エンジン型式 B5-DE
最高出力    105ps/6,000rpm
最大トルク   13.2kg・m/5,000rpm
種類  水冷直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量  1,498cc
車両重量  1,040kg

10モード/10・15モード燃費 11.4km/L

1989年11月カタログより

ユーノス300

ユーノス300は1989年に発売された、チョッとハイソな4ドアハードトップです。ペルソナをベースに作られましたが、リアスポイラーを標準装備としたり、スポーツシートを装備したりと、ペルソナよりやや上級な位置づけでした。

ペルソナ

ユーノス100同様、内装は標準仕様のタイプAと本革のタイプBに分かれていましたが、凝ったラウンジのようなシートと内装が高評価でした。
エンジンは1.8Lと2.0Lの2種類。特に2.0Lはトルクがあって、よりパワフルな走りを実現できました。

ユーノス300のスペック

2000DOHCタイプB  2,325,000円

型式 E-MAEPE
全長×全幅×全高 4,550×1,695×1,335mm
エンジン型式 FE-ZE
最高出力    145ps/6,000rpm
最大トルク   19.0kg・m/4,000rpm
種類  水冷直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量  1,998cc
車両重量  1,280kg

10モード/10・15モード燃費 8.7km/L

1989年11月カタログより

ユーノス500

ユーノス500は1992年に発売されたミディアムクラスのセダンです。ロングノーズでショートデッキに美しい流線型のフォルムは、「10年経っても色褪せない価値」をモットーとし、自動車デザイン界の巨匠ジウジアーロ氏に「小型クラスでは世界で最も美しいサルーン」と言わしめたほどの傑作でした。

駆動はFF、エンジンはこのクラスでは珍しくV6の1.8Lと2.0L。小さな高級車として売り出そうという気概が感じられるラインナップでしたが、後のマイナーチェンジで直列4気筒が加わり、1996年マツダの経営が苦しくなりフォードの傘下に入ると同時に販売は終了となりました。しかしヨーロッパ市場ではその後も1999年まで引き続き販売されています。

ユーノス500のスペック

20G  2,765,000円

型式 E-CAEPE
全長×全幅×全高 4,545×1,695×1,350mm
エンジン型式 KF-ZE
最高出力    160ps/6,500rpm
最大トルク   18.3kg・m/5,500rpm
種類  水冷V型6気筒DOHC24バルブ
総排気量  1,995cc
車両重量  1,260kg

10モード/10・15モード燃費 10.4km/L

1992年1月カタログより

ユーノス800

ユーノス800は1993年に発売された高品質セダン。ユーノスのフラッグシップ的な存在として「10年基準」をキーワードに、未来を見据えたモデルとして登場しました。

量産車としては業界初のミラーサイクルエンジンを搭載し、「3リットルクラスの走りを2リットルクラスの燃費で」と、高出力低燃費を目指しました。ボンネットの素材をアルミにしたのも特徴的です。
この技術により、1993-1994RJCテクノロジーオブザイヤーを受賞しています。

駆動方式はFF、エンジンは2.3LのV6ミラーサイクルの他、2.5LのV6NAのラインナップでした。
しかしバブル崩壊後のマツダの経営の悪化によりフォードの傘下に入ると、1997年販売終了になり、以降はマツダミレーニアに引き継ぐこととなります。

ユーノス800のスペック

MC-V  4,365,000円

型式 E-TA3A
全長×全幅×全高 4,825×1,770×1,395mm
エンジン型式 KJ-ZEM
最高出力    220ps/5,500rpm
最大トルク   30.0kg・m/3,500rpm
種類  水冷V型6気筒DOHC24バルブ
総排気量  2,254cc
車両重量  1,520kg

10モード/10・15モード燃費 9.5km/L

1993年11月カタログより

10年先の未来を見据えて

ユーノス100と300は、それぞれファミリアアスティナ、ペルソナといったベースモデル車がいましたが、500と800はオリジナルのデザインとコンセプトで、10年先を見据えた画期的なものでした

残念ながらユーノスそのものが10年間もたなかったというのは皮肉な結末ですが、高出力で低燃費という目指したコンセプトが間違ってなかったことは、時代が証明しています。
デザインに関しても、どの車種も美しく、20年以上経った現在でも色褪せた感じもしないでしょう。

もしもみなさんが少し古めの4ドアサルーンを探しているとしたら、ちょっとだけユーノスに乗ることを想像してみませんか?
古さを感じじず、ゆとりを感じる、そんなカーライフに出逢えるかもしれませんよ。

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