自転車の歴史
自転車の起源については下記Wikipediaをはじめ様々な説がありますが、いつ誰が発明したのかが明確にはなっていないようです。
ただ、おおむね19世紀初頭のヨーロッパで生まれたとされているようです。
とすれば、自転車の歴史はおよそ200年ということになりますね、意外と短く感じるかもしれません。
芳虎『東京日本橋風景』(明治3年)
二輪自転車の祖先!地面を蹴って進む「ドライジーネ」(1813年or1817年)
いくつもの文献で確認することが出来ますが、1817年にドイツのカール・フォン・ドライスによって発明された木製の乗り物「ドライジーネ」は、前輪の向きを変えることができるハンドルと、前後同じ直径の二つの車輪を備えていました。
走り方はなんと足で直接地面を蹴って走るというものでしたが、ハンドルを動かして自由に曲がることが出来、時速15kmで走行出来たのです。
ドライジーネ(1817年)
ペダルの元祖!「ベロシペード」の登場(1839年)
1839年、スコットランドの鍛冶屋カークパトリック・マクミランがペダルによる駆動装置を発明。
これまでは足で地面を蹴って前進していた自転車から、はじめて足が地面を離れた瞬間でした。
後輪を駆動させるために前輪より後輪の方が大きく、ハンドルのグリップを回すことで前輪にブレーキがかけられるようになっています。
ベロシペード(1839年)
ベロシペードはラテン語で「早足」を意味します。
ちなみにフランス語で自転車は「ベロ(vélo)」です。
前輪にペダルを取り付けた2輪ベロシペード「ミショー型」がフランスで登場、初の量産へ(1861年)
1861年、フランスのパリで馬車職人をしていたミショー親子による発明で、2輪ベロシペードの前輪にペダルが取り付けられました。
1867年には年間1,000台を生産し「ミショー型ベロシペード」として普及することとなります。
ただし木製の車輪に鉄の輪を巻きつけたもので、ヨーロッパの石畳の道では乗り心地が悪く、イギリスではボーンシェーカー(骨揺り)などと呼ばれました。
ミショー型ベロシペード(1867年)
スピードを追及して前輪が巨大化「ペニー・ファージング型自転車」(1970年代)
1870年頃、英国のジェームズ・スターレーが、スピードを追求するために前輪を巨大化させたペニー・ファージング型自転車を発売し好評を博したため、多くのメーカーが追随。
前輪は拡大を続け、直径が1.5メートルを超えるものも出現しました。しかし極端に重心位置が高いため安定性が悪く、乗車中は乗員の足がまったく地面に届かないことなどにより日常用としては運用が困難であり、転倒すれば高所より頭から落ちるような危険な乗り物でした。
ペニー・ファージング型自転車(1870年代)
私たちが幼いころ、図鑑や絵本などで見た記憶のある古い自転車といえばこの「ペニー・ファージング型自転車」だったのではないでしょうか。
当時はまだチェーンがないため、スピードを出そうとすれば1回転でより多くの距離を進むことが出来る径の大きな車輪にするしか方法がなく、いまとなっては「!?」と感じてしまうほどに車輪が巨大化していったのでしょうね。
イギリスの自転車産業発展の元となったペニー・ファージング型自転車
初めてペニー・ファージングの技術的特徴を備えた自転車は、1869年にワイヤースポークホイールの特許を取得したフランスのウジェーヌ・マイヤー (Eugène Meyer) 。
その後1870年頃に、ジェームズ・スターレーとウィリアム・ヒルマンが設立した Coventry Machinists Co. から発表されたアリエル号 (Ariel) がヒット商品となりました。
他の自転車製造者もこれに追従して急速に普及、1880年頃が最盛期となります。