秋が来るたび聴きたくなるキョンキョンの名曲『木枯らしに抱かれて』
イントロを聞くだけで秋から冬へ季節の移ろいを連想させる。
キョンキョンこと小泉今日子が1986年11月にリリースした『木枯らしに抱かれて』。
それまで『艶姿ナミダ娘』、『渚のはいから人魚』、『ヤマトナデシコ七変化』、『なんてったってアイドル』など、元気な女のコ路線を突っ走っていた小泉今日子だが、二十歳を迎えてオトナっぽい曲に挑んだ。
小泉今日子『木枯らしに抱かれて』
『木枯らしに抱かれて』はTHE ALFEEの高見沢俊彦が作詞作曲。
小泉今日子の大人っぽい面を引き出す勝負曲を依頼したのはTHE ALFEEの高見沢俊彦。
高見沢俊彦から提供された楽曲は『木枯らしに抱かれて』が初めてではなく、1984年に『The Stardust Memory』、1985年に『ハートブレイカー』をシングル曲として提供されている。
(どちらも作詞は高橋研との共作)
『The Stardust Memory』はオリコン1位を獲得。
だが、『ハートブレイカー』は小泉今日子がブレイクした1983年後半以降でもっとも低い6位に終わってしまう。
『木枯らしに抱かれて』は真価が問われる3曲目として、高見沢俊彦にとっても重要な楽曲であった。
高見沢俊彦(たかみざわ としひこ)
懐かしい映像で振り返る小泉今日子『木枯らしに抱かれて』
スコットランド民謡みたいなバグパイプの前奏&間奏が特徴的。
大人っぽさを強調するため練習したという、キョンキョンの切ない表情や視線の使い方に注目。
『木枯しに抱かれて』を歌っている時に、こんなハプニングも…
『ザ・ベストテン』で第1位になった週で「木枯らしに抱かれて」を歌えなかったエピソードもある。
歌う前のQ&Aコーナーで「あなたは今幸せですか」という質問に「はい」と答えた小泉今日子。
しかし歌い出しの時に、ふと「私は今、幸せかな?」と考え始めてしまい、歌詞が一切飛んでカラオケ状態になった。
「幸せってなんだろうね? 別に不幸だとも思ったこともないけど幸せっていう自覚? 実感?っていうのもあんまりないかもしれない」との考えが巡り、歌うよりもそっちを考えることを優先させてしまったという。
著書:『小泉今日子の半径100m』より
切なさが際立つ『木枯しに抱かれて』の歌詞
奥手で好きな人に想いを伝えられないピュアな女の子という印象を勝手に抱いていた『木枯しに抱かれて』の歌詞。
だがじっくり読んでみると、『あきらめきれぬ恋でも夢は見ていたいのよ...』と、叶わぬ恋を嘆き憂いながら、最後には『激しく燃える恋の炎は誰にも消せないの』と執念とも言える強い想いを見せている。
THE ALFEE/歌詞:木枯しに抱かれて…/うたまっぷ歌詞無料検索