孤高の天才キース・エマーソンはエリック・クラプトンと同い年。2016年の春、非業の死を迎えた

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ポスト・ビートルズの座を名実ともに獲得した:エマーソン・レイク・アンド・パーマー。結成後5年間をめまぐるしく疾走し、次々とロック史の記録を塗り替え、世界マーケットで人気の座を欲しいままに。活動後期は、レコード会社のマーケティングミスのお蔭で失速。活動停止、解散を繰り返すなかで、各々ソロ活動や新たなバンドで活躍。


ELP黄金期の始まりと独自のサウンドの由来

キーボード・スーパー・バンド誕生

エマーソン・レイク・アンド・パーマー

現代の音造りでは常識の感もあるシンセサイザー。これをバンドの中心に据えたトリオが今(2016年)から半世紀近く前の1970年に誕生した。YMOではない、ELPだ。英国のバンド、エマーソン・レイク・アンド・パーマー、略してELP。「ギターレス」のスーパーグループだ。正式なバンド名は、よくアングロサクソン系の会社名のごとく、メンバーの名前の頭文字をつなぎ合せた。ELPというとまるでアナログ・レコードのサイズみたいだが、メンバーの名前をつないだのだから仕方がない。エマーソン・レイク&パーマー。

トリオ各人の前歴

グレッグ・レイクも参加したキングクリムゾンのデビューアルバム

エマーソンは、キース・エマーソン。以前は、「ナイス」というバンドのリーダー。幼少期からクラシックを学び後にジャズに転じた。バッハからチャイコフスキー、果てはバルトークまで、クラシックをジャズ・ロック風にアレンジして活躍。バッハが原曲の「ロンド」がヒット曲。レイクはグレック・レイク、伝説のバンド=「キング・クリムゾン」という超ド級のプログレッシブ・ロック・グループの、初代ベーシストにしてボーカル。ギターも弾けるグレッグ。そして3人目はカール・パーマーで、売出し中の「アトミック・ルースター」の元ドラマー。

キース・エマーソンの出身母体=ナイスのアルバム

カールパーマーの在籍していた前バンド=アトミックルースターのアルバム

クラッシクとロックの融合;フージョン

ロック(緑)とクラシック(黄)を融合させると、ELP(赤)のサウンドになる

FUSION=融合の概念

1970年というと、彼のビートルズがポールの脱退によって解散された年。ビートルズ後の覇権を狙って、様々なグループが結成される。ELPもそんな中結成されたスーパーグループ。しかし、音造りは、他のグループとは全く違い、クラシックとロックのフュージョンに挑戦した。実際デビューアルバムは、バルトークなどのクラシックの現代音楽を主題に用い、それをロックでアレンジした衝撃的な音造りであった。

プログレッシブロック四天王の一角

プログレッシブロック4天王の雄=ピンクフロイドのアルバム原子心母。初めてビートルズの売り上げを上まった

ロックといえども、ジャンル的には、 キング・クリムゾン、ピンク・フロイド、イエスとともに「プログレッシブ・ロック四天王」とされるが、キング・クリムゾンにも、ピンク・フロイドにも、またイエスにもない独自の新しいサウンドであった。 

活動開始

デビューライブとデビューアルバム;エマーソン・レイク・アンド・パーマー

エマーソン・レイク・アンド・パーマーのデビューアルバム

ステージの事実上のデビューは、1970年11月リリースのファーストアルバムに先んじて、同年8月末の「第3回ワイト島ポップフェスティバル」であった。因みのこのフェスティバルでは、その後他界するジミ・ヘンドリックスは健在で、ほぼ最後の活躍ステージとなる。実は、ベースのグレック・レイクは、ELP結成の前には、キース・エマーソンでなかったら、ジミ・ヘンドリックスと共演することを想定していた。元気なジミ・ヘンドリックス最後の舞台と、ELPのデビューが同じ「第3回ワイト島ポップフェスティバル」であったのは何か因縁めいたものを感じる。

セカンドアルバムとライブアルバム「展覧会の絵」のリリース

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