スタジオジブリ作品のヒロイン(20作品)

スタジオジブリ作品のヒロイン(20作品)

ジブリ作品の主人公の多くは女性であり、それぞれが個性的で魅力的なヒロインです。ジブリ作品を彩る魅力あふれるヒロインたちを振り返ってみましょう。


ナウシカ 『風の谷のナウシカ』(1984年)

『風の谷のナウシカ』(かぜのたにのナウシカ)は1984年にトップクラフト制作の日本のアニメーション映画で宮崎駿監督の長編アニメーション映画第2作。『アニメージュ』に連載していた宮崎の同名漫画(『風の谷のナウシカ』)を原作とする。原作の単行本全7巻から見ると、序盤に当たる2巻目の途中まで連載された時点での作品であり、映画公開後に連載を再開した漫画とは内容が異なる。

アニメージュを発行する徳間書店と広告代理店の博報堂による製作委員会方式で映画化され、宮崎自身が監督・脚本を手がけた。高畑勲・鈴木敏夫・久石譲ら、のちのスタジオジブリ作品を支えるスタッフが顔を揃えている。

『風の谷のナウシカ』(1984年)

ナウシカ
声 - 島本須美
本作のヒロインである16歳の少女。風の谷の族長ジルの末娘で、母や10人の兄・姉たちは腐海の毒で亡くなっている。

父には深く愛されていたが、10人の兄弟を失ったがゆえか母から愛情を受けずに育った。谷の少女達を妹のように可愛がり、「姫姉さま」と慕われている。

愛とやさしさで子どもたちや人々を引き付け、強いリーダーシップで人々を導くカリスマ的ヒロイン。
「風使い」として大気の流れを読み、凧(メーヴェ)を自在に乗りこなす。「腐海辺境一の剣士」ユパ・ミラルダに師事し、トルメキアの精鋭装甲兵や土鬼の僧兵(原作のみ)を一騎討ちで倒すほどの剣術の腕前をもつ。トリウマのカイに乗り、キツネリスのテトを可愛がっている。

腐海にある生命も等しく愛しい存在である。密かに腐海の植物を城の地下で育て、腐海から出る毒は大地と水の毒を吸っているからだということに気付いている。生き物の心を理解し、テレパシー(念話)の能力も持つようになる。

同盟国トルメキアから出兵要請を受けて、病床の父ジルに代わり風の谷の代表となり、クシャナ率いるトルメキア軍の作戦に従軍する。敵対する土鬼(ドルク)の人々とも手を取り、持ち前の行動力とまっすぐな心で多くの困難に立ち向かい、世界の秘密に迫っていく。

母性的な性格で、覚醒した巨神兵を諌めるために「オーマ」の名を授け息子とした。土鬼の聖都シュワの墓所において、墓所の主から世界再生のシナリオを知らされるが、協力を拒み、汚れた大地に生きてゆく決意を示す。その後は土鬼の地で暮らし、チククの成人後風の谷に戻った、あるいは森の人の元へ去ったとも伝えられる。

ナウシカ

ナウシカにとって人間も動物も同じく大切な命。ナウシカは生きとし生けるものを包み込む母性を持っている。

族長の娘であるナウシカは、住民から深く敬愛されており、人が恐れる腐海の虫とも心を通わせる少女だった。

攻撃的だったキツネリスのテトもナウシカに心を許しなつきはじめる。

メーヴェで風に乗るナウシカは、風のような自由な心を持つ少女。

ナウシカと幼生は、疾走してくる王蟲に跳ね飛ばされて姿が見えなくなるが、間もなく王蟲の前進が止まり、王蟲の群れはナウシカを囲むようにして動きを止める。

倒れているナウシカは死んでいるかのように見えるが、王蟲の触手がナウシカを包むとナウシカが蘇る。その光景は、風の谷に昔から伝わる救世主伝説を具現するかのようであった。クシャナらは呆然とその光景を眺め、住民達はナウシカに走りよって、彼女を抱きしめ歓喜する。

地上を前進する王蟲の群れの前方に、王蟲の幼生とともにナウシカが空から降り立つ。

シータ 『天空の城ラピュタ』(1986年)

『天空の城ラピュタ』(てんくうのしろラピュタ)は1986年に制作されたスタジオジブリ初制作の宮崎駿監督の長編アニメーション作品。

空に浮かぶ伝説の島、ラピュタを発見したものの、人々に信じてもらえないまま亡くなった父を持つ、見習い機械工のパズー。

彼はある日、空から落ちてきた少女シータと出会う。彼女は胸に青く光る石のペンダントを身につけていた。実は、彼女はラピュタの王位継承者であり、そのペンダントこそが空に浮かぶ力を持つ“飛行石”だったのだ。

ところが、二人はラピュタを捜索している国防軍に捕まってしまい、シータを残してパズーだけが釈放されることに。彼は、同じく飛行石を手に入れようとしていた空中海賊ドーラ一味の協力を得て、シータを国防軍の手から救い出す。そして、とうとう伝説の島ラピュタと遭遇することになるが……。

『天空の城ラピュタ』(1986年)

シータ (Princess Sheeta) / リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ
声 - 横沢啓子/アンナ・パキン
本作のヒロイン。はるか北方にあるゴンドアの谷に住んでいる。ラピュタを狙うムスカの特務機関に拉致され、飛行船で運ばれているところ、ドーラ一家の襲撃に遭い、逃げ出そうとして飛行船から転落、パズーに匿われることになる。

10代前半。長い黒髪を二本の三つ編みおさげにし、先祖秘伝の飛行石のペンダントを首から提げている。継承名は「リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ」。かつて、天帝としてラピュタに君臨した王族の宗家たるトエル家の末裔。ラピュタ語でウルは「王」、トエルは「真」を意味し、彼女が真のラピュタ王である事を意味している。

淑やかで心優しい少女だが、一方でムスカを背後からワイン瓶で殴る、ドーラの制止を振り切りパズーと暴風荒ぶ見張り台に残る等、アグレッシブな一面も持つ。山育ちで、視力は良い。彼女も天涯孤独であり、両親や祖母の残した畑やヤクを飼って生活していた。

家事全般が得意。名の由来は、宮崎自身が学生時代に書いた人形劇のヒロインであるシータ(ギリシャ文字のθ)から。構想段階では、シータも海賊の娘であり、風の谷のナウシカ(ワイド漫画版)同様、シータの命によってロボット兵がラピュタを破壊するラストシーンにする予定であった。

シータ 『天空の城ラピュタ』(1986年) ラピュタの空中庭園に着いたシータとパズー。

ハトと戯れるシータ

シータが大量の料理を作る。

パズー (Pazu)
声 - 田中真弓/ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク
本作の主人公。スラッグ渓谷の鉱山で働く見習い機械工で、明るく元気いっぱいで正義感と行動力あふれる10代前半の少年。

天涯孤独で、両親の残した家で一人暮らしをしている。ラピュタの発見に関して詐欺師の汚名を着せられたまま死んだ父のため、自作の飛行機(オーニソプター)でラピュタの実在を証明することを夢見る。

シータと出会ったことで、飛行石を狙っていたドーラ一家に入り、ラピュタを巡る冒険の旅へと出る。体は頑丈で、親方のゲンコツよりも硬い石頭だと自称するほど。とてつもなく視力が良く、その視力は空中を飛んでいて視界が不安定な状態にありながら数百メートルは離れているであろう位置から塔の上に居るシータに一瞬で気付くほど。

日の出と共にトランペットで『ハトと少年(スラッグ渓谷の朝)』を演奏し、飼っている鳩に餌をやるのが日課。ドーラ一家に迎え入れられた際に、その鳩達を全て逃がしている。
小説版のラストではラピュタでの一件の後、シータとは別々に暮らし、彼女とは文通をしている。

機動力抜群の「フラップター」を駆るシータとパズー

パズーとシータはグライダーで城から離れ空でドーラ一家と再会して喜び合う。彼らと別れ、二人は灯がともり始めた港町へ、ゆっくりと降りていった。

シータはムスカから飛行石を奪って逃げ、昔教わった滅びの言葉「バルス」をパズーと共に唱える。すると城は崩壊し、ムスカは瓦礫と共に海へ落ちる。

草壁サツキ 『となりのトトロ』(1988年)

『となりのトトロ』はスタジオジブリの長編アニメ映画。宮崎駿監督作品。1988年初公開。昭和30年代前半の日本を舞台にしたファンタジーである。

物語は、田舎へ引っ越してきた草壁一家のサツキ・メイ姉妹が、“もののけ”とよばれ、子どもの時にしか会えないと言われる不思議な生き物・トトロとの交流を描いていくというもの。

『となりのトトロ』(1988年)

サツキ(草壁サツキ)
草壁家の長女。黄色いシャツにオレンジ色のオーバーオール。当初は10歳の小学4年生という設定だったが、あまりにしっかりしているので12歳の小学6年生に変更された。

親思いで聞き分けがよく、妹の面倒を見たり、寝坊する父親に代わって家事もこなす。トトロとは、雨の日にバス停留場で初めて対面した。名前の由来は皐月(5月)から。

サツキ(草壁サツキ)

サツキは、優秀すぎる。すばらしい。

草壁サツキは、親思いで聞き分けがよく、妹の面倒を見たり、寝坊する父親に代わって家事もこなす。

メイ(草壁メイ)
草壁家の次女。白いシャツにピンク色のオーバーオール。4歳。姉のサツキと同じく親思い。努力家で聞き分けのいい姉とは対照的に、聞き分けが悪く言い出したら聞かない頑固な性格。

幼稚園には通っていない。好奇心の強さや観察眼は姉以上で、初めて見た中小トトロを追ってトトロの棲家までたどり着いている。物語の終盤、家からかなり離れた母の入院先へトウモロコシを届けようとして迷子になってしまい、サツキがトトロの力を借りて探しに出ることになった。名前の由来は英語で五月を表すMayから。

トウモロコシをちゃんと言えずトウモコロシと言ったり、オタマジャクシをオジャマタクシと言ってしまったりする。またこの作品では何もない所でよく転んでいて、大雨の中では転んだ拍子に服が泥だらけになったりするなど、幼児らしい所をしばしば見せている。顔のモデルは宮崎自身である。

サツキ(草壁サツキ)と妹のメイ(草壁メイ)

梅雨の季節となったある夜、サツキとメイが森にあるバス停で父の帰りを待っていると、そこにトトロがやって来る。

サツキがトトロに傘を貸してやると、トトロはお礼に木の実を渡し、バスの姿をしたネコ(ネコバス)に乗って行ってしまう。

二人は木の実を庭にまいたが、なかなか芽が出ない。すると二人はトトロの夢をみる。夢の中で木の実は巨木へと育ち、二人はトトロと共に空を飛ぶ。目が覚めると巨木は消えていたが、かわりに小さな芽が生えていた。それを見た二人は、夢だけど夢ではなかったと大喜びする。

サツキとメイが森にあるバス停で父の帰りを待っていると、そこにトトロがやって来る。サツキがトトロに傘を貸してやる。

夏となったある日に、二人がトウモロコシを収穫していると、病院から突然の連絡が入る。母が体調を崩してしまい退院が延びるというのだ。不安になったサツキは母が死ぬかもしれないと泣き出し、それを見たメイは1人で病院に向ってしまう。村中でメイを探すが見つからない。途方にくれたサツキがトトロに助けを求めると、トトロがネコバスを呼んでくれる。サツキを乗せたネコバスは風のように走り、道に迷っていたメイを見つける。メイは母にトウモロコシを持って行きたかったという。

ネコバスは二人を病院に連れて行く。そこには元気そうに父と話す母の姿があり、それを見た二人は安心する。母が二人の気配に気づくと、そこにはメイが持ってきたトウモロコシが置かれていた。

サツキを乗せたネコバスは風のように走り、道に迷っていたメイを見つける。ネコバスはサツキとメイを母が入院する病院に連れて行く。

節子 『火垂るの墓』(ほたるのはか)(1988年)

『火垂るの墓』(ほたるのはか)は、野坂昭如の短編小説。野坂自身の戦争原体験を題材した作品である。兵庫県神戸市と西宮市近郊を舞台に、戦火の下、親を亡くした14歳の兄と4歳の妹が終戦前後の混乱の中を必死で生き抜こうとするが、その思いも叶わずに栄養失調で悲劇的な死を迎えていく姿を描いた物語。愛情と無情が交錯する中、蛍のように儚く消えた二つの命の悲しみと鎮魂を、独特の文体と世界観で表現している。

同名のアニメ映画『火垂るの墓』(英題:Grave of the Fireflies)が、新潮社の製作で1988年(昭和63年)4月16日から東宝系で公開された。制作はスタジオジブリ、監督・脚本は高畑勲。挿入歌としてアメリータ・ガリ=クルチの「埴生の宿(原題:Home, Sweet Home)」が使われた。

原作同様に清太の死が冒頭で描かれ、幽霊になった清太の「僕は死んだ」というナレーションから始まってカットバックしていき、神戸大空襲から清太が死地となる駅構内へ赴くまで原作の構成をほぼ忠実になぞっているが、後半部分の演出、特に節子の死のシーンの描写(原作では清太が池で泳いでいる間に死んでいる)や、ラストで清太が去って行った後の山から見える景色が現代の神戸の街のシルエットに繋がる構成などはアニメオリジナルである。

『火垂るの墓』

節子
声 - 白石綾乃
4歳。清太の妹。母の言葉や着物のことを覚えている。清太から母が亡くなったことは聞かされず、病院に入院していると誤魔化されていたが、中盤で、実は叔母から母が既に亡くなったことを聞き、知っていたことが判明する。

栄養失調のため体に汗疹や疥癬ができ、髪には虱がついていた。その影響で徐々に目も虚ろになり焦点もあっておらず、死の直前は清太の言葉もほとんど通じていなかった。

この際、おはじきをドロップと思って舐めたり、石を御飯だと勘違いするほど思考力が落ちていた。スイカを食べた後、目を覚ます事はなく遺体は清太によって大事にしていた人形、財布等と共に荼毘にふされ、遺骨はドロップの缶に納められた。

ドロップが好きで全てなめ終わり、衰弱し何を食べたいかを聞かれ最後に「またドロップ舐めたい」と語っていたが叶うことはなかった。アニメ絵本で清太は節子を荼毘に付す直前、「もう一度ドロップ舐めさせてあげたかった」と述壊している。モデルは、戦時中に栄養失調で亡くなった原作者の妹である。

節子 『火垂るの墓』(ほたるのはか)(1988年)

清太
声 - 辰巳努
主人公。14歳(中学3年〔旧制〕)。劇中で、通っていた神戸市立中〔旧制〕は空襲で全焼したことが清太により言及。家も焼け出され、母も死去し、幼い妹・節子と共に西宮の親戚の家に行くが、叔母と折り合いが悪くなり自由を求めて節子と共にその家を出る。衰弱する節子に食べ物を与えるため必死になるが、栄養失調で節子を失い、清太自身も三宮駅構内で衰弱死した。同時に節子の遺骨が入ったドロップの缶は駅員に放り投げ出されていった。

清太は衰弱する節子に食べ物を与えるため必死になるが、栄養失調で節子を失い、清太自身も三宮駅構内で衰弱死した。

キキ 『魔女の宅急便』(1989年)

『魔女の宅急便』(まじょのたっきゅうびん、英題:Kiki's Delivery Service)は日本で1989年にスタジオジブリで制作された長編アニメーション映画作品である。監督は宮崎駿。宮崎が監督を務めたスタジオジブリの長編映画としては初の、他者の原作による作品であり、宮崎が『ハウルの動く城』の監督に就くまで15年間にわたって唯一の作品であった。主題歌には荒井由実の楽曲が採用された。

アニメ版では、原作に見られた童話ならではのファンタジー性は抑えられ、作中における魔法はあくまで「個人の特技の一種」という位置づけで描かれている。「田舎から都会へ上京してきた少女が特技を活かして独り立ちしていく」という点を強調して前面に押し出しており、その中で思春期を迎えた少女の感情の機微を描写していく現実味漂う作風となっている。

『魔女の宅急便』(1989年)

キキ
13歳になり魔女の掟である独り立ちの日を迎えた活発な女の子。飛ぶことだけが魔女としての唯一の取り柄。

おソノの店で「魔女の宅急便」を開業し、様々な経験を通じて成長していく。原作ではロングヘアーであったが、こちらはショートヘアーで、原作よりも快活さやオテンバな一面が強調されている。

キキのモデルとして宮崎がヒントを得たのは、当時ちょうど13歳だった鈴木の娘とされている。また、キキの髪型については当初原作のイメージを重視しロングヘアーであったが作画が難しいという事で様々な髪型が試され、最終的にはショートヘアーとなった(初期イメージボード等では髪を2つに分けていたり、三つ編み等もあったほか金髪もあった)。

赤い大きなリボンについて、後年に鈴木が製作当時、宮崎と共に「思春期」というイメージに迷っていた最も初期にとある喫茶店で宮崎が手近にあった紙ナプキンに大きなリボンを描き、「これだ!」と形のない思春期を具体化したところからすべてが始まったと語っている。

キキ

キキの相棒の黒猫の「ジジ」
ちょっぴり生意気な性格。喋れる猫というわけではなく、キキが魔法の力でジジと会話をしている。

原作によると、魔女の家に女の子が生まれると同じ月日に生まれた猫を探し、大切なパートナーとして共に育てるという風習がある。

映画版では後半からキキの魔法の力が弱まって会話が不可能になる(原作では最後まで可能)映画版終盤では鳴き声で話すジジにキキが微笑みで返す描写がされているが、明確に会話ができるようになったのかどうかはハッキリしていない。

とあるのどかな田舎町に住むキキは、魔女の血を受け継ぐ13歳の女の子。古くからのしきたりに従って旅立ち、海の向こうの町コリコにたどり着く。

キキは、おソノさんの好意でパン屋の2階に居候し、空飛ぶ魔法を活かして『魔女の宅急便』を開業する。

そんなある日。キキは突如、魔法の力を失い、飼い猫のジジとも会話を交わすことができなくなってしまう。魔女の証である魔法の力、唯一のとりえである空を飛ぶ能力を失い途方に暮れる中、かつて森の中で出会った絵描きの女性ウルスラと再会したキキは、少しずつ元気を取り戻していく。

ある日、キキは突如、魔法の力を失う。

そんな時、飛行船『自由の冒険号』の航海開始の生中継を放映していたテレビで、トンボが暴風に煽られて吹き飛ばされた飛行船のロープにしがみついたまま空中にさらわれてしまったところを目撃したキキは、無我夢中で現場へと急行する。

現場の近くにいた掃除夫のデッキブラシを借り受け、必死の思いで魔法の力を奮い起こし、キキはついに再び大空へと飛び出した。しかし、戻ったばかりの魔法の力と乗りなれないデッキブラシに翻弄されて思うようにトンボに近づくことができず、ついにトンボがロープから手を離してしまう。後を追うようにキキはデッキブラシに乗ったまま急降下し、見事トンボをキャッチして救出することに成功した。

キキは、デッキブラシで飛び、トンボをキャッチして救出する

再び魔法の力を取り戻したキキは街の人たちともすっかり打ち解け、今日も元気にコリコの街を飛び回りながら、宅配業に精を出すのだった。

岡島タエ子  『おもひでぽろぽろ』(1991年)

『おもひでぽろぽろ』(英題: Only Yesterday)は、岡本螢・刀根夕子の漫画および、それを原作としたスタジオジブリ制作の劇場アニメ作品。

1982年の夏。27歳になるOL岡島タエ子は、勤務先で休暇を取得。姉、ナナ子の夫の親類の家に2度目の滞在をさせて貰う事になった。

タエ子は、山形へ向かう寝台特急「あけぼの3号」の車中で、田舎が無いことで寂しい思いをした小学5年生の自分を思い出す。その後、滞在先の家の息子、トシオや農家の人々と交流するうちに次々と幼いころのおもいでがよみがえる。

淡い初恋の記憶、分数の割り算、パイナップルの味、たった一度だけお父さんに殴られたこと、同級生の「あべくん」―――。そんな中でタエ子は農家の人々の暮らしに強い魅力を感じるようになり、少しずつトシオにも惹かれ始めていた。

タエ子の心境を見抜いたトシオの祖母は、トシオとの結婚を思わせる発言をするが、タエ子は自分の本当の気持ちを言うことができない。そのまま東京に帰ってしまおうと列車に乗ったタエ子だったが、車中で今までの人生の記憶があふれる中で、トシオともっと話がしたいと思ったタエ子は、途中で列車を降り、トシオの元へと戻っていく。精神的に自立し始めたタエ子を小学5年生のタエ子とその同級生たちの面影がしずかに見守るのであった。

27歳のタエ子は、山形に行くにあたって、10歳の頃の自分を思い出す・・・

タエ子は、山形へ向かう寝台特急「あけぼの3号」の車中で、田舎が無いことで寂しい思いをした小学5年生の自分を思い出す。

淡い初恋の記憶、分数の割り算、パイナップルの味、たった一度だけお父さんに殴られたこと、同級生の「あべくん」―――。

10歳の頃のタエ子と家族の風景

岡島タエ子(小5時代)
声 - 本名陽子
1966年当時のタエ子。岡島家の三女として育った。作文は上手だが、算数(特に分数の割り算の計算)が苦手。ごく普通の明るい女の子だが、やや意固地で我侭な一面も持っており、次姉のヤエ子とは反発し合うことが多い。

小5時代(10歳頃)の岡島タエ子

よそ行きの服を着て家族とおでかけ・・・楽しいはずの日が・・・

岡島タエ子 (27)
声 - 今井美樹
本作の主人公。東京の会社に勤めるOL。東京で生まれ育った事もあり、田舎に憧れていた。山形にあるナナ子の夫の親戚の家に滞在する。1955年生まれ。映画版では、1956/2/22という設定あり。本作から。

27歳の岡島タエ子

タエ子は農家の人々の暮らしに強い魅力を感じるようになり、少しずつトシオにも惹かれ始めていた。

トシオ (25)
声 - 柳葉敏郎
ミツオとカズオの又従兄弟に当たる。サラリーマンから農業に転身。有機栽培農業を目指している。冬の時期にはスキーのインストラクターを引き受けている。

精神的に自立し始めたタエ子とトシオを小学5年生のタエ子とその同級生たちの面影がしずかに見守るのであった。

フィオ・ピッコロ 『紅の豚』(1992年)

『紅の豚』(くれないのぶた)は、スタジオジブリ制作の日本の長編アニメーション作品。アニメーション映画として1992年7月18日から東宝系で公開された。
監督は宮崎駿。前作の『魔女の宅急便』に続いて劇場用アニメ映画の興行成績日本記録を更新した。

世界大恐慌時のイタリア・アドリア海を舞台に、飛行艇を乗り回す海賊ならぬ空賊(空中海賊)と、それを相手に賞金稼ぎで生きるブタの姿をした退役軍人操縦士の物語。

『紅の豚』(1992年)

フィオ・ピッコロ(Fio Piccolo)
1912年 - 1913年生まれの17歳。“ピッコロのおやじ”の孫娘で飛行機設計技師、アメリカでの修行経験がある。ポルコが高く評価するほどの腕前。

秘密警察に追われ復活したサボイアの飛行テストもままならずにミラノを去ろうとするポルコに「自分の仕事に最後まで責任を持ちたい」という理由で同行し、自身を掛け札にしてカーチスと再戦させる。彼女の父親はポルコと同じ部隊に所属していた。後にジーナと親しくなり、ピッコロ社を継ぐ。

フィオ・ピッコロ

フィオ・ピッコロ「私が女だから不安なの?」

ポルコが大破した愛艇をミラノの工房ピッコロ社に持ち込むと、待っていたのはピッコロの孫で17歳の少女フィオだった。ポルコは驚くがフィオの熱意に絆されて設計を任せる。

マダム・ジーナ(Gina)
ポルコの昔馴染みで、ホテル・アドリアーノを経営する美女。空賊達を含めた飛行艇乗りのマドンナであり、「アドリア海の飛行艇乗りは、みんなジーナに(一度は)恋をする」と言われている。これまでに三度、飛行艇乗りと結婚したものの、全員と死別している。空軍内部をはじめ幅広い情報網を持っているようである。ポルコを本名で呼ぶ数少ない人物であり、密かに彼を愛していた様子。後にフィオと親しくなる。

マダム・ジーナ(Gina)

ホテル・アドリアーノでは一目ぼれしたカーチスがジーナに求婚するが、ジーナはポルコを待ち続けている。

フィオはピッコロ社を継ぎ、ジーナと親交を温める。

フィオの才能と献身によって復活した愛艇を駆り、ファシストの追手も振り切ってポルコがアドリア海に帰還すると、空賊連合が待ち受けている。

ポルコが人間に戻ったのか、ジーナと結ばれたのかは明かされないまま、物語は幕となる。

ポルコとカーチスのドッグファイトは決着がつかず、決闘は殴り合いにもつれ込む。危機を知らせにジーナが駆けつけると、二人ともノックアウトされているが、ポルコが辛うじて立ち上がり勝者となる。

武藤 里伽子(むとう りかこ) スペシャルアニメ作品『海がきこえる』(1993年5月5日にテレビアニメとして日本テレビで放送)

『海がきこえる』(うみがきこえる)は、氷室冴子による小説。また、それを原作として1993年にスタジオジブリが制作したアニメーション作品及び1995年にテレビ朝日系列で放映されたテレビドラマ。地元を出たことの無い高校生・杜崎拓が東京からの転校生・武藤里伽子に恋をする物語で高知市を主な舞台としている。

(原作とは細部の設定が異なる)高知の進学校から東京の大学に入学した杜崎拓は、東京都武蔵野市の吉祥寺駅のホームで武藤里伽子に似た女性を見かける。

その後、はじめての夏休みに同窓会のために故郷・高知へと帰省する道中、拓はその高校時代を思い起こす。季節外れに東京から転校して来た里伽子との出会い、ハワイへの修学旅行、里伽子と2人だけの東京旅行、親友と喧嘩別れした文化祭。ほろ苦い記憶をたどりながら、拓は里伽子の存在を振り返っていく。

『海がきこえる』(1993年5月5日にテレビアニメとして日本テレビで放送)

武藤 里伽子(むとう りかこ)
両親の家庭問題で、5年生(高校2年生)の8月に東京から母親の実家のある高知に引っ越してくる。容姿端麗で学業成績ならびにスポーツも優秀だが、人付き合いは苦手。

転校生でありながら高知弁をあからさまにバカにしたり、クラス活動にも参加しないため、友人は小浜裕実一人のみ。松野が想いを寄せる。高校卒業後、地元の高知大学を受験し合格したが、実は密かに東京の女子大を受験し進学していた。

武藤 里伽子(むとう りかこ)

武藤 里伽子(むとう りかこ)

月島 雫(つきしま しずく) 『耳をすませば』(1995年)

『耳をすませば』(みみをすませば、英題:Whisper of the Heart)は、柊あおいの漫画作品、およびそれを原作とした近藤喜文監督、スタジオジブリ製作の劇場アニメ作品。

原作漫画版とアニメ映画版では設定や展開が異なる。アニメ映画版では、背景美術として東京都多摩市と同武蔵野市を描写した絵柄が多く見られる。

『耳をすませば』(1995年)

月島 雫(つきしま しずく)
声 - 本名陽子
主人公で、向原中学校3年生(漫画版は中学1年生)。14歳。性格は明るく友達も多いものの、家ではおとなしい。面倒くさがりな所がある。

恋愛に鈍い。読書好きで図書館や学校の図書室に頻繁に赴き、夏休みには本を20冊も読んでいる。夏休みに、図書館で読んだ本の図書カードに「天沢聖司」という名を見つける。

その後天沢聖司と出会い、反発しながらも徐々に彼に惹かれていく。聖司と自分の違いから「自分を試す」という決心をし、映画タイトルと同じタイトルの物語を書き始めるが……。受験生として受験勉強をしなければならない時期に物語の執筆に没頭し、授業をろくに聴かない日が続いたため、試験で本来の成績順位から100番も落とすことになり、それが元で姉と大喧嘩を起こす。
『猫の恩返し』は、彼女の書いた物語という設定である。

月島 雫(つきしま しずく)

天沢聖司(あまさわ せいじ)
声 - 高橋一生
向原中学校3年生で、西司郎の孫。15歳。才色兼備な美少年。読書も好きであり、雫のことは以前から図書カードで知っていた。

雫に負けないために、何冊も本を読んでいた。ヴァイオリンを演奏でき、ヴァイオリン職人(原作では画家)になるという夢を抱いている。そのために、中学卒業後は海外修行に出るつもりである。徐々に雫が好きになり、最終的には告白した(映画ではプロポーズしている)。

作中、聖司が読んでいる本に『霧のむこうのふしぎな町』という作品があるが、これは後に宮崎がアニメ化しようとしたが叶わず、『千と千尋の神隠し』という形で作品化した、柏葉幸子著の実在する本である。

月島 雫は、夏休みに、図書館で読んだ本の図書カードに「天沢聖司」という名を見つける。その後天沢聖司と出会い、反発しながらも徐々に彼に惹かれていく。

月島 雫は、電車の中で不思議な太った猫を見つけ、追いかけるうちにロータリーの前にある小さな古道具屋「地球屋」を見つける。

月島 雫(つきしま しずく)

普段の50位くらいの成績から、153位まで落ちた。そのため姉に説教される。

国語は82点なので、悪くない。

月島 雫は、物語の執筆に没頭し、試験で本来の成績順位から100番も落とすことになり、それが元で姉と大喧嘩を起こす。

月島 雫(つきしま しずく)

聖司は自分が一人前のバイオリン職人になったら結婚しようと言い、雫は肯く。

サン 『もののけ姫』(1997年)

『もののけ姫』(もののけひめ)は、宮崎駿によるスタジオジブリの長編アニメーション映画作品。1997年(平成9年)7月12日公開。宮崎が構想16年、制作に3年をかけた大作であり、興行収入193億円を記録し当時の日本映画の興行記録を塗り替えた。

映画のキャッチコピーは「生きろ」。主題歌「もののけ姫」(作詞 - 宮崎駿 / 作曲・編曲 - 久石譲)を歌う米良美一は、女性のような高い声で歌うカウンターテナーが話題になり、この作品によって広く認知されるようになった。

声優は『平成狸合戦ぽんぽこ』のおキヨの石田ゆり子、『紅の豚』のマンマユート・ボスの上條恒彦、『風の谷のナウシカ』のナウシカの島本須美とアスベルの松田洋治といった過去のジブリ作品にも出演した者が起用されている。

『もののけ姫』(1997年)

サン
もののけ姫。犬神(山犬)に育てられた少女。不気味な土面を付け、巨大な山犬に跨り、タタラ場やエボシ御前に何度も襲撃を繰り返す。アシタカに出会い、荒ぶる神々と人の間で心が揺れ動く。アシタカが、シシ神に助けられた際には、彼を手助けした。

名前は、1980年に宮崎駿がアニメ企画案として構想した作品のヒロインが「三の姫」(三番目の姫)だったことに由来する。
映画のラストではアシタカのプロポーズに答えている。また、監督は「(あの後)ふたりはしょっちゅう会っている」と述べている。

サン 『もののけ姫』(1997年)

エボシ御前
深山の麓で、タタラ集団を率いる冷静沈着な女性。山を削り、砂鉄を沸かし、鉄を打ち、石火矢をも造りだす。売られた娘達を買い取り、本来は女人禁制のタタラ場で仕事を与えている。社会からの異分子をも人として扱う徳を持ち、人々に敬われかつ慕われている。

一方で必要とあらば、タタラ場の人間をも見捨てる非情さや、敵対する者への容赦の無さをも併せ持つ。

作中では明かされた無かった裏設定で、過去に人身売買され、倭寇の頭目の妻になり、次第に組織を支配するようになった後、頭目を自らの手で殺害し明の兵器と共に日本へ帰ってきたという隠された出自が明かされた。

終盤でジコ坊と共に部下を引き連れて、シシ神狩りに向かうが、石火矢でシシ神の首を落とした後、モロの君に片腕(右腕)を食い千切られる。シシ神が消えた後は、これまでの自身の所業を反省し、生き残ったタタラ場の者たちと共に新しい村作りを決意した。

エボシの命を、"もののけ姫"が狙いにくる。その正体は山犬に育てられた人間の娘、サンだった。

モロの君
二本の尾を持つ白く大きな三百歳の犬神。人間に捨てられたサンを育て、娘として側に置く。人語を解し、高度な知能と強靭な力を持つ。シシ神の森を侵すエボシ御前を憎み、命を狙っている。

サンと同様に人間を嫌っており、アシタカがサンを人間界に返すように抗議してきた際には一蹴している。最期は、完全にタタリ神になりかけた乙事主との戦いで力尽きるが、死に際、体から分離し首だけになりながらも、執念で、エボシの片腕(右腕)を食い千切り、飛び散ったシシ神の体液に飛び込み自害して果てた。

モロの君

荻野千尋(おぎの ちひろ) / 千(せん) 『千と千尋の神隠し』(2001年)

『千と千尋の神隠し』(せんとちひろのかみかくし、英題:Spirited Away)は、スタジオジブリの長編アニメーション映画。宮崎駿監督作品。

荻野千尋という10歳の少女が、引っ越し先へ向かう途中に立ち入ったトンネルから神々の世界へ迷いこんでしまうというストーリー。千尋の両親は魔女の湯婆婆によって豚に変えられてしまい、千尋は湯婆婆の温泉宿で働きながら、両親を解放し人間の世界に戻る術を探す。そして共に千尋の成長を描く。

2001年7月20日に日本公開。興行収入は300億円を超え、日本歴代興行収入第1位の記録[3]を残した。この記録は2016年現在も塗り替えられていない。

『千と千尋の神隠し』(2001年)

荻野 千尋(おぎの ちひろ) / 千(せん)
声 - 柊瑠美
主人公。荻野家の一人娘。10歳の少女。焦げ茶色のポニーテールヘアがトレードマークで、私服はクリーム色と黄緑色のTシャツに半ズボンを穿いている。

両親と共に異界に迷い込む。豚にされてしまった両親を人間に戻し、元の世界に帰るために湯屋「油屋」の経営者である湯婆婆と契約を交わす。

名前を奪われ「千」となって湯屋で働くことになる。以前は家の手伝いなどしたことも無いため家事の手際は悪く、一人になると不安になって何をしていいかも迷う性格だったが、不思議な町での体験を通して、自分でも気づかなかった適応力や忍耐力を見いだす。

物語の中盤では、『千尋の元気が出るようにまじないをかけて作った』おにぎりを食べた時に大粒の涙が溢れ、声を上げて泣きじゃくる場面もあったほか、オクサレ様との接客で最初は髪を逆立てて嫌がるも、最後はゴミを引っ張り出して救い、最終的には居場所の無かったカオナシを鎮め、坊の独り立ちに一役買い、傷ついたハクを救う等驚くべき行動力を見せる。

また母性の片鱗も見られるようになり、暴れるカオナシを宥め、ハク竜にニガダンゴを食べるように諭す等、慈愛にも似た優しさを見せた。

荻野千尋(おぎの ちひろ) / 千(せん)

ハク
声 - 入野自由
湯屋で働いている謎の少年。外見年齢は12歳[8][9]。湯婆婆の弟子であり、湯屋の帳場を預かっている。作中初めて千尋と会った時から何かと彼女の力になってくれた恩人である。

釜爺によれば、千尋同様忽然と湯屋に現れ、湯婆婆の弟子になることを申し出たという。釜爺は反対していたが止められず、その後は湯婆婆の欲深な野望の手足に利用されるようになり、作中の時点で心身共に限界が近かった。

その正体は白龍で、千尋が以前住んでいた家の近くを流れていた「コハク川」という小さい川を司る神。本名は「ニギハヤミコハクヌシ」(英語版では Kohaku River とされている)。なお、コハク川はマンションの建設によって埋め立てられ、今はない。

最終的に千尋の尽力で湯婆婆の支配と銭婆の強力な呪詛から救われる。千尋が解放された後は湯婆婆の弟子を辞めると語った。

ハク

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吉岡ハル 『猫の恩返し』(2002年)

『猫の恩返し』(ねこのおんがえし)は、森田宏幸監督によるスタジオジブリのアニメーション映画である。2002年に『ギブリーズ episode2』と同時上映で公開。

スタジオジブリの作品『耳をすませば』の主人公である月島雫が書いた物語という位置づけのスピンオフ。猫の男爵バロンが2作に共通して登場する。宮崎駿のリクエストをうけて柊あおいが描き下ろしたコミック『バロン 猫の男爵』を原作とする。

『猫の恩返し』(2002年)

吉岡ハル
本作の主人公。日常を何となく過ごす、ごく普通の女子高生。朝に弱く、寝坊で学校を遅刻してしまうことも。ドジなことも多く、作中では2回ガードにつまづいて転倒している。

母子家庭のため、母が仕事で多忙な時は炊事などを引き受けており家事は得意。既に別の女子生徒と交際しているクラスメイトの町田に片想いをしている。

ある日、「猫の国」の王子ルーンを交通事故の危機から偶然助けたところ、無理やり彼の結婚相手に選ばれ、猫の国へ連れて行かれそうになってしまうことに。困り果てていたところ、不思議な声に導かれ、ムタの案内で「猫の事務所」へ辿り着き、バロンと出会う。

猫の国では、猫王の策略により猫の半獣人にさせられてしまう。
当初は数々のトラブルから「猫なんて助けなければ良かった」と後悔していたが、バロンらとの触れ合い、猫の国での奮闘などから心境の積極的な変化が見られるようになる。終盤には自身を助け導いてくれたバロンを男性として意識する程に。

物語のラストでは劇中での様々な経験からきた気持ちの現れからか、朝寝坊や町田への片想いなどといった態度を改めるようになり、肩まで伸ばしていた髪もさっぱりとショートヘアにカットしている。しかし原作では猫の国のメイドに髪をショートカットに切られてしまう。

吉岡ハル

不思議な声に導かれ、ムタの案内で「猫の事務所」へ辿り着き、バロンと出会う。

ハルとムタは、バロンやトトと離れてしまい猫の国に連れ去られる。そこで、ハルはルーン王子と結婚する事を決められてしまい、猫耳と尻尾が生え、ついには、猫のヒゲが生えて、猫にされてしまう。

遂にハル達はトト率いるカラス達に助けられながら人間界に帰還し、猫の国の猫達も歓喜した。

ソフィー・ハッター 『ハウルの動く城』(2004年)

『ハウルの動く城』(ハウルのうごくしろ)は日本の長編アニメーション映画。 スタジオジブリが製作し、日比谷スカラ座(現:TOHOシネマズスカラ座)を筆頭に東宝系で2004年11月20日に公開された。 監督は宮崎駿。 

イギリスの作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズのファンタジー小説『魔法使いハウルと火の悪魔』(原題:Howl's Moving Castle)を原作とし、呪いで老婆にされた少女ソフィーと魔法使いハウルの奇妙な共同生活が、宮崎監督により「戦火の恋」を柱として脚色され描かれている。

物語前半は比較的原作に準じているが、後半は原作には無かった戦争が付け加えられるなど全く違った展開になっている。

『ハウルの動く城』(2004年)

ソフィー・ハッター (Sophie Hatter)
3姉妹の長女で、18歳の本編の主人公。父親が残したファニーの経営する“ハッター帽子屋”で、お針子として働いている。

ハウルにより関わった荒地の魔女の呪いで90歳の老婆に変えられてしまった事から、呪いを解くヒントを求めて家出し、ハウルの城に掃除婦として居座るようになる。

ハウルの城での暮らしによって、ハウルに対して恋愛感情を抱くようになり、また自分に素直になった事で、後半ではかなり積極的で大胆な性格へと変わっていく。

レティーと違って地味な容姿の自分に劣等感があり、やや卑屈。老婆になってからは手足はしわくちゃ、歩けば足腰が痛むようにはなったが、唯一歯だけは丈夫なままである。

序盤の元の姿や、王宮でサリマンに啖呵を切った一瞬は茶色掛かった黒髪だったが、呪われて以降はエンディングまでハウル曰く「星の光に染まっている」ような銀髪。

就寝時にだけ元に戻ったり、感情の起伏によって体の年齢が変わっているが、本人は気付いていない模様。

後ろで一纏めに三つ編みした髪をリボンで結んでいるが、元の姿時は腰までと長かった髪は、老婆時には大幅に短くなっている。終盤には三つ編みを魔法の対価として、ソフィーが自らカルシファーに与えてしまった事で、エンディングでは元の姿に戻り、老婆になった荒地の魔女からハウルの心臓を託され、彼らと共に暮らす選択をした。髪型もセミロングになっている。

ソフィー・ハッター

荒地の魔女の呪いで90歳の老婆に変えられてしまった事から、呪いを解くヒントを求めて家出し、ハウルの城に掃除婦として居座るようになる。

テルー 『ゲド戦記』(2006年)

『ゲド戦記』(ゲドせんき、英題:Tales from Earthsea)は、アーシュラ・K・ル=グウィンの小説『ゲド戦記』の主に第3巻の「さいはての島へ」を原作とし、宮崎駿の絵物語『シュナの旅』を原案とした長編アニメーション映画。スタジオジブリ制作。東宝配給で2006年7月29日に劇場公開。宮崎吾朗監督・脚本の独自解釈によるストーリーとなっている。

『ゲド戦記』(2006年)

テルー(テハヌー)
ヒロイン。顔に火傷の痕がある少女。テナーと共に作物や羊を育てて暮らしているが、特に自分の命を大切にしない人間には容易に心を開かず、両親に虐待された末に捨てられた辛い過去を持つ。

心に闇を持ち折に触れて自暴自棄になるアレンを嫌っていたが、彼女もまた自分のように心に傷を負っていると知ると段々アレンに歩み寄るようになっていった。清廉な心を持つハイタカには出会ってからすぐに信用し、彼のことをタカと呼ぶ。

テルー 『ゲド戦記』(2006年)

テルー 『ゲド戦記』(2006年)

ポニョ 『崖の上のポニョ』(2008年)

『崖の上のポニョ』(がけのうえのポニョ)は、スタジオジブリ制作、宮崎駿監督の長編アニメーション映画。宮崎の長編監督作品としては2004年の『ハウルの動く城』以来4年ぶり、原作・脚本・監督のすべてを担当するのは2001年公開の『千と千尋の神隠し』以来7年ぶりの作品。

海沿いの街を舞台に、「人間になりたい」と願うさかなの子・ポニョと5歳の少年・宗介の物語。
2008年7月19日に東宝による配給で公開された。

『崖の上のポニョ』(2008年)

ポニョ
声:奈良柚莉愛
本作の主人公。魚の女の子。本名は「ブリュンヒルデ」。フジモトとグランマンマーレの娘。外界への強い興味を持ち、フジモトの目を盗んで家出を試みるが、頭が瓶に嵌って困っていた所を宗介に助けられ、「ポニョ」と名付けられる。宗介に付けられた「ポニョ」の名がいたく気に入り、以後この名で通す。

トキからは「人面魚」と呼ばれる。宗介の血液(傷口)を舐め半魚人になる力を得、一度はフジモトに抑えられるが(グランマーレの血を引いているため魔力は強力で、元に戻すために大きな力を費やした)珊瑚の塔からの脱走の際に、深奥部の井戸の「生命の水」を浴びて、人間への変身が可能となった。魔法を使うと、体力を急激に消耗し眠ってしまう。幼いため言葉がややたどたどしい。

ハムが大好物である。宗介の弁当や差し入れでのサンドイッチでもハムだけを真っ先に食べるほどである。人語を解し、バカにされると相手に水鉄砲を放つ(ただし、宗介に対しては愛情表現である)。

魚の女の子・ポニョ

ある日、家出をして海岸へやってきたポニョは、空き瓶に頭が挟まっていたところを、保育園児の宗介に助けられる。宗介は魚のポニョが好きになり、ポニョも宗介が好きになる。ところが、娘がいなくなったことに気づいた父により、ポニョは海底に連れ戻されてしまう。

魚の女の子ポニョは、海の女神を母(グランマンマーレ)にもち、魔法使いの父(フジモト)に育てられている。

ポニョの父は、海底にある家の井戸に、"命の水"を蓄えていた。その井戸が一杯になると、忌まわしき人間の時代が終わり、再び海の時代が始まるのだという。

ポニョは、宗介に会うために家から逃げ出そうとして、偶然に、その井戸へ海水を注ぎ込んでしまう。すると命の水はポニョの周りに溢れ出し、ポニョは人間の姿へと変わる。

強い魔力を得た彼女は激しい嵐を呼び起こし、津波に乗りながら宗介の前に現れて、宗介に飛びついて抱きしめる。宗介は、女の子の正体が魚のポニョであるとすぐに気づいて、彼女が訪れたことを嬉しがる。

ポニョ 『崖の上のポニョ』(2008年)

ポニョの母は、宗介が心からポニョを好きなことと、ポニョが魔法を捨てても人間になりたいことを確かめて、ポニョを人間にする魔法をかける。ポニョと宗介が陸に戻ると、ポニョの姿は5歳の女の子に変わるのだった。

アリエッティ 『借りぐらしのアリエッティ』(2010年)

『借りぐらしのアリエッティ』(かりぐらしのアリエッティ、英:The Borrower Arrietty、北米:The Secret World of Arrietty)は、2010年の日本のアニメーション映画である。キャッチコピーは『人間に見られてはいけない。』『それが床下の小人たちの掟だった。』。

14歳の小人の少女・アリエッティは両親と3人、人間に見られてはいけないという掟の下、郊外にある古い屋敷の床下で人間の生活品を「借り」ながら密かに慎ましく暮らしていた。

彼女が初めての「借り」を夜に控えたある日、人間の少年・翔が療養のため静かなこの屋敷へやってきた。その夜の借りで翔に見つかり、戦利品の角砂糖も逃げる時にうっかり取り落としてしまう。一度翔の出方をみることにした父と彼女だったが、翔は小人との接触を試みるようになる。

これに対しアリエッティは独断で動き網戸越しに気取られてしまうが、家族の安全のため、自分達小人と関わらないよう頼む。そこへイタズラ者のカラスが乱入して、この騒動で家政婦のハル婆は翔を怪しむようになる。その夜、翔は部屋の寝室にあるドールハウスは翔の曽祖父がこの屋敷に住んでいる小人達への贈り物として造らせた物だと知る。

一方引越し先を探しに行っていた父ポッドはスピラーの助けにより無事帰り、スピラーから引越し先のアテやアリエッティ達以外にも小人達が無事でいるとの報せを得る。父ポッドは、生き延びるために家人に見つかったこの家から去る決意を語る。その時彼女らの家は揺れ、歪み、見慣れたキッチンは剥がれ、換わりにドールハウスのキッチンが降って来た。全て翔の善意によるものだったが結果引越しは確定的となってしまう。

別れを告げるため、庭で休む翔の前に隠れることなく現れたアリエッティ。そんな彼女に憎まれ口を叩いてしまう翔だったが、守りたかったがための自分の行いが結果として彼女の住処を壊してしまったことを詫びる。

さらに自分は心臓の病で手術を受けるのだが、きっと死ぬのだろうと彼女に告げる。その時、翔の動向を窺っていたハル婆はついに小人の住処を発見し、アリエッティの母ホミリーを誘拐してしまう。部屋に戻った翔はハル婆によって知らぬ間に閉じ込められてしまうが、そこにアリエッティが現れる。

『借りぐらしのアリエッティ』(2010年)

アリエッティ
声 - 志田未来(英 - シアーシャ・ローナン / 北米 - ブリジット・メンドラー)
本作の主人公。貞子達が暮らす屋敷の床下で様々な生活品を借りながら、両親と密かに暮らしている小人の少女。14歳。基本的には明朗快活で人間や家猫、虫に対して物怖じしない性格。冒頭、母親の誕生日のためにローリエとシソの葉、花を採りに出たところを翔に目撃されてしまう。

アリエッティ 『借りぐらしのアリエッティ』(2010年)

冒頭、母親の誕生日のためにローリエとシソの葉、花を採りに出たところを翔に目撃されてしまう。

アリエッティは小さいゆえに他の生物の危険にも晒され、掟では人間に見つかったらすぐに引っ越さねばならない。

松崎 海 『コクリコの坂から』(2011年)

『コクリコ坂から』(コクリコざかから、英題:From Up On Poppy Hill)は、佐山哲郎の原作、高橋千鶴の作画による日本の漫画、およびそれを原作としたスタジオジブリ製作のアニメ映画である。
タイトルの「コクリコ」は、フランス語でヒナゲシを意味する。本作の街並みなどの情景は、横浜をイメージして描かれている。

『コクリコの坂から』(2011年)

松崎 海(まつざき うみ)
アニメ版の姓は松崎。港南学園高等部1年(初登場時)。空・陸の姉。母に代わって、松崎家を切り盛りするしっかり者の少女。

真面目な性格で、次々と騒動を起こす風間を当初は嫌っていたが、次第に風間にひかれていく。下宿人の北斗を慕っていたが、次第に彼に対する思いを妹が兄を慕うような気持と自覚するようになる。風間と交際を始めるが、一方的に風間に別れを告げられ、苦悩する。

北斗に「海をフランス語に訳すと、ラ・メール(la merとなる)になる」と教えられ、北斗や友人からはメールがつまってメルと呼ばれている。

松崎 海

女子高生の松崎海は、海の見える丘に建つ"コクリコ荘"を切り盛りしている。

高度成長期の昭和の時代を純粋に生きる「松崎 海」と「風間 俊」

俊は養子に出された海の兄だったのだ。今まで通り、ただの友達でいようと告げられた海は、深く落ち込んでしまう。

海の父は俊の父と同一人物であり、戸籍を調べたところ、自分たちが兄妹であることが分かったのだという。

俊の生い立ちを知っているという人物が近くに来ているという連絡が入ると、海と俊は駆けつける。その人物とは、海の父と俊の父のかつての親友で、写真に写っていた三人目の人物、小野寺善雄だった。その人物から真相を聞かされた二人は笑顔で肩を並べる。

真相は、俊は海の兄ではなく、父が亡き友人から引き取ってきた子だという。

里見 菜穂子(さとみ なおこ) 『風立ちぬ』(2013年)

『風立ちぬ』(かぜたちぬ)は、宮崎駿の漫画『風立ちぬ』を原作とした長編アニメーション映画である。

『風立ちぬ』(2013年)

里見 菜穂子(さとみ なおこ)
本作のヒロイン。性格は明るく純真。その一方で芯の強い女性。東京の代々木上原に住まう資産家の令嬢(関東大震災前は上野広小路)。趣味は画を描くこと。

東京行きの車中で二郎が風で飛ばした帽子をキャッチした。関東大震災発生により乗っていた汽車が脱線した際に骨折した侍女のお絹を助けた二郎に恋心を抱き、二郎が添え木がわりに使った計算尺とお礼の品をお絹に届けさせた。だが、運命の悪戯によりその後しばらくは再会することはかなわなかった。

療養のため滞在していた軽井沢町にて、風で飛ばしたパラソルをたまたま通りかかった二郎が受け止めた際に、その青年が初恋の相手・二郎と気づく。写生の合間に泉で願掛けしていたところに二郎が現れたことでかねてから胸に秘めていた想いを伝える。

二郎との会食の約束は持病が悪化し発熱したことで果たせなかったが、紙飛行機を通じて互いの想いを深めることになる。父の許しを得て交際をはじめ将来を誓い合い、持病の結核を治すと宣言する。

だが、病は悪化して喀血。療養施設に入ることになってしまう。しかし、二郎への想いは抑えがたく、療養所を抜け出して二郎のもとへ。

その決意を知った二郎は黒川に仲人を頼み、二人は夫婦となる。日々深刻になる病に苦しむ姿を見せまいと気丈に振る舞い、連日深夜に及ぶ二郎の仕事を精神的に支える。

だが、二郎が手がけていた飛行機の設計が終わり一段落ついたのを機に、置き手紙を残して療養所に戻った。その後、再び病は悪化し、後に亡くなった。

里見 菜穂子(さとみ なおこ)

菜穂子は自分が結核であることを告白したが、二郎は病気が治るまで待つことを約束して二人は婚約する。

菜穂子は仕事をしている二郎が好きだと彼を励ます。

二人の面倒を見ていた上司の妻は、菜穂子は自分の美しい姿だけを二郎に見てもらいたかったのだろうと察する。

しかし菜穂子は日増しに弱っていき、そして飛行機が完成して試験飛行が行われる日の朝、菜穂子は二郎を見送ると、置き手紙を残して密やかに二郎の元を去る。

かぐや姫 『かぐや姫の物語』(2013年)

『かぐや姫の物語』(かぐやひめのものがたり)は、『竹取物語』を原作とした高畑勲監督・スタジオジブリ制作の日本のアニメーション映画。2013年11月23日に公開された。キャッチコピーは「姫の犯した罪と罰」。
高畑による監督作品は1999年の『ホーホケキョ となりの山田くん』以来、14年ぶりとなる。

『かぐや姫の物語』(2013年)

かぐや姫(かぐやひめ)
声 - 朝倉あき/幼少期・内田未来
本作の主人公。光るタケノコの中から現れたときには、手に乗るほどの大きさの幼い姫の姿であったが、まもなく(その日のうちに)普通の赤子に変じた。翁と媼からは一貫して「姫」と呼ばれる。約半年あまりで少女に成長した。その成長ぶりに木地師の子どもたちからは「タケノコ」と呼ばれるようになり、都に行く前には自らも称する場面がある。

裳着の際には成人貴族の化粧(お歯黒・引眉)を拒んだが、披露目の宴から脱走した事件の後はそれを受け入れた。しかし、公達を退散させたあとにお歯黒をぬぐい去り、眉も元に戻している。

都暮らしには十分馴染まず、慰みとして屋敷の裏庭で草花を育て故郷を模した箱庭を作ったりしたが、石上中納言の訃報を聞いたときに「偽物(の野山)」だと破壊した。御門からの出仕の命には翁に対して、拒否が御門の命に背くなら自分を殺してほしい、(御門が授けるとした)官位が翁の幸せになるなら、御門のところに行って官位が与えられるのを見届けてから自害すると答えている(ほぼ原作通りの内容)。

かぐや姫(かぐやひめ)

5人の公達(車持皇子・石作皇子・阿部右大臣・大伴大納言・石上中納言)が揃って求婚に訪れる。

御門はかぐや姫に「5人の公達を手玉に取る女」と興味を示し、宮中に招こうとする。命に代えても出仕しないという姫に、御門は忍びで屋敷を訪れ、姫を抱きすくめて連れて行こうとする。その瞬間、姫の姿はかき消える。おどろいた御門が叫ぶ呼びかけで、姫は姿を現し、御門は「次は自分の元に来ると信じている」と御所へと引き上げた。

御門は忍びで屋敷を訪れ、姫を抱きすくめて連れて行こうとする。

この出来事以来、姫は月夜には一人で空を見上げるようになった。

翁と媼が理由を問うと、姫は「自分が月から地上におろされた者」だと明かし、御門の訪問の時に無意識に月に「ここにいたくない」と助けを求めたため、「今月の15日には月から迎えが来る」と述べる。

姫の幸せだけを願ってきたのにという翁に、姫は翁の願った「幸せ」が自分(姫)には辛かったと吐露するが、御門の来訪をきっかけとして自らの出自と地上に来た理由、童歌の意味、月に帰ることを思い出し、このまま月には帰りたくないと泣き伏した。

月にかぐや姫が連れて行かれる時の台詞。月の住人には人間界の論理が通じない。

かぐや姫「汚れてなんかいないわ!喜びも悲しみも、この地に生きる物はみんな彩りに満ちて…鳥、虫、草や花、人の情けを…」

佐々木杏奈 『思い出のマーニー』(2014年)

『思い出のマーニー』(おもいでのマーニー、原題:When Marnie Was There)は、イギリスの作家、ジョーン・G・ロビンソンによる児童文学作品。かたくなに心を閉ざした少女アンナが海辺の村に住む少女マーニーとの交流を通じて心を開いていく様子が描かれる。

2014年7月19日公開。米林にとっては2010年公開の『借りぐらしのアリエッティ』以来4年ぶりの監督作品となる。アニメ版では舞台を現代日本に置き換え、主人公のアンナは日本人少女の杏奈(あんな)に改変されたが、マーニーの外見は金髪に青い目の白人少女のままである。

杏奈は内気な少女で友達がおらず、学校では孤立している。唯一の肉親だった祖母を幼少期に失い里親に育てられたが、祖母が自分を残して死んだことを許せないと思っており、最近は里親の愛にも疑問を感じ、感情を表に出さなくなっている。

杏奈は喘息の療養のために海辺の町で過ごすことになるが、そこで「知っている気がする」と直感的に感じる古い屋敷を見つける。湿っ地(しめっち)屋敷と呼ばれるその屋敷は廃屋に見えたが、杏奈はその屋敷に住むという不思議な少女マーニーと出会い親友となる。杏奈は屋敷のパーティーにも参加するが、不思議なことにその後訪れた湿っ地屋敷は、やはり無人の廃屋に見えた。

それ以来マーニーは姿を見せなくなり、湿っ地屋敷には新たな住民が引っ越してくる。杏奈はマーニーのことを自分が想像で作り上げた友達だと思うようになるが、湿っ地屋敷に引っ越してきた少女から、彼女が見つけたというマーニーの日記を見せられる。杏奈はマーニーの正体を疑問に思いながらも、再びマーニーと出会い、互いの悩みを打ち明けあう。

そしてマーニーがサイロを恐れていることを知ると、それを克服するために2人でサイロに行くが、嵐が来るなか杏奈は夜のサイロに置き去りにされてしまう。杏奈は怒り悲しむが、夢の中で再会したマーニーから別れを告げられ許しを求められると、杏奈はマーニーを許す。

杏奈はマーニーの友人だったという老婦人の話から、かつて屋敷に住んでいたというマーニーの生涯を知る。そして里親とのわだかまりを解いたあと、幼いころの自分が持っていたという写真から、マーニーと湿っ地屋敷の秘密に気づく。

『思い出のマーニー』(2014年)

佐々木 杏奈(ささき あんな)
声 - 高月彩良
本作の主人公。北海道札幌市青葉区在住。在住。12歳の中学1年生。喘息を患っており、療養のため夏休みの間だけ親戚である大岩清正・セツ夫妻の自宅が在る道内の田舎町に赴く。

黒目はやや青色をしている。暗褐色のショートヘアが特徴。頼子は育ての母親であるが、血の繋がりは無く、そのことで頼子との間に壁が出来ている。

佐々木杏奈 『思い出のマーニー』(2014年)

佐々木杏奈は心を閉ざした孤独感いっぱいの少女。

マーニー
声 - 有村架純
本作のもう一人の主人公。杏奈の祖母。大岩夫妻の近くに建つ湿っ地(しめっち)屋敷に住んでいる。しかし、どうみてもここ何年間は誰も住んでいない屋敷であるため、周囲の人間は誰も彼女のことを知らない不思議な少女。金髪で青い目をした外国人だが、日本に住んでいるためか日本語が堪能で漢字を遣った日本語の文章も書きこなせる。

謎の少女「マーニー」はいったい何者なのか? 「私たちのことは秘密よ、永久に」

杏奈の実の母「絵美里」(事故で亡くなる)の母が「マーニー」(病気で亡くなる)。

マーニーは杏奈の実の祖父である・・・

これはマーニーが自縛霊なのではと思わせるところですが、マーニーとのつながりに関する杏奈の記憶が屋敷の周辺程度しかないために、マーニーを妄想できる範囲が屋敷のそばに限定されるということではないでしょうか。

マーニー「私は、屋敷のそばから離れられないの…」

アンナは祖母マーニーから聞かされていた話・記憶に沿って妄想世界を作り上げ、少女姿のマーニーを妄想したのかもしれない。

祖父に愛されていたという事実を思い出すことができた杏奈はこころを取り戻した。

マーニーは、杏奈の記憶が呼び起こした妄想・幻もしくは幽霊のいずれかです。

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高校時代からモデル活動を始め1986年に「カネボウ・スイムウエアイメージモデル」として脚光を浴びた広田恵子さん。現在は家族で〇〇を組んで活動している・・・。


完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

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ハイクオリティフィギュアの製造・販売で好評を博している株式会社SpiceSeed フィギュア事業部より、キン肉マンシリーズのフィギュア『ネメシス』が発売されます。


懐かしの名作が勢揃い!特製クリアしおりが貰える書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が開催!!

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藤子・F・不二雄による名作の数々を紹介する書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が、8月7日(木)より全国のフェア参加書店にて順次開催されます。


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ギタリスト 鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブを東阪ビルボードで開催!

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ギタリスト 鈴木茂が、『鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブ~Autumn Season~』を11月13日にビルボードライブ大阪、16日にビルボードライブ東京にて開催する。今回は、1975年にリリースされた1stソロアルバム「BAND WAGON」の発売50周年を記念したプレミアム公演となる。


【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

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2025年(令和7年)は、1965年(昭和40年)生まれの人が還暦を迎える年です。ついに、昭和40年代生まれが還暦を迎える時代になりました。今の60歳は若いとはと言っても、数字だけ見るともうすぐ高齢者。今回は、2025年に還暦を迎える7名の人気海外アーティストをご紹介します。


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公式戦333勝15敗。その中には206連勝を含み、勝率95%。 世界選手権13回優勝、オリンピック金メダル3コ(3連覇)+銀メダル1コ、ギネス世界記録認定、国民栄誉賞、強すぎてモテない霊長類最強の肉食系女子。


消えた回転寿司チェーンの記憶──昭和・平成を彩ったあの店はいまどこに?

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昭和から平成にかけて、全国各地で親しまれていた回転寿司チェーンの数々。家族の外食、旅先の楽しみ、地元の定番──いつしか姿を消したあの寿司屋は、なぜ消え、どこへ行ったのか。本記事では、現在は閉店・消滅した地域密着型の回転寿司チェーンを、当時の特徴やSNSの証言とともに記録として振り返る。


【歌謡曲】ありえないシチュエーション!歌詞がおもしろくて笑ってしまう歌謡曲5選!

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昭和の歌謡曲には、現代ではお蔵入りしてもおかしくないほど、ありえないシチュエーションを描いた詞が数多くあります。その中には、残酷な人物像や露骨な情景描写もあり、思わず笑ってしまうような歌詞もありました。今回は、筆者の独断と偏見で、歌詞がおもしろくて笑ってしまう歌謡曲を5曲ご紹介します。