≪売野雅勇氏インタビュー・前編≫1980~90年代の音楽を彩った作詞家に聞く!ガンダムはじめアニソンの世界観、アイドルブームとバンドブーム!!

≪売野雅勇氏インタビュー・前編≫1980~90年代の音楽を彩った作詞家に聞く!ガンダムはじめアニソンの世界観、アイドルブームとバンドブーム!!

中森明菜やチェッカーズ、矢沢永吉、中谷美紀with坂本龍一など、80~90年代ヒット曲の作詞を数多く手掛けられた売野雅勇氏。そんな無数のヒット曲を生み出した売野氏にミド編が突撃インタビュー!前編では、アニソンの世界観構築の手法やアイドルブームとバンドブームなどについてお話を伺った。


作詞家・売野雅勇氏とミドルエッジ世代

1980~90年代は、ミドルエッジ世代がそれぞれの少年期、青年期を過ごしてきた時期。
多感な時期に出会った様々な音楽は、いまも私たちの「思い出の曲」となって色濃く心に刻まれていることだろう。

売野雅勇氏は、我々の「思い出の曲」に大きく関係する80~90年代を代表する作詞家。
テレビやラジオ、街中で出会ったヒットソングの印象的な「歌詞」を書かれていたのは売野氏である。

80年代は中森明菜や河合奈保子らアイドル、チェッカーズ、ラッツ&スター、矢沢永吉など錚々たる歌手の楽曲の歌詞を担当。また、森口博子の歌うガンダム主題歌も売野氏の作詞によるものだ。

90年代、多くのバンドが台頭したバンドブームにあっては、あのGEISHA GIRLS(ダウンタウン)や中谷美紀with坂本龍一など、詞と曲と歌い手が一体となってはじめて成立する世界観を見事に演出した。

ミドルエッジ世代が「あの日あの時」感動した名曲たち。
そのいくつもの名曲に詞を提供した売野氏に、当時のお話を伺うことが出来た。

売野雅勇氏の代表的な作品はコチラからご確認ください

1980年代のアイドルブームから90年代、綺羅星のごとく登場した名曲たちを「作詞」で表現し続けた売野雅勇の代表曲を振り返る。 - Middle Edge(ミドルエッジ)

中谷美紀に詞を提供した楽曲「砂の果実」をタイトルに、売野氏が作詞家人生を綴った一冊

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同著にあるように、中森明菜のセカンドシングル「少女A」を手掛けたことで、80年代の代表的な楽曲に詞を提供することとなった売野氏。
また、初期チェッカーズのヒット曲のほとんどは彼の作詞によるものである。

そんな錚々たる楽曲のなかから、ミドルエッジ編集部(以下、ミド編)はなぜかガンダムに関する質問を始めるのだった。

売野氏、森口博子のデビュー曲「水の星へ愛をこめて(アニメ「機動戦士Ζガンダム」後期OP)を通してアニメ音楽の鉄則を語る!

<ミド編>

私たちの運営するウェブサイト「ミドルエッジ」。
その読者にとって、売野さんが作詞された楽曲は非常に思い出深いものです。
幼いころ無意識に、そして鼻歌交じりに歌ったいくつもの楽曲は売野さんが生み出された言葉です。

本日はそんな私たち世代の切り口から、売野さんの音楽に触れさせていただけたらと思います。

今回の本には登場しないのですが、私たち世代でいまも多くのファンに愛されている森口博子さんのデビュー曲「水の星へ愛をこめて(アニメ「機動戦士Ζガンダム」後期OP)」について、お伺いします。

<売野雅勇氏(以下、売野氏)>

ガンダムシリーズの主題歌ですので、ミドルエッジ世代には思い出深い一曲かもしれないですね。

1951年2月22日生、1981年に作詞家としてデビュー。

数多くのヒット曲に詞を提供してきた売野雅勇(うりの まさお)氏

<ミド編>

売野さんは森口博子さんのデビュー曲で「機動戦士Ζガンダム」の後期オープニングテーマ曲「水の星へ愛をこめて」の作詞をご担当されています。

私たちはこの曲を幼い頃に聴き、壮大な歌詞の世界に圧倒されつつ、自分が理解するにはちょっとハードルの高い詞を分かろうとしていることが、少し大人になった気がしてカッコ良かったような気がするんです。

アニメソングを書かれる時と言うのはアニメの世界観を一回、取り込んでから作詞の作業に入られるのでしょうか?


<売野氏>

まずシナリオをじっくり読んで、それから何を伝えればいいかなと考えます。

その時、物語の世界観に寄り過ぎてもいけない、かといって離れすぎても良くない。
つまり物語をただなぞるようなものは、あまりかっこよくない。媚を売っているような感じになってしまうから。

例えば同じ80年代、劇場版アニメ「タッチ 背番号のないエース」の主題歌も手掛けています。
直接的な表現ではないものの、「タッチ」を知る人なら「背番号のないエース」が意味するものは伝わる。

宇宙の中の地球を舞台とした「機動戦士Ζガンダム」でも、「水の星へ愛をこめて」はそんなことを考えながら作詞をしたんだと思います。

森口博子のデビュー曲 「水の星へ愛をこめて」

<ミド編>

ファーストガンダムに比べて世界観がより複雑化する「機動戦士Zガンダム」。
この世界を表現するうえでは、どのようなことを意識されたのでしょうか?

<売野氏>

そうですね。
まずアニメ音楽の特徴は「プログレッシブなロック」「一部のへヴィメタル」の流れを汲んでいるものと考えていました。

詩だけを捉えると基本的にプログレッシブ・ロック。
「YES」(1969年デビュー、イギリス出身のロックバンド)のような。

彼らが表現する詩の世界。

それは宇宙的であったり、哲学的であったり、命とは何か、意識とは何かといった世界。
それはもう、宗教、存在、自我、超自我とかとスレスレになっています。

極端に言えば神様と向き合って話しているような、それが基本形となっている。
そういうことを頭に入れながら詞を考えていきましたね。

Yesの代表曲の一つ「Roundabout」

<売野氏>

アニメ「エヴァンゲリオン」でもそうした抽象的なことを歌っていますね。
その当時ではもうアニメソングの基本となっていましたけど「水の星へ愛をこめて」が、その始まりだったかもしれません。

なぜアニメ音楽の特徴を「プログレッシブなロック」においたのかというと、それはもう(物語を読んでいて)カンが働いた。
プログレっぽい詞が相応しいんじゃないかと思いついたんですね。

ですから「水の星へ愛をこめて」は神様のことを書いています。
天地創造や地球が生まれたり、それから命が生まれたりと、画として美しく描きました。

ですから当時まだ17歳くらいだった森口さんには、ちょっと難しい詞だったかもしれません(笑)

アイドルブームからバンドブームへ、売野氏がみた90年代の音楽

Mr.Childrenやスピッツについて

<ミド編>

90年になるとアイドルブームからバンドブームへ。
詞でみると、わりと等身大の日常を歌うような詞が増えていったように思います。

時代の変遷とともにヒットする音楽ジャンルが変わるように、作詞の世界観やジャンルが90年代に変わっていった側面はありますか。

<売野氏>

音楽の世界はアイドルブームとバンドブームを繰り返しているようなところがあって、我々作詞家はどちらかといえばアイドルブームの時代が忙しいですね。詞と曲と歌い手が一緒に作品を創り上げる時代。

そんななかでも90年代は「ミスチル(Mr.Children)」の登場が大きかったと思います。
ミスチルがあの曲に、あの声で、ああいった詞を乗せて表現したというのは、最初からもう最高峰に到達してしまったように感じていましたよ。極めてしまった。

あれはお手本に出来るけれども真似しようがない。再生産が出来ないものです。それくらい桜井君は天才的だった。

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