Aretha Franklin

Aretha Franklin
クイーン・オブ・ソウルともレディ・ソウルとも言われているアレサ・フランクリン。
半世紀以上に渡り活躍を続けている偉大なソウル・シンガーであるアレサ・フランクリンの60年代後半の全盛期をご紹介します。
アレサ・フランクリンは、1942年3月25日米国メンフィスに生まれました。
特徴的なゴスペル・フィーリングの強いアレサ・フランクリンの歌い方は、父親が牧師、母親がゴスペル歌手という環境によるところが大きいと言えるでしょう。
アレサ・フランクリンは1961年にポピュラー・シンガーとしてコロムビア・レコードからデビューしましたが、残念ながら成功には至りませんでした。
1967年からアトランティック・レコードに移籍したのを期にゴスペル・フィーリングを前面に打ち出すようになります。
その方針のもと制作されたアトランティックからの第1弾シングル「I Never Loved A Man (The Way I Love You)」とアルバム「I Never Loved A Man The Way I Love You」は移籍草々にヒットし、ここから伝説が始まります。
I Never Loved a Man the Way I Love You
通算11枚目にしてアトランティック・レコード移籍後初のアルバム「貴方だけを愛して」は、1967年3月に発売されました。
アレサ・フランクリンいきなりの本領発揮。このアルバムは、彼女自身の代表作であり、歴史的名盤となりました。
アルバムに先駆けてタイトル・ナンバーである「貴方だけを愛して」がシングル発売されています。
魂が震えるとはこのことでしょうか!素晴らしすぎて言葉を失ってしまいますね。
「貴方だけを愛して」は、ソングライターのロニー・シャノンの書き下ろしによる曲で、当時アレサ・フランクリンの夫だったテッド・ホワイトが依頼したそうです。全米9位と大ヒットしています。
そして翌月にアルバム「貴方だけを愛して」が発売されます。

貴方だけを愛して
歴史に残る曲と言って間違いはないでしょう。「リスペクト」は、オーティス・レディングのオリジナル曲で1965年に発売し全米35位になっています。
アレサ・フランクリンによるカヴァーは、オリジナルを上回り全米1位という大ヒットとなりました。
この年のグラミー賞では最優秀R&Bレコーディング賞と最優秀女性R&Bボーカル・パフォーマンス賞の2部門を受賞しています。
Aretha Arrives
全米2位となる大ヒットの前作「貴方だけを愛して」から半年後に早くも移籍2枚目のアルバム「アレサ・アライヴス」は発売されます。
このあたりにアメリカのショービジネスの厳しさが垣間見えますね。
そのレコード会社の思惑は当たりアルバム「アレサ・アライヴス」は、全米5位とこれまた大ヒットを記録します。

アレサ・アライヴス
シングル・カットされた「ベイビー・アイ・ラヴ・ユー」は、「貴方だけを愛して」の成功を受けてまたしてもロニー・シャノンに書き下ろしを依頼。その期待に応えて全米4位となっています。
Lady Soul
アレサ・フランクリンの代名詞となっているレディ・ソウルをタイトルにした1968年発売のアルバム「レディ・ソウル」。これもまた歴史的名盤と言わないわけにはいきません。
全米2位と大ヒットし、代表曲「ナチュラル・ウーマン」と「チェイン・オブ・フールズ」を収録していることからも重要作といえます。
もちろん他の曲もオリジナル、カバー共に非常によくまとまっています。
ところで、「グッド・トゥ・ミー」でのギター・ソロは、ロック・ファンには嬉しいエリック・クラプトンが弾いています。

レディ・ソウル
本作は大ヒット曲を2曲収録していますが、そのうちのひとつが全米8位となった「ナチュラル・ウーマン」で、この曲は、ジェリー・ゴフィンとキャロル・キングの夫婦と本作のプロデューサーのジェリー・ウェクスラーで共作しています。
キャロル・キングの曲をこんな風に歌えるんですね。上手い下手の問題ではない、歌に対する根本的なものが常人とはかけ離れているのでしょう。
さてもう一曲は、「チェイン・オブ・フールズ」です。グラミー賞では、最優秀女性R&Bボーカル・パフォーマンス賞を受賞しています。作者はドン・コヴェイで、全米2位となっています。
Aretha Now
どことなく編集盤を感じさせるジャケット・デザインにタイトルですが、歴とした1968年発売のオリジナル・アルバム「アレサ・ナウ」です。
全米3位、全英6位とこれもまたヒットしています。まさに破竹の勢いですね。
アレサ・フランクリンのオリジナル曲「シンク」も先行シングルとして全米7位となっています。

アレサ・ナウ
Soul '69
「アレサ・イン・パリス」というキャリア初のライブ・アルバムから半年後に発売となった「ソウル’69」。
アルバム・ジャケットを見ると、これもまたライブ・アルバムかと見紛うデザインですが、違います。アレサ・フランクリン60年代最後を飾るオリジナルのスタジオアルバムです。
ニューヨークの腕利きジャズミュージシャン達をバックに迎え、「ソウル’69」と言いつつもジャズボーカルアルバムといえそうなアルバムで、ニューヨークの夜を感じさせる都会的なサウンドになっています。

ソウル'69
アレサ・フランクリンのアルバムはいつの時代のどのアルバムを聴いても素晴らしいものばかりではありますが、アトランティック・レコード時代、しかも60年代後半、これはもう最高も最高、全人類の宝と言ってもよいでしょう。