「つま恋」が12月25日で営業終了
音楽イベントを開いてきた静岡県掛川市にあるリゾート施設「つま恋」が12月25日で営業が終了する。
施設の老朽化で宿泊料金などが低下、赤字経営が続いていた事が理由となっている。
同施設を運営するヤマハの山畑聡取締役は「数億円規模の赤字が続き、施設維持も難しい。将来展望が現状の延長線上では描けなかった」と説明した。

リゾート施設「つま恋」、12月25日で営業終了。
同施設は、1974年に開設し、232室の宿泊施設、音楽ホール、スポーツ施設などが140万平方メートルの敷地内に設置されている。今回、42年の幕が閉じようとしている。
ヤマハは今後、他社への売却交渉を進める方針。施設の減損損失などを2016年7~9月期に特別損失として計上する見込みだが、金額は精査中という。

ヤマハリゾートつま恋からの営業終了のお知らせ。
「ヤマハリゾートつま恋」
音楽と深い繋がりがある「つま恋」
つま恋が開業したタイミングは、まだ野外コンサートが珍しかった時代で、営業を開始した翌年の1975年、フォークソング全盛期を築いた吉田拓郎とかぐや姫が夜を徹して、大規模な野外コンサートを開催。
さらに1970~1980年代、井上陽水、中島みゆき、世良公則らを送り出した歌手デビューの登竜門とされたコンテスト「ポピュラーソングコンテスト(ポプコン)」の会場として使われ、「フォークソングの聖地」として有名な場所になっている。
また近年でも、ポルノグラフィティやBEGIN、Perfumeなど、芸能プロダクションのアミューズに所属するアーティストによる音楽イベントが開催されるなど、その地で音楽の喜びを与えてきた。

国内の"大規模野外音楽コンサート"発祥の地「つま恋」

自然の中の野外コンサート会場として人気が高い「つま恋」

「つま恋」で開催された「ポピュラーソングコンテスト(ポプコン)」

1985年、ポピュラー・ソング・コンテスト「ポプコン」の本選の様子。