Jガイルズ・バンド誕生
The J. Geils Band
J.ガイルズ・バンドといえは、一般的にはやはりこの曲「堕ちた天使」でしょう。
当時はイントロを聞くと題名は知らなくとも誰もが聞き覚えがあるというほど、世界的に大ヒットしました。
因みに、原題の「Centerfold(センターフォールド)」とは「中央見開き、又は折り込みページの(ヌード)写真」の意味で、歌詞は憧れの女性が男性誌の見開きページに載っていることにショックを受けた少年の物語となっています。
J.ガイルズ・バンドの歴史は長く、ボストンで1968年に結成されました。母体となったのは、1965年頃から活動していたジェローム・ガイルズ(ギター)とマジック・ディック(ブルース・ハープ)、ダニー・クライン(ベース)からなるJ.ガイルズ・ブルース・バンドです。
そこにDJとしても活動していたピーター・ウルフ(ヴォーカル)が参加。さらにスティーブン・ジョー・ブラッド(ドラムス)とセス・ジャストマン(キーボード)が加わって、J.ガイルズ・バンドとして活動を開始します。
デビュー当時の音楽性は先の「堕ちた天使」とは全く違い、簡単に言うとR&B色の濃いロックンロールといったところです。
そのためアメリカのローリング・ストーンズと評されていました。
デビュー! - The J. Geils Band
記念すべきデビュー・アルバムは全米195位とセールス的には惨敗でしたが、内容は、これはもう最高のロックンロール、R&B・アルバムに仕上がっています。
アルバムの半分はオーティス・ラッシュ、ジョン・リー・フッカー、アルバート・コリンズ、スモーキー・ロビンソンらのR&B、ブルースのカバー・ソングとなっています。
デビューのきっかけは、60年代ロックの登竜門であり、いくつもの名演奏が繰り広げられたライブ・ハウス「フィルモア・イースト」での活動です。
フィルモアのオーナー、ビル・グレアムはフィルモアのハウス・バンドとして大事に育て、Jガイルズ・バンド最初のライブの際に以下のようなコメントをしています。
バンドの顔
Jガイルズ・バンドにはバンドの顔が2人います。
1人は、曲と曲の合間にもマシンガン・トークで盛り上げることの出来る、歌って踊れるエンターティナー、ボーカルのピーター・ウルフです。
そしてもう1人は、ブルース・ハープのマジック・ディックです。
もともとピーター・ウルフがいない状態で活動していたわけですから、演奏力は確かでした。中でもマジック・ディックのブルース・ハープは印象的です。
モーニング・アフター - The Morning After
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1972年には、3枚目のアルバムにして初のライブ・アルバムを発表します。
やはり、これですね。Jガイルズ・バンドはライブで聞くべきとの思いを強くする1枚です。
フル・ハウス - "Live" Full House
アルバム・ジャケットのセンスもいいですね。
ジャケットに描かれているカードをよく見ると「フル・ハウス」というタイトルながら役が出来ておらずクイーンがウインクしているところが、なんともシャレています。
上手く相手を騙せたということなのでしょうね。
そして、ライブバンドの本領発揮となる2枚目のライブ・アルバムは、1976年に発売されます。
ライブの魅力がたっぷり入った「狼から一撃 - Blow Your Face Out 」がそれです。
狼から一撃 - Blow Your Face Out
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