イエスには6人目のメンバーがいる
Yes
イエスの活動期間は長い。「イエス・ファースト・アルバム - Yes」を1969年に発売以来、現時点での最新アルバムとなる「 “危機”&“こわれもの”完全再現ライヴ〜ライヴ・イン・アリゾナ 2014 」を2015年に発売しています。
その間、メンバーの入れ替えは頻繁に行われてはいますが、これほど長い期間活動できるバントは、音楽界の宝です。
そのイエスが独自のサウンドを確立するのは、1971年に発売された4枚目のアルバム「こわれもの - Fragile」でしょう。
当時のメンバーは、
クリス・スクワイア(ベース)
ジョン・アンダーソン(ボーカル)
ビル・ブルーフォード(ドラムス)
スティーヴ・ハウ(ギター)
リック・ウェイクマン (キーボード) の5人です。
リック・ウェイクマンはこのアルバムから解雇されたトニー・ケイに代わり参加しています。
イエスの長い歴史の中でも最強のラインナップですね。
こわれもの
リック・ウェイクマンと同じくこのアルバムからイエスに参加することになったのが、ロジャー・ディーンです。
ロジャー・ディーンは、イエスのアート・ワークを担当しており、そのあまりにも個性的なイラストやデザインはイエスのイメージを決定してしまうほどで、6人目のメンバーとも言われています。
しかし、このアルバムで使用されているイラストは、クリス・スクワイアのコメントによれば、「こわれもの」用に作成されたのではなく、既に出来ていたイラストを使用したとのことです。
なるほど、よく見るとあの印象的なイエスのロゴマークもまだ出来ていないですね。
なので、厳密な意味でイエスとロジャー・ディーンの共同作業は次作「危機」からということになります。
危機
イエスの代表作とも最高傑作ともいわれている「危機」は、全3曲収録のトータル・コンセプト・アルバムです。
内容は確かに素晴らしいのですが、このアルバムデザインがまた何ともスゴイ!惚れ惚れしてしまう完成度です。ここでイエスのロゴも完成しています。
アルバム「危機」の完了直後にビル・ブルーフォードが脱退し、アラン・ホワイトが参加します。
1972年7月からアメリカ・ツアーが行なわれ、翌1973年に3枚組のライヴ盤「イエスソングス - Yessongs」が発売されますが、アラン・ホワイトがドラムスを担当しているものの、曲によってはビル・ブルーフォード参加の曲も収録されています。
イエスソングス
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イエスの演奏能力をライブで改めて示してみせたといってよいアルバムです。一方、6人目のメンバー、ロジャー・ディーンもこのアルバムでスタイルを確立しています。
ここからのアート・ワークは目も眩むほどに、どんどん完成度が上がっていくことになります。
同じ年にはスタジオ・アルバム「海洋地形学の物語 - Tales from Topographic Oceans」も発売されました。
これはなんとも大作で、LPレコードで2枚組ですが各面に1曲、合計全4曲というしろものです。
この量はプログレッシブ・ファンには嬉しいものとはいえ、通常のロック・ファンには聞くのに忍耐を要すると思われますが、それにも関わらず、全英1位、全米6位を記録する大ヒットとなったのですからいかに素晴らしいかがわかります。
海洋地形学の物語
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「海洋地形学の物語」を聞きにくいと感じたのは一般のロック・ファンだけではなかったようで、リック・ウェイクマンもその一人でした。
アルバムに不満を感じ、ライブでそれらの曲を演奏することに飽き飽きしてしまったリック・ウェイクマンは、1974年5月にイエスを脱退しています。
新たなキーボード奏者にはパトリック・モラーツが参加することになり、新メンバーによる「リレイヤー」を1975年に発表します。
リレイヤー