ザ・ブラックハーツ結成前

Joan Jett
ジョーン・ジェットは、1958年9月22日 アメリカ ペンシルベニア州フィラデルフィアに生まれました。
17歳の時にザ・ランナウェイズ(The Runaways)のサイド・ギターとしてプロ・デビューしています。
ザ・ランナウェイズは1975年から 1979年まで活動し、アメリがでは成功を収めることは出来ませんでしたが、日本では大きな話題となり、シングル「チェリー・ボム(Cherry Bomb)」は大ヒットしました。
因みに、この曲の作者はジョーン・ジェットです。
ランナウェイズは、1977年にボーカルとベーシストが脱退したため、ボーカルをジョーン・ジェットが担当することになります。
その後はラモーンズとワールドツアーを行うなど精力的に活動していましたが、1979年にはパンク・ロックの方向に進みたいジョーン・ジェットと、ハードロックを追求したい他のメンバーとで意見が分かれてしまい同年グループは解散します。
ランナウェイズ解散後、ジョーン・ジェットはイングランドで活動を行っていた1979年に、後にジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ名義で世界的に大ヒットするジ・アロウズ (The Arrows) のカバー「アイ・ラブ・ロックンロール (I Love Rock 'n' Roll)」を元セックス・ピストルズのポール・クック、スティーヴ・ジョーンズと共にレコーディングしています。
同年後半、プロデューサーのケニー・ラグナと知り合います。
ケニー・ラグナの提唱によりザ・フーのランポートスタジオを使い1980年5月17日にソロデビューアルバム「ジョーン・ジェット」をヨーロッパで発売。
アメリカでは主要レーベルから契約拒否されたため、自主レーベル「ブラックハート・レコーズ」を立ち上げリリースしています。
結果としてジョーン・ジェットは、自身のレーベルを始めた初の女性ミュージシャンになりました。

バッド・レピュテーション
ザ・ブラックハーツ結成後

ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ
ジョーン・ジェットは、LAウィークリーに「3人のイカした男を探している」という広告を出しザ・ブラックハーツを結成することになります。
集まってきたのは、ベースのゲイリー・ライアン。そのゲイリーの紹介で、ギタリストのエリック・アンベル。そしてドラマーのダニー・"フューリアス"・オブライエンです。
しかし、早々にドラマーが脱退し、リー・クリスタルが新しいドラマーとして参加することになります。
アメリカ、ヨーロッパを精力的にツアーしたことでジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツの人気は高まり、現行のシステムではアルバムの需要に追い付かなくなったため、新しいレーベル「ボードウォーク・レコーズ (Boardwalk Records) 」と契約を結び、ファーストアルバム「ジョーン・ジェット(Joan Jett) 」は「バッド・レピュテーション(Bad Reputation) 」として再発売されることになりました。
そして、レコーディング中に、ギタリストがリッキー・バードに交代するというアクシデントはありましたが、いよいよアルバム「アイ・ラヴ・ロックン・ロール(I Love Rock 'n' Roll) 」が制作されます。

アイ・ラヴ・ロックン・ロール
このアルバムからは、「I Love Rock 'n Roll(1位)」、「Crimson and Clover(7位)」、「Do You Wanna Touch Me(20位)」、「Nag」、「Victim of Circumstances」と5曲シングルになっています。
どれもいい曲ですが、何よりも勢いを感じる曲ばかりです。
前作があまりにもヒットしたことで、新作のプレッシャーは相当なものだったと想像されます。
しかし本作、タイトルもそのまま「アルバム」は、大きなプレッシャーを跳ね除け、逞しく、生きのよさを感じる好アルバムとなりました。

アルバム
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続いて発売された1984年のアルバム「誘惑のブラックハート」、更にその次のアルバム「グッド・ミュージック」は、残念ながら大きなヒットとはなりませんでした。

誘惑のブラックハート
「誘惑のブラックハート」からシングル・カットされた「I Need Someone」です。残念ながらチャート・インしませんでした。PVのジョーン・ジェットはカワイイし、良い曲ですけどね。

グッド・ミュージック
セールスが低迷する中、ジョーン・ジェットは女優という新たな可能性を見つけます。
1987年のジーナ・ローランズやマイケル・J・フォックスと共演した、ポール・シュレイダー監督の「愛と栄光への日々」がそれです。
この映画では、ジョーン・ジェットのためにブルース・スプリングスティーンが主題歌を書いています。
女優としての評価が高まる中、本領発揮のアルバム「アップ・ユア・アレイ」をリリースします。
これはかなりの力作ですね。
シングル・カットされた「I Hate Myself for Loving You」も全米チャートの8位となるヒットを記録しました。

アップ・ユア・アレイ
Amazon.co.jp: ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ : アップ・ユア・アレイ(1988年作品) - ミュージック
80年代最後となるアルバムをヒットさせたジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツですが、これ以降も充実した音楽活動を続けています。
いつまでも変わらない、ロックンロール・クィーンは今も健在です。