改めて都市伝説とは?
「友達の友達の話なんだけど…」と始まる怪談話。人から人へ口述伝承するうちにプロットが洗練され、優れたプロットのものが爆発的に広まります。そして有名になったものには後日談が作られたり、形を変えたりして広がります。それが都市伝説です。こちらではたくさんある都市伝説の中から、夏にふさわしいちょっと不気味なものをいくつかご紹介します。どれかは聞いたことがあるのではないでしょうか?
ピアスの白い糸

ピアスの白い糸
もちろん耳たぶに視神経は通っていません。この話は80年代初頭からじわじわ広がった都市伝説です。その頃日本でファッションとしてピアスをつける人が増えたため流行した噂です。このように新しいものが流行ると噂がついてまわるのは世の鉄則で、口裂け女も整形手術が流行りはじめたため生まれた都市伝説だという説もあります。
カオルさん

画像は「THE都市伝説」より
naruseriri
「カオルさん」は「ピアスの白い糸」の後日談として、90年代半ば頃から登場しました。人気の都市伝説はこのようにして進化するんですね…
死のカーナビ

死のカーナビ
この都市伝説は、カーナビが普及し始めた2000年頃に囁かれたそうです。しかし、このお話はもっと前からありました。

お地蔵さんのお告げ
カーナビが普及していなかった子供時代、上記のようなお話を聞いたことありませんか?お地蔵さんは出てこないバージョンもあります。昔から語り継がれていた怪談にカーナビがぴったりだったので、生まれた都市伝説が「死のカーナビ」だと思われます。
メリーさん

メリーさん

なんとメリーさんが映画に!
もともとこのお話には「メリーさん」という名前はありませんでした。近づいてくるのは幽霊やストーカーなど、話し手によって変わっていましたが、あまりにもこのお話が流行したためメリーさんという名前が付きました。このようにだんだん近づいて来る怪談は昔からあって、こんな話を聞いたことありませんか?

夜の公衆トイレ
このように「近づいて来るシリーズ」は様々な派生があり、トイレではなく、合宿中の布団を次々とめくられていく…などのバージョンもあります。メリーさんは近づいて来るシリーズの最も洗練された形だと思います。
ベッド下の男

ベッド下の男
ベッド下など、日常にある少し不気味な空間にはこのような都市伝説がつきまといます。こちらの話はベンチ下だったり、潜んでいるのが女だったりと様々な派生バーションがありますが、もともとはアメリカから輸入された都市伝説でした。
アメリカ版

舐められた手
「舐められた手」は60年代後半くらいから伝わり始めたアメリカの有名な都市伝説です。このように海外から輸入されて、日本風に変えられたお話が広がることがあります。
タクシー怪談

タクシー怪談
この「タクシー怪談」は聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。60年代から語り継がれ、目的地は病院という場合もあります。シートが濡れているのは。語り継がれるうちに追加されたものだと思われます。

「エスパー魔美」より
naruseriri
このタクシー怪談も「ベッド下の男」同様、アメリカから輸入してきたものをアレンジしたものだと思います。アメリカ版はどのようなお話でしょうか?
アメリカ版

消えるヒッチハイカー
「消えるヒッチハイカー」は1930年代から語り継がれる、アメリカの超有名都市伝説です。「タクシー怪談」にそっくりですよね。日本に入ってきた時、日本ではヒッチハイクの習慣があまりないことからタクシーに変更されたのだと思います。
コインロッカーベイビー

コインロッカーベイビー
こちらは1970年代に実際に起きた事件から生まれたお話です。けれども話の内容自体はもっと昔からあるものです。

「今度は殺さないでね」
最後のセリフは語り手によって変わりますが、「コインロッカーベイビー」とよく似たお話です。このように何も知らないはずの子供に昔の殺人を指摘されるお話は、江戸時代からありました。

こんな晩
「こんな晩」は別名「六部殺し」とも言い、実際に江戸時代、六部を殺す事件があったそうです。「コインロッカーベイビー」同様、いつの時代でも悪いことをしたら自分に返ってくるという戒めのために広まった噂だと考えられます。
死体洗いのバイト

死体洗いのバイト

「死者の奢り」

「kiss+πr2」より
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漫画で使われるほど、広まっていた噂ですが、実際にはありません。ただ、ホルマリン漬けなどは話におひれががついたものですが、葬儀社の方は遺体を清めたりするので、真実半分嘘半分が混ざった都市伝説と言えるでしょう。
都市伝説の本
Amazon.co.jp: 続あなたの隣の怖い噂 (ムーブックス) 電子書籍: 宇佐和通: 本
ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説―信じるか信じないかはあなた次第 : 関 暁夫 : 本 : Amazon
さいごに
少しゾッとするお話をご紹介しましたが、都市伝説には笑えるものや、企業の噂などまだまだたくさんあります。こちらで紹介したお話は独自の調査と様々な本を繋ぎあわせ解釈したものです。信じるか信じないかはあなた次第です。