作品紹介
1988年(昭和63年)7月に劇場公開、沖縄の慶良間(ケラマ)諸島に実在した「シロ」と「マリリン」2匹のワンコの純愛物語。
画面いっぱいに広がる沖縄のきれいな自然。
島の緑、砂浜の白、「ケラマブルー」と呼ばれる透明にして青い海。
そして、シロの飼い主の恋愛・人間の欲望等が絡みつつも、胸が熱くなる物語です。
何といってもこの映画の主人公は2匹のワンコ。
座間味島にいる愛しいマリリンに逢うために、3キロ離れた阿嘉島から海を渡るシロ。
そのけなげで一生懸命な姿に自然と涙がこぼれてしまいます。



マリリンに逢いたい | Movie Walker
海を一生懸命泳いで渡るシロ。
深手を負いながらもマリリンのもとへ向かうシロ。
他界したマリリンを探して走り回るシロ。
マリリンのお墓の前で何度も何度も遠吠えをするシロの姿。
涙が溢れて止まりません。本物のシロが演じているだけになおさらです。。
テーマソング
主な出演者
主演 シロ

マドンナ マリリン

安田成美(久保田皆美)

加藤昌也(中里大輔)

三浦友和(中里達郎)

美談の始まり
1986年12月、琉球新聞に「白い犬が海を渡って恋人ならぬ恋犬に逢いに行く」というふうな記事が掲載されます。掲載したのは「マリリンに逢いたい」の原作者・宮里芳和氏。
これがきっかけでシロとマリリンは超有名犬になります。
テレビ・新聞・雑誌等々、アッと言う間に2匹は日本中に知れ渡るようになりました。
そして、ロケが始まり「マリリンに逢いたい」が制作されるのでした。
でも、シロはなぜ海を渡るという危険な行為をしたのでしょうか。
それは、阿嘉島には犬がいなかったからなのです。
昔、阿嘉島ではネズミ駆除のためにイタチを導入し、犬はイタチを追い払ってしまうからと嫌われました。それで犬を飼っている家がなかったのでした。
シロはマリリンが亡くなった後も海を渡ったそうです。
海の先、座間味島には2匹の愛の結晶、子供たちが待っていたのでした。
仔犬の頃のシロとマリリン

ケラマブルーとシロ
シロとマリリンが過ごした、自然豊富な座間味周辺の海をちょっとご紹介。
ケラマブルーの海

ウミガメの宝庫

ホエールウォッチング

阿嘉島から座間味島を望む

一説によると、シロは海を一気に渡ったのではなく途中の無人島に一旦上陸し、休みながら島を横断してまた泳ぎだしたらしいのです。泳ぎやすい波の高さや潮流のルート、進むべき方向、自分の行き先をわかっていたのですね。おりこうなワンコです。
遠泳中のシロ

座間味でのシロとマリリン(実物)

シロはいつも島を泳いで往復していたわけではないようです。
座間味島からの帰りは、5時のサイレンを合図に阿嘉島から来ている役場の職員の帰る船に便乗したりしました。行きはなぜか乗れなかったんですねぇ。
間違って座間味から那覇行きの船に乗ってしまったこともあるそうです。そして、翌日の船でまた戻ってきたそうです。島の人々が協力してくれたのでしょうね。
普通のワンコでは考えられない大冒険です。シロは本当に賢いワンコなのですね。
慶良間の救世主
この実話は単なるワンコの純愛物語では終わりませんでした。
昭和55年前後をピークに過疎化が進んでいた慶良間諸島は、素晴らしい大自然を求めて観光客が訪れるようになり、昭和60年以降、年々人口(移住者)が増えていきました。そうなると子供たちも増えて、活気を取り戻すようになったのです。
2匹はまさに慶良間諸島の救世主になったのです。
座間味村の概要|座間味村インフォメーション 座間味村公式webサイト
シロとマリリンを慕って
シロ天国へ逝く 2000年11月26日
飼い主の中村さん曰く、「とても安らかな表情で、天国に吸い込まれていくように眠った」。
シロの命のともし火の最後に、マリリンがお迎えに来ていたのかもしれませんね。
安らかに。そして、マリリンと仲良くね。
永遠なるシロとマリリン
シロとマリリンの銅像が阿嘉島と座間味島にそれぞれ建立され、シロが他界してからちょうど1年後の2001年11月26日に除幕式が両島で行われました。
シロはマリリンのいる座間味島を、マリリンはシロがいる阿嘉島を、2匹はちゃんと見つめ合っているのです。

シロ 阿嘉島

マリリン 座間味島
海を渡る一途な恋!映画「マリリンに逢いたい」は沖縄の実話!犬たちの恋物語の舞台・阿嘉島と座間味島へ | 沖縄県 | トラベルjp<たびねす>

様々な人たちの力を借りながら愛を育てていったシロとマリリンは、ちゃんと島の人々に恩返しをしていきました。座間味の名は今ではダイビング等海のメッカとして知らない人がいないくらい有名になりました。すべては、2匹の純愛物語から始まったことだったのです。
感動をありがとう、シロとマリリン。