荒唐無稽なチャンバラとロックの映画・シックス・ストリング・サムライ

[DVD] シックス・ストリング・サムライ
アクション指導家でもある主人公役のジェフリー・ファルコンが、脚本やアクション監督、美術をもこなした力作。
映画「マッドマックス」を思わせる退廃的な世界観。そして、チャンバラ映画や西部劇の雰囲気も併せ持つ、いわばごちゃ混ぜの世界が演出されている。ツッコミどころが満載のB級映画として非常に楽しめる一作。
監督は本作が長編劇映画デビューとなる新人ランス・マンギア。製作はリーナ・クリールとマイケル・バーンズ。
撮影はクリスチャン・ベルニール。音楽はザ・レッド・エルヴィス。
共演は新人ジャスティン・マッガイアほか。

剣術がキマッてる主役のジェフリー・ファルコン
ボロボロの黒スーツに黒縁眼鏡、ギターという出で立ちの主人公バディ。日本のサラリーマンかと思わせる。
お気に入りのギターには刀が仕込まれており、戦闘時にはその刀を振りかざし、バッタバタと敵を倒していく。まるで座頭市の「仕込み杖」のようだった。
その様子はタイトル通り、サムライのようであり、鈍臭そうな見た目からは意外に思える程に切れのあるアクションを見せてくれる。香港で学んだ中国武術のスキルがいかんなく発揮された作品だ。
シックス・ストリング・サムライ ≪あらすじ≫
シックス・ストリング・サムライ ばったモンと言われようとも、好きなのさ!|新・伝説のhiropoo映画日記

マッドマックスよろしくの荒廃した世界では、音楽が希望!

キッド(左)とバディ(右)

辺り一面、乾いた世界

原始人のような人々にも襲われる!

食人一家にも襲われた!!

数多くの刺客が現れるも、バディは滅法強かった!

バイクを二人乗りし、ロスト・ヴェガスを目指す!
本作バディのモデルとなった伝説のロッカー「バディ・ホリー」
本作の主人公バディのモデルとされるロックンロールの草創期に活躍した「バディ・ホリー」。
黒縁眼鏡にスーツ姿が、まさしくバディそのままである。時代背景も本家のバディが活躍した1950年代後半という設定だ。

バディ・ホリー
本名はチャールズ・ハーディン・ホリー。
しゃくりあげるような裏声を用いて独特のアクセントをかもすヒーカップ唱法や、現代のロックにも通じるギターサウンドや軽快なビートが特徴的だった。
デビュー曲の「ザットル・ビー・ザ・デイ」をはじめ、「イッツ・ソー・イージー」「ペギー・スー」などを大ヒットさせた。
1959年2月3日に飛行機事故で命を落とす。22歳だった。
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第48位。
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」において第13位。
2011年、「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において第80位。
ちなみに生前の愛用ギターはフェンダー・ストラトキャスター。当時はアコースティックギターが全盛だった頃で、非常に新鮮であった。

「The BUDDY HOLLY Story」
1960年代にデビューしたミュージシャンには、彼の影響でストラトキャスターを手にしたと語る者も少なくない。
そして、ザ・ビートルズやザ・ローリング・ストーンズ、サーチャーズ、ホリーズなど錚々たるバンドも彼の影響を受けているのである。
ミック・ジャガーは、「レコードジャケットの写真を見るまでバディ・ホリーは黒人だと思っていた」「バディほど独創的な人はいない。ロックンロールの真の天才」と語っている。
また、ジョン・レノンは青年時代、眼鏡をかけることに強い抵抗感を持っていたが、バディが「眼鏡をかけたロックンローラー」として堂々と振舞っていたのを見て、人前で眼鏡をかける事を恥と思わなくなったという。

眼鏡のロックンローラー!

こちらは本作のバディ!ギターと黒縁眼鏡姿がカッコイイ!
作品データ
製作・監督・脚本 ランス・マンギア
製作・脚本・原案 ジェフリー・ファルコン
公開 1998年(日本公開は1999年)
配給 ポニーキャニオン
時間 91分
出演 ジェフリー・ファルコン、ジャスティン・マッガイア、キム・デ・アンジェロ等
壊れた世界で生き抜く男たちを描いた本作。
アクションシーンの殺陣は必見!
退廃的な世界がお好きなら、やはりマッドマックス!
記念すべきシリーズ第一作目の記事をご覧あれ!
全てはここから始まった!マッドマックスシリーズ1作目「マッドマックス」 - Middle Edge(ミドルエッジ)