映画『さびしんぼう』ショパンの「別れの曲」が目に染みる ノスタルジック青春ファンタジー

映画『さびしんぼう』ショパンの「別れの曲」が目に染みる ノスタルジック青春ファンタジー

大林宣彦監督の尾道三部作の第三作目となる作品。全編にショパン「別れの曲」が流れる。「別れの曲」を軸にストーリーは展開していく。カメラが趣味の普通の少年がある日へんてこりんな女の子に出会う。母親との記憶と交錯して女の子の謎がわかっていく。


さびしんぼう

『さびしんぼう』は、1985年公開の日本映画。 瀬戸内の尾道を舞台に少年の恋をノスタルジックに描いた作品である。主人公を監督の分身として描き、監督の自伝的色彩が強いといわれる。全編に、ショパンの『別れの曲』が流れる。 “尾道三部作”のひとつ。ポスターには、「尾道三部作 完結編」と記された。 『さびしんぼう』という言葉は、大林監督の造語である。広島弁で腕白小僧、悪ガキを意味する"がんぼう"に対する女の子の呼び名がないので『さびしんぼう』というのを考えたという。子供の頃から使っている言葉で、8mmにもシナリオにも『さびしんぼう』を題名にしたのが何本かある。"がんぼう"が女の子を思うと"さびしんぼう"になる。"さびしんぼう"は両性具有のコンセプトで、人を愛することは淋しいことだという大林の感性が育んだ造語なのである。大林は「ぼくの映画は全部"さびしんぼう"という題をつけてもいいと話している。『さびしんぼう』は、大林がずっと暖めていた企画で、かつては山口百恵や小林聡美、ハニー・レーヌで撮影しようと考えたり、『廃市』を『さびしんぼう』の題名にしようとしたこともあった。『姉妹坂』の製作が一年延期になったとき「富田靖子の高校の冬休みを使って映画を撮影しませんか?」との申し出を受け、題名を『さびしんぼう』にし、かつて読んだことのある山中恒の『なんだかへんて子』を原作に撮影された。 黒澤明はこの作品を大変気に入り、自分のチーム“黒澤組”のスタッフにも見るように指示したというエピソードもある

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%95%E3%81%B3%E3%81%97%E3%82%93%E3%81%BC%E3%81%86_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

さびしんぼう (映画) - Wikipedia

スタッフ

キャスト

寺の跡取り息子。趣味はカメラ、成績も良くなく、ピアノで『別れの曲』を練習中。

井上ヒロキ(尾美としのり)

ショートヘアに顔が白く、風変わりな格好をした少女。16歳。ある時からヒロキたちの前に現れるようになった。

さびしんぼう(富田靖子)

ロングのストレートヘアの女の子。放課後に音楽室のピアノを弾いている。

橘百合子(富田靖子)

ヒロキの母親。「勉強しろが口癖」、思い出の曲がショパンの『別れの曲』で、ヒロキにピアノを習わしている。

井上タツ子(藤田弓子)

ヒロキの父親、寺の住職。母親タツ子とは見合い結婚。

井上道了(どうりょう)/小林稔侍

ストーリー

舞台は尾道。
お寺の息子でカメラが趣味の高校生、井上ヒロキは無表情で寡黙な父親と、教育ママの母親タツコの三人家族。
ヒロキは、趣味のカメラのためバイトにはげむ。
勉強にうるさい母親、寺の大掃除と忙しい。
ある日、母親のアルバムから大量の写真が散らばった。
回収したが一枚だけ回収できなかった。
翌日高校の理科室で友達三人と、バーナーですき焼きを作っていると先生(岸部一徳)に見つかる。
罰として校長室の清掃をやらされる。
校長の飼っていたオウムに、いたずらをし、三人の保護者が呼び出しを受けた。
そこに変わった女の子現れる。
本人は『さびしんぼう』と名乗る。『さびしんぼう』は顔は真っ白で、オーバーオールを着て、16歳だと言う。

最初はあいさつ程度だったのですが、そのうち始終現れる。
『さびしんぼう』が見えていたのは、ヒロキだけだったが、おばあちゃん(浦辺粂子)は、『さびしんぼう』をタツ子だと言う。
ボケているのか?だがみんなには見えてない。
『さびしんぼう』はフェリーを利用し、女子高までは自転車通学。
道ですれ違い、目が合うと『さびしんぼう』は目礼し、通り過ぎる。
母親タツ子は、ヒロキが成績が上がらないことと習っているピアノが上達しないことに苛立つ。
そしてヒロキのクラスメートを寺に呼びだす。そして変な子が、タツ子にも見えた。
「あんた誰」って、お尻を叩くと、自分の尻も痛くなる、頭を殴ると、自分の頭も痛くなる。周りは、タツ子がおかしいと思いだす。
学校では、ヒロキの母親がおかしくなったと噂になる。
ヒロキは、必死に弁解するが。

テル子(樹木希林)が娘(小林聡美)を連れて、タツ子を訪ねる。
ところが、テル子にも娘にも『さびしんぼう』が見え、大騒動になる。
しかし、テル子は、なにか見覚えがありそれは、タツ子が
高校時代に劇で演じた『さびしんぼう』だと言い出す。
『さびしんぼう』は百合子と名乗る。そして、ヒロキにバレンタインデーにチョコレートプレゼントする。
しかしヒロキはチョコレートアレルギーだった。
チョコレートを畳の上に投げつけるヒロキ。
手紙が添えてあり「あの日、うれしくて何度も微笑みました。ありがとうございました。ですがこれだけにしてお別れしてください。百合子」書いてあった。

【変てこなの】は「明日17歳になるんだ。もう現れられない」という。
もはやタツ子であることを隠さない【変てこなの】は、高校2年の時に演じた創作劇『さびしんぼう』について語り出す。
『さびしんぼう』って少女がいて、勉強ができ、ピアノが上手な同級生を好きになる。しかし、結ばれませんでした。その少女は、平凡な結婚をして子どもを生む。
 ヒロキが風呂に入っていると、父親も入ってくる。普段は寡黙な父親が、妻タツ子について語り始める。
「かあさんのことは、すべてが好きで結婚したんだ。だから、彼女の思い出もすべて受け入れている。
別れの曲も、タツ子がいつも口ずさんでいたので、すっかり覚えたよ」と。
 翌日、クリスマスプレゼントとしてオルゴールを持って、ヒロキは島に渡る。
幸い、着物を着た百合子と埠頭で会うことができた。
オルゴールを渡すとピアノの形をしたオルゴール曲は別れの曲。

「ありがとう、ここでお別れします。あなたが好きになったのは、こちら右側ですよね、最後も、こちら右側だけを見ながら、見送ってね」

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