シック
Chic
シックは、1970年代後半のディスコ・ブームの中心的バンドで、代表曲には全米No.1に輝いた、「おしゃれフリーク」や「グッド・タイムス」などがあります。
デヴィッド・ボウイやマドンナなどのプロデューサーとしても活躍した、ギターのナイル・ロジャースとベースのバーナード・エドワーズのソングライター・チームでもある二人とドラムスのトニー・トンプソンが中心人物です。
ナイル・ロジャース
バーナード・エドワーズ
トニー・トンプソン
シックは1977年ニューヨークで結成され、当初は男女混合7人組のバンドでした。
但し、ナイル・ロジャースとバナード・エドワーズ以外のメンバーはほとんど固定しておらず、実際には2人のプロジェクト・チームだったといえます。
シック・サウンド
彼ら独自の音楽は、「シック・サウンド」と呼ばれ、70年代後半から80年代初頭にかけてニューヨークを中心に世界中に広まりました。
「シック・サウンド」とは、一度聞くと忘れられない印象的でタイトなリズムに、ストリングスとホーンがからんだものが基本だといえます。
「上品な」「あかぬけた」という意味のバンド名「シック Chic」は、当時大ブームだったディスコ・サウンドのもつ田舎臭さに対するアンチテーゼだったのです。
Chic (1977)
1977年にデビュー・アルバム「Chic」を発表し、1978年のシングル「ダンス・ダンス・ダンス 」がいきなり全米第6位のヒットとなりました。
【収録曲】
1. ダンス・ダンス・ダンス
2. サンパウロ
3. ユー・キャン・ゲット・バイ
4. エヴリバディ・ダンス
5. シック?!
6. 貴方に恋して
7. バンドを作ろう
おしゃれフリーク
C'est Chic (1978)
1978年セカンド・アルバム「エレガンス・シック C'est Chic」を発表。
このアルバムからはシングル・カットされた「おしゃれフリーク Le Freak」が全米ナンバー1ヒットとなりました。
カッコよすぎます。
シック・サウンドは既に完成されていますね。ギターのカッティングもベースラインも素晴らしい!!!
【収録曲】
1. 陽気な仲間
2. おしゃれフリーク
3. 愛のかけひき
4. ハッピー・マン
5. 愛してほしい
6. 僕は自由
7. 愛の勝利
8. ファニー・ボーン
プロデュース
ナイル&バーナードのチームは多くのアーチストをプロデュースしていますが、その代表となるのは、なんといってもダイアナ・ロスのアルバム「ダイアナ」(1979年)とシングル「アップサイド・ダウン」(1980年)でしょう。どちらも大ヒットしています。
ダイアナ・ロスの成功により、次々にプロデュースの依頼が舞い込みます。
その中でもナイル・ロジャースがプロデュースしたデヴィッド・ボウィの「レッツ・ダンス」(1983年)やマドンナの「ライク・ア・ヴァージン」(1984年)は代表作と言えるでしょう。
グッド・タイムス
Risque (1979)
3枚目のアルバム「危険な関係 Risque」が1979年に発売され、このアルバムからも全米ナンバー1ヒット「グッド・タイムズ」が生まれ、いよいよシックの人気はピークを迎えました。
【収録曲】
1.グッド・タイムス
2. 暑い夏の夜
3. キープ・ダンシング
4. 禁じられた恋
5. ラヴ・ユー
6. ウィル・ユー・クライ
7. 私はどうなるの
この後もシックは「Real People」(1980年)、「Take it off」(1982年)、「Tongue in Chic」(1982年)、「Believer」(1983年)とコンスタントにアルバムを発表していますが、次第にプロデュース業へと移行していき活動停止。
ようやく1992年に再始動となりますが、その間パワー・ステーションなどで活動していたドラムスのトニー・トンプソンは参加せず、その後、2003年に死去。
バーナード・エドワーズも1996年に急死してしまいました。
Chic
因みに、1979年「Good Times」が全米で大ヒットしている頃、ハーレム出身の若者3人組が「Good Times」のリズム・トラックをそのまま使い、「ラッパーズ・ディライト Rapper's Delight」として発表しました。
この3人組がシュガーヒル・ギャングで、この曲は史上最初にチャートインしたラップ曲となり、ヒップホップをメジャーにしポップス界に大革命をおこしました。
シュガーヒル・ギャング