映画『ザ・フライ』について
1986年にアメリカで公開され、日本での公開は翌年1月。
この映画はジョルジュ・ランジュランの小説『蝿』を映画化し、1958年に公開された『ハエ男の恐怖』のリメイク作品。
1989年には続編として『ザ・フライ2 二世誕生』が公開されました。
『ザ・フライ』は最初から続編が作られることを想定した内容になっていました。物語の終盤になって恋人が妊娠し異常な早さで出産してしまい、「その子供は果たして?」という形で終わっていましたから。まさにハエ男の恐怖、SFホラー映画の真骨頂です。しかし、製作された続編も秀逸な出来栄えで十分に堪能できました。続編はうまく行かない、柳の下に幽霊じゃなくてドジョウは2匹もいないというのは通説ですが、『ザ・フライ』に限ってはそのようなことはありません。これもやはりハエ男の恐怖、SFホラー映画の真骨頂なのでしょう。
主なキャスト

セス・ブランドル/ジェフ・ゴールドブラム

ヴェロニカ・クエイフ/ジーナ・デイヴィス(写真右)
ストーリー
人間とハエが遺伝子レベルで融合するとどうなるか・・・。このとんでもない発想を、ちょっとした運命のいたずら的な導入で盛り上げ、知らず知らずのうちに見る者をのめりこませていきます。
お化けや幽霊などを信じない現実主義者でも、この設定だけは「もしかしたらあり得るかも」と思わせてしまうあたりはお見事。今観返しても、この恐怖が現実になる可能性を否定できないのでは?

「テレポッド」
ある日、ヴェロニカの助言を元に、それをヒントに改良を重ね、ついに生物の転送に成功した。
しかし、セスはヴェロニカの元恋人と彼女の関係に嫉妬し泥酔すると、その勢いで自らを実験台にし転送を行なった。
転送直後は何も問題はなく、むしろ転送前よりも強靭となり、成功したと思われた。
が、その後セスの身体には数々の異変が起きた…
調査をした結果、彼が転送ポッドに入って実験をするときに1匹のハエがまぎれ込み、再構築をするにあたって、遺伝子レベルでセスとハエが融合ししてしまったことがわかった。
それから、異常な身体能力を得て行くとと同時に肉体は姿を変え、日が経つごとに人間ではなくなっていき、セスの身を心配するヴェロニカは自身の妊娠がわかり、彼女のセスとの間の子供もハエの遺伝子を受け継いでいる可能性があると知り元カレに助けを求め堕胎手術に臨むが、考え方までハエ化しつつあるセスに妨害され、研究室へと連れ去られる。
最終的に完全なハエ人間となったセス。
完全な人間に戻ることを諦め人間に近い生物になろうと、テレポッドを使ってヴェロニカと胎児との融合を計画したがヴェロニカの元彼に妨害され失敗に終わった。そして、ポッド部品と異常な融合をしてしまい、動くことすらできないハエ人間から彼自身の銃殺を乞われた。
ヴェロニカは、これに応えるのだった・・・
ホラー映画としても最高レベルの怖さであったことは周知の事実
半端なくグロテスクな描写も!
ストーリーの斬新さも去ることながら、作品中の随所に出てくるグロテスクな描写は、現在でもある意味中毒性を持って親しまれている様です。
子供の頃にこの映画を見たせいで、現在でもトラウマになっている人が数多くいる様です。この頃のホラー映画と言えば、エクソシストやオーメンなどとにかく心理的に恐怖感を植え付けてくる名作が多く、このザ・フライも後世に語り継がれる映画であることは間違いないでしょう。
続編「ザ・フライ2」では
恋人のヴェロニカは妊娠し、息子・マーティンが誕生する。すぐにヴェロニカは亡くなってしまい研究室長の厳重な警戒下で育てられ、彼は驚くべき速度と驚異的知能で成長し、父の研究を引き継いでいく。しかし、セスからハエの遺伝子を受け継いでいたマーティンの身体は、徐々に変化し続けていく・・・