ビッグバン・ベイダー物語は猪木秒殺事件から始まった!空飛ぶ巨漢が新日UWF全日ノアで大暴れ!

ビッグバン・ベイダー物語は猪木秒殺事件から始まった!空飛ぶ巨漢が新日UWF全日ノアで大暴れ!

日本マット界にビッグバンを起こした皇帝戦士ベイダー。170キロの巨漢で空中殺法を炸裂させるプロレスラーは他に類例がない。ベイダーの新日本マット登場から、UWFインター、全日本プロレス、プロレスリング・ノアでの激闘を振り返り、強さの秘密に迫る。


アントニオ猪木は、数えきれないほどの強豪外国人レスラーと闘ってきた。
タイガー・ジェット・シン、ボブ・バックランド、スタン・ハンセン、ハルク・ホーガン。
猪木に勝ったレスラーは何人もいるが、何度も対戦したライバルレスラーなら、たいがい猪木が対戦成績で勝っている。
あの世界の大巨人アンドレ・ザ・ジャイアントも猪木の必殺腕固めでギブアップした。アンドレからギブアップを奪ったレスラーは世界でも猪木一人だろう。
ただ、猪木も完全無欠ではない。ローラン・ボックとブルーザー・ブロディからは一度もピンフォールを奪えなかった。
ローラン・ボックと猪木は一度も完全決着がつかないまま、ボックが引退。
ブロディと猪木は7度も対戦しているが、両者リングアウトや時間切れ引き分け。あとはどちらかの反則負けで、猪木はフォールはもちろん、ブロディにリングアウト勝ちもしたことがない。
ビッグバン・ベイダーも、猪木が一度も勝てなかったレスラーになるかと思ったが、見事に腕固めで両国の借りを返した。

月日は流れ、1996年1月4日、東京ドーム。
アントニオ猪木はすでに53歳になっていた。引退のカウントダウンは始まっていた。皇帝戦士ビッグバン・ベイダーとシングルマッチをやるのは無謀というもの。
ベイダーは全く容赦しない。投げっ放しジャーマンスープレックス! チョークスラム! ドラゴンスリーパー!
何度も死にそうな顔でダウンする猪木。ベイダーがコーナーポスト最上段からムーンサルトプレス! まさに圧殺刑だ。

170キロのビッグバンクラッシュは息ができなくなるのではないか。ベイダーハンマーも藤波辰巳が言うには脳震盪を起こすと。
ベイダーは猪木にベイダーハンマーを連打しながら「ガンバッテー、ガンバッテー」と叫ぶ。頑張ってほしかったらベイダーハンマーは勘弁してほしいところだが。
思えばこの1.4の猪木戦ほど、ベイダーが大技を連発させた試合はほかにないかもしれない。尊敬する猪木に対して全力を出し切ることがファイターの恩返し。

最後は執念の腕ひしぎ逆十字固めでベイダーがギブアップ! 猪木の奇跡の大逆転勝ちだ。
猪木にとっても、晩年にビッグバン・ベイダーという強豪レスラーと出会えたことは大きいのではないかと感じる。
ベイダーにとってはもちろん、アントニオ猪木と何度も対戦した経験は、その後のプロレスラー人生で生きたはずだ。

スーパー・ベイダーVS高田延彦

ビッグバン・ベイダーは、新日本プロレスと契約中だったが、1993年にUWFインターナショナルのリングに上がる。
ベイダーの本名は、レオン・ホワイト。今までもいろんなリングネームでファイトしてきたが、UWFインターではスーパー・ベイダーとして激しい熱闘を繰り広げる。
1993年5月6日、日本武道館で中野龍雄と対戦。中野のキックとベイダーの打撃。乱打戦を制したのはベイダーだった。中野龍雄をTKOで破り、UWFにもベイダー旋風を巻き起こす。
同年8月13日は山崎一夫のキックに大苦戦しながらもベイダーがKO勝利。
そして12月5日、神宮球場の大舞台でついに高田延彦と激突。
鉄人ルー・テーズ認定のプロレスリング世界ヘビー級選手権。
チャンピオンの高田延彦に挑戦するスーパー・ベイダー。
ベイダーの掌打やベイダーハンマーに苦戦する高田だが、キック攻撃と関節技でベイダーを追い込む。
ベイダーはUWFインターのリングに上がるために、キックボクサーと猛特訓を積んできたのだ。この努力家なところが、ベイダーの強さの秘密だ。
ベイダーはUWFスタイルにも順応した。そしてベイダーはもちろん打撃だけでなく袈裟固めもやれば、オクラホマスタンピートで高田をマットに叩きつける。
だが、最後は高田の腕ひしぎ逆十字固めに敗れる。

もちろんここで終わるベイダーではない。1994年6月10日、日本武道館であの田村潔司と対戦する。
田村の徹底したローキックに大苦戦するスーパー・ベイダー。
さらにミドルキック、ハイキック、関節技とベイダーを攻めていくが、何しろこの体格差。ベイダーハンマー一発で流れが変わる。
スーパー・ベイダーの二階からの投げ捨てパワーボムはまさに殺人技。田村をKOで破った。
ベイダーの勢いは止まらない。
同年8月18日、両国国技館で再び高田延彦と対決するスーパー・ベイダー。
高田のキック攻撃や関節技に苦しみながらも、必殺投げっ放しジャーマンスープレックスが火を噴く。
最後は投げ捨てパワーボム、ベイダーハンマーで高田をKO!
プロレスリング世界ヘビー級チャンピオンに輝いた。
ベイダーはIWGP、CWA、WCWに続き団体トップのメジャータイトルを獲得する。
控室でスーパー・ベイダーを祝福するルー・テーズと、懐かしの人間風車ビル・ロビンソンの姿もあった。

高田延彦こそ、このまま引き下がるわけにはいかない。
1995年4月20日、名古屋レインボーホールでプロレスリング世界ヘビー級選手権。
巨大な壁、チャンピオンのスーパー・ベイダーに高田延彦が挑む。

ゴングが鳴る前にベイダーはいきなり高田に張り手! 怒る高田。ゴングと同時にローキック連打、ミドルキック連打でベイダーは場外転落。高田が追う。場外でミドルキック連打!
リング上。「カモン!」と気合十分の高田。しかしベイダーハンマー、張り手、チョークスラム! 高田ダウン。
グラウンドの展開。ベイダーが上になる。重いから簡単には跳ね除けられない。ベイダーが寝ている状態の高田の顔面にニーパット! これは反則でブレイク。ブーイングが起こる。
高田がローキックで攻める。ベイダーも張り手。そしてベイダーハンマー連打で高田ダウン。
軽快なフットワークで高田がローとミドルのコンビネーション。ベイダーも張り手で応戦するが、高田が脚にニーパットからローキック、ハイキック! ベイダーダウン。
立ち上がるベイダーに高田はローキック5連発でダウンを奪う。ベイダー苦しい表情。
ベイダーがプロレス殺法。ベイダータックルで高田をコーナーに押し込み、ベイダーハンマー連打でダウンを奪うが上から張り手連打! これは反則。レフェリーが「ブレイク」と何度も叫ぶ。大ブーイング。
怒りの高田。ローキックからハイキック連打、ローキック連打、そして腕を取って腕十字。ベイダーが両手でロックして防御。高田はしごいてロックを外すがベイダーが上になる。
ベイダーの高度なテクニックが見える。
高田攻勢。ローキック連打から張り手、さらにローキック連打からハイキック! ベイダーダウン。
10分経過。
高田が上になりスリーパー狙い。ベイダーが防ぐと高田はフェイスロックからキャメルクラッチ。

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