グラム・ロックに咲いた伝説のバンド、T・レックス

グラム・ロックに咲いた伝説のバンド、T・レックス

グラム・ロックと呼ばれるムーブメントの中心であった、マーク・ボラン率いるT・レックス。そのあまりに強烈だった光と影。


グラムロック

T・レックス

T・レックスとは、1970年代前半のイギリスで起こったグラムロックと呼ばれるムーブメントの中心的バンドです。
他には、デヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージック、モット・ザ・フープルなどがグラム・ロックの代表とされています。

グラム・ロック時代のデヴィッド・ボウイ

グラム・ロック時代のロキシー・ミュージック

手元にあるグラムロック特集の雑誌を見ると、ベイ・シティ・ローラーズやスージー・クワトロなどまで名を連ねており、音楽的な特徴はないとされています。

かわいいです。

ベイシティローラーズ

ベイシティローラーズをグラム・ロックと呼ぶには何となく抵抗がありますが、それっぽい曲があるということなのでしょう。

グラム・ロックの黄金時代は1972年の春から1974年の秋頃までとされていて、日本における定義としては「グラマラスな衣装とメイクをしてポップなロックンロールを演奏する」というのが一般的でしょう。

その中心人物と言えば、T・レックスのリーダーであったマーク・ボランです。

マーク・ボラン(Marc Bolan)

1947年9月30日 - 1977年9月16日

マーク・ボラン(Marc Bolan)

グラム・ロックというと、デヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージックも勿論素晴らしいわけですが、グラム・ロック期以降の活躍が長いので、グラム・ロック期にのみ輝いたT・レックスは強い印象が残ります。
そして、T・レックスと言えば 、良くも悪くもヴォーカリスト兼ギタリストのマーク・ボランでしょう。
強烈な個性とカリスマ性を持っていて、T・レックスの後年は特にマーク・ボランのソロプロジェクトのようになってしまいますが、全盛期のT・レックスは、眩いばかりに光り輝いています。

T・レックス - T.Rex

1968年に二人組のフォークロック・グループ、ティラノザウルス・レックス(Tyrannosaurus Rex)と名乗りデビューしています。
1970年12月に「T.Rex」とバンド名を短縮しエレクトリック・ギターを導入します。

(1970年発売)

T・レックス - T.Rex

電気の武者 - Electric Warrior

ティラノザウルス・レックスから6作目、T・レックスに改名してからは2作目にあたる本作から快進撃がはじまります。
全英アルバムチャート1位、シングル・カットされた、「ゲット・イット・オン」(全英1位・全米10位)、「ジープスター」(全英2位)がヒットしました。

(1971年発売)

電気の武者 - Electric Warrior

71年発表の2nd。新たにステイーヴ・カーリー(b)、ビル・レジェンド(dr) の二人を加えて初めてバンド形態になって制作されており、『電気の武者』の邦題でロックの定番中の定番になっている作品。彼らは優れた作品、ヒット曲を大量に残しており、どれもが代表作に成りうるが、本作がそれらより一段も二段も高く評価されるのは、楽曲が優れていることはもちろんだが、本作に宿っている質感というかオーラというか、音の力が明らかに違うのである。まるで神でも降りて来ているかのような音そのものの崇高さが、少し聞けば誰でも感じることが出来ると思う。実はギラギラとしたド派手なグラム・ロック的な部分は次作の方で全開するわけで、大ヒットした出世作の6.もそれらと比べると地味ですらある。中心となっているのはアコースティックなナンバーであり、そのどれもが素晴しい。特に2.は傑出した曲であり、まさに神憑かりだと思う。この雰囲気は本作だけのものであり、以降ではほとんど見られなくなるため、過渡期の産物と言えなくもないが、これが本作の肝である。地味だと書いた6.もよくよく聞いてみると後のロキシーの元ネタのような部分もあり、初期の彼らがT.レックスと一緒くたにされていたことも納得がいく。5.のブルースもT.レックスには結構珍しい。何にしても絶対に聞くべき名盤の一つであることは永遠不滅である。時折、居ても立ってもいられない感情が沸き上がってくる作品だ。 元クリムゾンのイアン・マクドナルド(sax)、バート・コリンズ(Flu-h) らが参加、ピアノでリック・ウェイクマンが参加しているらしい。

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ザ・スライダー - The Slider

アルバム・ジャケットを元ビートルズのリンゴ・スターが撮影していることでも話題となりましたが、当時のT・レックス人気はもの凄いものがありました。

この年には初来日を果たし、日本武道館などで公演しています。

(1972年発売)

ザ・スライダー - The Slider

タンクス - Tanx

前作があまりにも煌びやかだったこともあり、落ち着いた感じがするアルバムです。
原因のひとつには「ブロークン・ハーテッド・ブルース」や「レフト・ハンド・ルーク」といった素晴らしいスローバラードが入っていてその印象が強いからかもしれません。

(1973年発売)

タンクス - Tanx

ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー

この時期、T・レックスは低迷期を迎えていました。
トニー・ヴィスコンティがプロデュースした最後の作品にして、オリジナル・メンバーとしても最後となった作品です。
ひとつの時代が終わろうとしているといった印象を受けます。

(1974年発売)

ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー - Zinc Alloy And The Hidden Riders Of Tomorrow Or A Creamed Cage In August

地下世界のダンディ - Dandy In The Underworld

「ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー」の頃から、どっぷりと低迷期に入ってしまったT・レックス。
「ブギーのアイドル」、「銀河系よりの使者」とコンスタントにアルバムを発表していますが、どうしてもグラム・ロック終焉とともにT・レックスも終わってしまうのかという感が拭えませんでした。
しかし、そんななかメンバーも一新して心機一転、起死回生のアルバムを発表します。

(1977年発売)

地下世界のダンディ - Dandy In The Underworld

前作までのイメージを完全に払拭した正に新生T.Rexという感じの作品です。実際にボラン以外のメンバーは一新されています。シンプルで引き締まった演奏は新メンバーの力量も大きいのでしょうが、今聴いても全く古さを感じられないほど洗練されています。使用されている楽器・・・特にキーボード類の変化が曲そのもののイメージの変化にも大きな影響を与えています。従来ならメロトロンや生のストリングスが被せてあるであろう部分はソリーナに変わり、リードやベースなどではミニムーグと思われるシンセが頻繁に出てくるのですが、この音色のセンスがすこぶる良い。シンセと気が付かないほどうまく使用されています。珍しいところでは曲によってはクラビも登場してきます。ハモンドやサックスも従来とは聞こえ方が全然違います。やはり無駄な音を省いたことが良い結果を生んだのでしょう。変則的なリズムを取り入れた Jaaon B. Sad や従来通りのブギ、I Love To Boogie など全曲に変化があって、かつ統一感があるという典型的な名盤ですが、今までの重圧なアレンジがされていない (いわゆるT・レックスのイメージとはちょっと違う) のでこれがT・レックスの代表作とは言いにくいのですが、それでもどこをどう聴いても紛れもないT・レックスのサウンド。特にT・レックスの食わず嫌いの人にお薦めしたいと思います。

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Amazon.co.jp: Marc Bolan, T-Rex : Dandy in the Underworld - ミュージック

このアルバムで、人気・評価は徐々に持ち直しつつあったのですが、残念ながら発売の年に自動車事故で亡くなってしまいます。

しかし、いつ聞いても全盛時のT・レックスはキラキラとしていて素晴らしいですね。

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