グラムロック

T・レックス
T・レックスとは、1970年代前半のイギリスで起こったグラムロックと呼ばれるムーブメントの中心的バンドです。
他には、デヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージック、モット・ザ・フープルなどがグラム・ロックの代表とされています。

グラム・ロック時代のデヴィッド・ボウイ

グラム・ロック時代のロキシー・ミュージック
手元にあるグラムロック特集の雑誌を見ると、ベイ・シティ・ローラーズやスージー・クワトロなどまで名を連ねており、音楽的な特徴はないとされています。

ベイシティローラーズ
ベイシティローラーズをグラム・ロックと呼ぶには何となく抵抗がありますが、それっぽい曲があるということなのでしょう。
グラム・ロックの黄金時代は1972年の春から1974年の秋頃までとされていて、日本における定義としては「グラマラスな衣装とメイクをしてポップなロックンロールを演奏する」というのが一般的でしょう。
その中心人物と言えば、T・レックスのリーダーであったマーク・ボランです。
マーク・ボラン(Marc Bolan)

マーク・ボラン(Marc Bolan)
グラム・ロックというと、デヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージックも勿論素晴らしいわけですが、グラム・ロック期以降の活躍が長いので、グラム・ロック期にのみ輝いたT・レックスは強い印象が残ります。
そして、T・レックスと言えば 、良くも悪くもヴォーカリスト兼ギタリストのマーク・ボランでしょう。
強烈な個性とカリスマ性を持っていて、T・レックスの後年は特にマーク・ボランのソロプロジェクトのようになってしまいますが、全盛期のT・レックスは、眩いばかりに光り輝いています。
T・レックス - T.Rex
1968年に二人組のフォークロック・グループ、ティラノザウルス・レックス(Tyrannosaurus Rex)と名乗りデビューしています。
1970年12月に「T.Rex」とバンド名を短縮しエレクトリック・ギターを導入します。

T・レックス - T.Rex
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電気の武者 - Electric Warrior
ティラノザウルス・レックスから6作目、T・レックスに改名してからは2作目にあたる本作から快進撃がはじまります。
全英アルバムチャート1位、シングル・カットされた、「ゲット・イット・オン」(全英1位・全米10位)、「ジープスター」(全英2位)がヒットしました。

電気の武者 - Electric Warrior
ザ・スライダー - The Slider
アルバム・ジャケットを元ビートルズのリンゴ・スターが撮影していることでも話題となりましたが、当時のT・レックス人気はもの凄いものがありました。
この年には初来日を果たし、日本武道館などで公演しています。

ザ・スライダー - The Slider
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タンクス - Tanx
前作があまりにも煌びやかだったこともあり、落ち着いた感じがするアルバムです。
原因のひとつには「ブロークン・ハーテッド・ブルース」や「レフト・ハンド・ルーク」といった素晴らしいスローバラードが入っていてその印象が強いからかもしれません。

タンクス - Tanx
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ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー
この時期、T・レックスは低迷期を迎えていました。
トニー・ヴィスコンティがプロデュースした最後の作品にして、オリジナル・メンバーとしても最後となった作品です。
ひとつの時代が終わろうとしているといった印象を受けます。

ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー - Zinc Alloy And The Hidden Riders Of Tomorrow Or A Creamed Cage In August
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地下世界のダンディ - Dandy In The Underworld
「ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー」の頃から、どっぷりと低迷期に入ってしまったT・レックス。
「ブギーのアイドル」、「銀河系よりの使者」とコンスタントにアルバムを発表していますが、どうしてもグラム・ロック終焉とともにT・レックスも終わってしまうのかという感が拭えませんでした。
しかし、そんななかメンバーも一新して心機一転、起死回生のアルバムを発表します。

地下世界のダンディ - Dandy In The Underworld
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このアルバムで、人気・評価は徐々に持ち直しつつあったのですが、残念ながら発売の年に自動車事故で亡くなってしまいます。
しかし、いつ聞いても全盛時のT・レックスはキラキラとしていて素晴らしいですね。