プログレの巨星、ピンク・フロイド

オリジナル・メンバー
プログレことプログレッシブ・ロックを代表するバンド「ピンク・フロイド」。彼らが作り出した音楽は勿論すばらしいのですが、アートワークも最高です。
アルバム・ジャケットを手掛けているのはデザイン集団「ヒプノシス」で、バンドのロジャー・ウォーターズとシド・バレットの高校時代からの友人であり、ヒプノシスのリーダーであるストーム・ソーガソンです。
ピンク・フロイドの成功と比例してヒプノシスもまた名声を高めていくことになります。
では、ピンク・フロイドのアルバムと併せてアルバム・ジャケットも見ていきましょう。
The Piper At The Gates Of Dawn

夜明けの口笛吹き
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【アルバム・デザインのこと】
サイケデリックというのを人物を使って表現するとこんな感じになるんでしょうかね。
日本のバンド「ミッシェル・ガン・エレファント」がシングルのジャケットでパロディをやっています。

ミッシェル・ガン・エレファント/ベイビー・スターダスト
A Saucerful Of Secrets

神秘
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【アルバム・デザインのこと】
これは素晴らしいデザインですね。とても綺麗で深みがあります。
前作に比べると大きく飛躍していると感じます。
但し、まだ技術的にデザインが上手いという領域ではないでしょうか。これ以降どんどん独自の領域というか、追随出来ない世界へと向かう、その扉を開く前の作品といえそうです。
Ummagumma

ウマグマ
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【アルバム・デザインのこと】
小さな写真では分かりにくいですが、左上にある額の中の写真、レイアウトはそのままにメンバーがポジションを入れ替えながら永遠に続いています。
アルバム・ジャケットの中にアルバム・ジャケットがあり、またその中にアルバム・ジャケットが…。
ウマグマというアルバムを、ピンク・フロイドというバンドをなんとも上手に表現してますね。
Atom Heart Mother

原子心母
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【アルバム・デザインのこと】
とても印象的なジャケット・デザインですし人気も高いのですが、なぜ牛なのかよく分かりません。
当時話題になっていた、ポップ・アーチストのアンディ・ウォーホルが作成した作品にインスパイアされたとのことです。

アンディ・ウォーホル 「牛の壁紙」
Meddle

おせっかい
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【アルバム・デザインのこと】
アルバムのジャケット・デザインとタイトルは、1971年8月の来日時の滞在ホテルで、バンドのメンバーがブレインストーミングを行い決定したそうですが、ジャケット・デザインに関しては、ピンク・フロイドとヒプノシスともに出来栄えに満足しなかったそうです。。。
The Dark Side of the Moon

狂気
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【アルバム・デザインのこと】
ヒプノシスのデザイナーのストーム・ソーガソンが幾つかのアイディアをメンバーに提示したところ、全員一致で光のプリズムを表現したデザインに決定したそうです。
アルバム同様、このジャケットもまたロック史に残る名作となりました。
Wish You Were Here

炎〜あなたがここにいてほしい
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【アルバム・デザインのこと】
右側の炎に包まれている男性、実はマネキンで実際に火をつけて撮影しています。
現在であれば炎を加工することは簡単に出来てしまいますが、当時はそういうわけにはいきません。実写するしかなかったのです。だからこそ写真に緊張感が出るのかもしれませんね。
因みに、発売当時アルバム・ジャケットは真っ黒なビニールに覆われていました。
Animals

アニマルズ
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【アルバム・デザインのこと】
写真では見えにくいですが、煙突の横に浮かんでいるもの、これ巨大な豚(風船)です。実際に長さ12メートル程の巨大な豚の風船を飛ばして撮影を行っています。
アルバム・ジャケットにこれだけの予算と時間をかけるなんてスゴイですね。

ロジャー・ウォーターズ時代のメンバー
実は、ジャケット・デザインに関してメンバーのロジャー・ウォーターズとヒプノシスはもめてしまいます。
バンドはロジャー・ウォーターズの独裁体制となっていたこともあり、影響力が強かったのでしょう。ロジャー・ウォーターズは、アニマルズのアルバム・ジャケットのクレジットに、デザイン:ロジャー・ウォーターズと記載させてしまいます。
これを機に、ヒプノシスはピンク・フロイドから手を引くことになります。
但し、ロジャー・ウォーターズがピンク・フロイドを脱退した後は、ヒプノシスのリーダーだったストーム・ソーガソンが復帰し、ピンク・フロイドが解散するまで関係が続きました。