視聴者のクレームで放送禁止・中止・自粛に追い込まれるテレビCM
ネット社会の現在、なんでもかんでも批判・炎上の対象となり、すぐに放送禁止もしくは自粛に追い込まれるテレビCMが多い。
だが、実は視聴者のクレームによってかなり前から放送休止などになったCMはかなり昔から多く存在している。
1975~1999年に放送禁止・自粛に追い込まれた懐かしいテレビCMの中から代表的なものを一挙紹介。
ハウス食品『シャンメン』私作る人、僕食べる人
1975年に放送されたハウス食品のインスタントラーメン「シャンメン」 のCMで「私作る人、僕食べる人」のキャッチフレーズが婦人団体から「女性蔑視」とクレームがあった。
きっかけは婦人会会員の娘が「テレビのCMのせいで、男の子が給食当番をやらなくなった」と家で話したことだったという。
ハウス側は「作る人に愛情がプラスされると、ラーメンがより美味しくなるということを伝えたかった。差別的意図はない」と否定したが、2か月後に打ち切られた。
ケンミン食品『ケンミンの焼きビーフン』
1980年代にかけてケンミン食品が制作した焼きビーフンのテレビCMで、薄暗い路地裏でしゃがみ込んでいる男子と女子の表情が気味悪く演出されていることから子供を中心に嫌悪感を覚える視聴者が相次いだ。
また、焼きビーフンの詳しい商品説明がなかったことも批判とクレームの対象となったという。
放送中止になることなく長きにわたって放送されたが、ケンミン食品はこのCM以降、CM制作自体は続けているが大々的な放送はしていない。
政府広報 覚醒剤防止キャンペーン『母と子』
1982年に政府広報が制作・放送した覚醒剤防止キャンペーン「母と子」のCM。
泣きじゃくる幼児の横で母親が覚醒剤を打った直後に倒れ、その後画面が暗くなって子供だけが残り、母親を呼びながら泣き叫ぶという内容に対して「怖すぎる」、「やりすぎ」、「見ていて不快」といったクレームが多発し、その後打ち切りとなった。
アサヒビール ビアカクテル『Be』
1983年から放送されたアサヒビールのビアカクテル「Be」のテレビCMで、飲料カラーをイメージした赤や青などのスプレーで着色された3匹のネコが登場。
だが、動物愛護団体から「動物虐待だ!」とクレームが付き、やがてCMは中止となった。
サントリー缶ビール(パピプペンギンズ)
1983年から1984年にかけて放送された、サントリー缶ビールのCM(歌:松田聖子『SWEET MEMORIES』)内のペンギンのキャラクター「パピプペンギンズ」。
ビールのイメージキャラクターだったが愛らしい風貌で小学生・中学生・高校生を中心に未成年者にも人気があった。
クローズドキャンペーンでのグッズプレゼントが行われ、缶ビールに付いているシールを送る応募方式で、そのグッズ欲しさに多くの未成年者が同製品を購入する光景や、缶ビールを持ったペンギンと『SUNTORY CAN BEER』のロゴの付いた文具類を未成年者が持っている事に、学校やPTAや保護者などが「ビールにこのようなキャラクターを使用し続ければ、未成年の飲酒を助長しかねない」と問題視し、サントリーはパピプペンギンズのCMを取りやめた。
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