「パラダイス キス」とは?

「パラダイス キス」、通称「パラキス」とはファッション雑誌「Zipper」(ジッパー)に1999年5月から2003年5月まで掲載されていた矢沢あい先生の漫画です。りぼんマスコットで連載されていた「ご近所物語」の続編になりますが、「パラダイス キス」だけを読んでも楽しめるストーリーになっています。
ファッション誌に掲載されていたことから、漫画の中の衣装のお洒落度はかなり高く、15年以上経った今読み返しても全く古さを感じません。アジアやヨーロッパなど世界各国で翻訳され販売されていて、その人気は世界レベルです。
またアニメ化もされていて、2005年10月から12月までフジテレビ系列で放送されていました。主人公の早坂紫の声を山田優が担当したことでも話題になっていました。
矢沢あい先生の略歴
矢沢あい先生は1967年3月生まれで兵庫県出身です。1985年に「あの夏」で漫画家としての活動を開始、りぼんマスコットコミックスから「15年目」や「ラブレター」「マリンブルーの風に吹かれて」「天使なんかじゃない」「ご近所物語」など数々の作品を発表しています。2002年、漫画雑誌「Cookie」に掲載していた「NANA -ナナ-」で第48回小学館漫画賞を受賞しています。
2009年、大人気漫画「NANA -ナナ-」の連載中に病気療養のため休載を発表していて、現在も「NANA -ナナ-」は未完となっています。
「パラダイス キス」あらすじ

主人公の早坂紫(ゆかり)は進学校の高校3年生です。受験のためだけに勉強する退屈な日々を過ごしていましたが、街で永瀬嵐に「モデルをしてほしい!」と声をかけられ、嵐たちが服作りに使っているアトリエに招待されます。
最初は反発していた紫ですが、嵐や実和子、そしてジョージたちの服作りに対する情熱や真剣な気持ち、生き方に次第に共感していき、彼らのショーモデルになることを引き受けます。やがてモデルになるという自分の夢を見つける紫ですが、お互いに惹かれあうジョージとの恋愛と夢との間で迷いながら自分の進む道を決める…というお話です。
作中でのショーとは、ジョージたちが通う「矢澤芸術学院」、通称ヤザガクで毎年11月に行われる学園祭のことで、服飾科ではファッションショー形式で作品を披露します。
矢澤芸術学院(通称ヤザガク)は実際にあるの?!

ジョージや実和子たちが通っている矢澤芸術学院、通称ヤザガクは服飾デザイン科、インテリアデザイン科、ビジュアルデザイン科、工芸デザイン科の4つのコースに分かれています。午前中は英語や体育など一般授業が行われ、午後からはそれぞれが専攻している専門コースの授業をみっちり行います。その校風や先生たちのリアルな描写から、「パラダイス キス」の前作「ご近所物語」連載当時から「ヤザガクは実在する学校なのでは?」と話題になりましたが、実際には実在していません。
ただ作者の矢沢あい先生自身が大阪モード学園に在籍していたことがあるため、ヤザガクは大阪モード学園をモチーフにしているのではないかと言われています。
「パラダイスキス」に登場する個性豊かなキャラクターたち

矢沢あい先生の描く漫画では、個性的で愛すべきキャラクターが多数登場しています。漫画を読みすすめていくうちに、それぞれのキャラクターの過去や未来といった人生が見えてきて、さらに感動に深みを与えてくれるのです。
「パラダイス キス」にも愛すべきキャラクターがたくさん登場しています。「ご近所物語」の続編なので、「ご近所物語」からのファンにはたまらない設定が目白押し!今回はそんな「パラダイス キス」の登場人物をご紹介します。
早坂紫(はやさか ゆかり)

主人公の早坂紫は進学校の清栄学園に通う高校3年生です。受験勉強に追われる日々でしたが、嵐に声をかけられたことがきっかけで、ヤザガクに通う「パラダイス キス(パラキス)」のメンバーのショーモデルを引き受けます。実和子やイザベラからは「キャロライン」「キャリー」と呼ばれています。同級生の徳森浩行に片思いしていましたが、次第にパラキスのジョージに惹かれやがて相思相愛になります。
無事にショーをやり遂げ、やがて「モデル」という自分の夢をも見つけますが、仕事が順調に行くにつれ、やがてジョージとすれ違い別れてしまいます。ジョージから送られてきた鍵の場所へ行くと、そこにはこれまでジョージが作った洋服や小物が全て揃っていました。ジョージの残した洋服を励みにモデルとして成功を収め、28歳には徳森浩行と婚約しています。
小泉譲二(こいずみ じょうじ)

通称はジョージで、矢澤芸術学院の服飾科三年生です。日本語の名前で呼ばれるのを嫌っています。青い髪と青い眼が特徴で、ドSの俺様キャラですが作る洋服はとても繊細でゴージャス。小さい頃から洋服作りが好きでその才能は高く評価されていますが、独特の世界観を持っているため商用向きではないと自覚していますが、在学中にオリジナルブランド「パラダイス キス」を立ち上げています。ヤザガクのファッションショーの参加者に選ばれ、実和子、嵐、イザベラとチームを組み、嵐が連れてきた紫に一目ぼれして恋に落ちます。やがて紫とお互いの為に別れますが、ヤザガク卒業後はデザイナーになるためイザベラとパリに渡ります。
父親は大企業の社長、母親は元モデルで愛人のため母親姓を名乗っています。
櫻田実和子(さくらだ みわこ)

矢澤芸術学院の服飾科三年生。父親はカメラマンの櫻田広彦、母親は人気少女漫画家の櫻田留里子で前作「ご近所物語」の主人公、実果子の妹です。嵐、浩行と幼馴染で「ご近所物語」最終巻に三人が子供の頃のエピソードが掲載されています。両親が海外出張中のため、姉の実果子夫婦の家に居候しています。幼馴染2人の間で揺れていましたが、嵐と恋人となります。
ヤザガク卒業後は姉のブランド「Happy Berry」に就職し、10年後には嵐と結婚してエリカという娘がいます。
永瀬嵐(ながせ あらし)

矢澤芸術学院の服飾科三年生。実和子、浩行と幼馴染で前作「ご近所物語」に登場していた神埼リサの息子です。幼い頃から実和子に想いを寄せていて、浩行と距離が出来た時に実和子と恋人関係になります。ジョージの「パラダイス キス」に参加して縫製を担当しています。ヤザガク卒業後はヤザガクOBのメンズデザイナーのアトリエに就職し、10年後には実和子と結婚してエリカという嵐に似た娘がいます。
山本大助(やまもと だいすけ)

矢澤芸術学院三年生、通称イザベラ。ジョージとは小学校からの同級生で、小さい頃から自分の性に違和感を持っていました。小学校三年生の時にジョージにその悩みを打ち明けたところ、手作りのドレスと帽子をプレゼントされます。「夢はジョージのデザインのパターンをひくこと」で、紫と別れた後、単身でパリに渡るジョージに一緒についていきます。
上田という名前の執事のことを「セバスチャン」と呼んでいます。
徳森浩行(とくもり ひろゆき)

紫の同級生で清栄学園の三年生。実和子、嵐と幼馴染でもあります。前作「ご近所物語」に登場していた実果子たちのお兄さん的存在である徳ちゃんこと徳森浩昭の息子です。密かに紫に片思いしていて、紫が家出をして学校を休んでいる間も常に心配していました。実和子の「お腹が痛くなる病気」を治したくて医者を目指し、10年後実際に医者になり紫と婚約しています。
アニメ版「パラダイス キス」
主人公、早坂紫の声を山田優が担当して話題になりました。
アニメ版主題歌はTommy february6
オープニング主題歌はTommy february6の8枚目のシングルで「Lonely in Gorgeous」です。
実写版映画は北川景子主演!
実写版「パラダイス キス」は2011年6月に北川景子と向井理主演で公開されました。「20代の女性が2010年観たい邦画ランキング」第1位、初日から2日間で興収2億415万1,700円、動員15万5,746人になり映画観客動員ランキングで初登場第2位になる大ヒット作となりました。
映画のストーリーは途中まではほぼ漫画原作通りですが、ラストシーンは原作とは違うオリジナルになっています。
実写版映画の主題歌はYUI
主題歌はYUIの「Hello」です。
実写版映画のエンディングテーマは「You」です。切ない歌声が映画とマッチしていました。
実写版で気になるイザベラ役は…この俳優さんでした!

「パラダイス キス」が実写化される!と聞いた時に、一番気になったのはイザベラ役だったのですが、何と五十嵐隼士さんが熱演されていました!