『THEビッグオー』(first season: 1999年10月13日 - 2000年1月19日・WOWOW)

『THEビッグオー』(first season: 1999年10月13日 - 2000年1月19日・WOWOW)
ウルトラセブンのような映像、R・ドロシー・ウェインライトはアンナ隊員のようにと注文をしたら、そのまんまじゃないの!ちょっとパクリ過ぎじゃないの!な映像が出来上がってしまったそうです。
かっこいいので、ギリギリセーフ!にしてあげたかったですが・・・
さらにQUEENの「フラッシュ・ゴードン」のテーマ曲のようにしてと注文してたので、えっ・・そのまんますぎじゃないの!な曲になってしまったという話。
注文の仕方も考えないといけませんね。
まあ、パクリでなく、オマージュであるということにしておきましょう。
『THEビッグオー』は60年代から70年代の特撮をかなり意識してオマージュしている作品です。
『THEビッグオー』の登場人物は、主人公のロジャー・スミスをはじめとして謎多き人物だらけである。過去や正体について不明な点が多い。

ロジャー・スミス(Roger Smith)

R・ドロシー・ウェインライト(R. Dorothy Wayneright) ロジャー・スミスの頼もしいパートナー。アンドロイドです。

エンジェル(Angel) 実は物語の鍵を握っている存在
ビッグオー(Big-O) 「ショータイム!」「アクション!」という掛け声がこの話はショーなの?という予感をさせます・・・

ビッグオー(Big-O)
ドミュナス(操縦者)がザ・ビッグ(ロボット)を操るとき「(機種名)、ショータイム!」、動かすには「(機種名)、アクション!」と言いますが、「ショータイム!」「アクション!」という表現は、エンタテインメントの舞台(撮影現場)であることを、やはり想起させます(後述)。
『THEビッグオー』の世界は、もしかすると「エンタテインメントのショーや舞台」に関連する話なのではないか?と勘のいい人は思ったことでしょう。

「THE BIG-O (ザ・ビッグオー) (バンダイ メカニックコレクション No.01 ) プラモデル」

THE BIG-O (ザ・ビッグオー) プラモデル
first seasonでは謎に包まれた世界への明確な説明も無く、主要な登場人物の過去や正体については最後まで曖昧なまま未完で終わる。
『THEビッグオー』は、ネゴシエイターとして働く男、ロジャー・スミスが記憶を失った街「パラダイム・シティ」の謎に迫る話だが、first season(当初の全13話)では、ほとんどの謎は全然解明されずに終わった。伏線の回収も全くなされないまま未完成で終わる。

ロジャー・スミスは記憶を失った街「パラダイム・シティ」の謎を何も解けずに終わった。

first season(当初の全13話)ではの最後では、海の向こうから異国のメガデウスが出現する。
『THEビッグオー』(second season: 2003年1月 - 2003年4月) この解決編でも多くの部分で視聴者の解釈に委ねられる結末を迎えた。

『THEビッグオー』(second season: 2003年1月 - 2003年4月)
どのオチでも「パラダイム・シティ」は40年ごとにリセットされて消滅する。それを永遠にループし続ける設定になっていると思われます・・・

「パラダイム・シティ」は誰かが造った作り物の舞台に過ぎない

エンジェルは、ビッグ・ヴィヌスを覚醒させ、パラダイム・シティを消滅させリセットする役割を持つ。

エンジェルが駆るビッグ・ヴィヌスは、パラダイム・シティのすべての存在を無に帰す、消滅させる能力を持つ。

ビッグ・ヴィヌスは神のような異常な設定。
登場人物の全員が、不誠実な語り手です。誰の話も信用ができない。ゴードンの語る話もどこまで本当なのか分からないのです。

初代パラダイム社社長のゴードンの語る話もどこまで本当なのか分からない。みなが断片的なことを語っているだけであり、話が事実かも不明。
登場人物の全員が記憶が断片的であり、失われた記憶です。誰の話も信用性が低い。もっとも真実を知っていると思われるゴードンの語る話もどこまで本当なのか分からないのです。
そのため、「パラダイム・シティ」が誰かが造った作り物の舞台であることが判明しても、非常に多くの謎が残ります。
最終回までに提供された情報(その情報が事実かは不明)で推論すると、以下のような可能性はあると思います。いくつか出してみます。
『THEビッグオー』はアンドロイドが出演している『メトロポリス』という名前のリアリティショー(番組)もしくは特撮番組だろうという可能性
記憶を失った街「パラダイム・シティ」の物語は劇中劇のリアリティ番組という可能性

『メトロポリス』の著者は「Angel Rosewater」(エンジェル・ローズウォーター)と書かれている。

劇中劇の番組『メトロポリス』の監督者・著者「Angel Rosewater」(エンジェル・ローズウォーター)と思われる女性

記憶を失った街「パラダイム・シティ」の物語は劇中劇のリアリティ番組もしくは特撮番組『メトロポリス』であることを可能性として示すシーン

涙を流すエンジェル。ロジャも出現するが・・・現実側にエンジェルの他にロジャーもいるのか?それとも幻か?
ロジャー・スミスなど登場人物は、すべてアンドロイドの役者であり、キャラクター設定上に必要とされる記憶しか持たされていない可能性が高い。

主人公のロジャー・スミスが量産化されたアンドロイドであることを示す描写

R・ドロシー・ウェインライトというアンドロイドのキャラクター設定とモックアップ人形のように見える描写

ロジャーの馴染みの情報屋「ビッグイヤー」もアンドロイドだった
『THEビッグオー』は人間が演じている特撮番組の劇中劇を見せていた可能性

『THEビッグオー』は人間が演じている70年代風の特撮番組の劇中劇を見せていた可能性

1970年代の特撮テレビ番組『スーパーロボット レッドバロン』をオマージュしています
「パラダイム・シティ」の物語は著者「Angel Rosewater」(エンジェル・ローズウォーター)が脚本した劇中劇に過ぎず、その劇中劇の『メトロポリス』は特撮番組か何かに過ぎないというオチ。
この場合、すべての舞台やロボットも特撮のセット、CG か何か、登場人物は全員ただの人間の役者である。すべての演出は特撮技術で表現されている。
人間の役者が演じている登場人物たちは、番組設定上はアンドロイドであるということになります(全員がアンドロイドであるとは言えない。誰が人間で、誰がアンドロイドかは特定できない)。
THEビッグオーに出てくるロボットは70年代の特撮がオマージュされている造形です。これは劇中劇がもし特撮番組であり、その番組製作スタッフが特撮系だったら、登場するロボットやメカが70年代の特撮系の造形であるというのは、非常に自然なつながりです。
「パラダイム・シティ」を舞台にした『メトロポリス』はアンドロイドの開発と性能をテストするための軍隊プロジェクトやシミュレーション環境の可能性もある
『THEビッグオー』は、オチや結末は別として、SF作品、ロボットアニメとして、面白い作品だと思っています。戦闘シーンも好きでした。
『メトロポリス』という本は、アンドロイドやロボットの開発プロジェクトの極秘情報かもしれない。
「パラダイム・シティ」という特殊な舞台で、様々な役割を持たされた多様なアンドロイドたちの行動や活躍を観察することを通じて、アンドロイドやロボットの性能を実施テストし、さらにアンドロイドの開発を進化させる。
「パラダイム・シティ」はアンドロイドとロボット兵器の開発推進のためのテスト環境もしくはそういう軍隊の閉鎖空間におけるシミュレーション環境かもしれない。
「パラダイム・シティ」=シミュレーション環境。こういう可能性も面白いのではないでしょうか。
一番最悪のオチとしては、すべては『メトロポリス』の著者「Angel Rosewater」(エンジェル・ローズウォーター)の妄想劇に過ぎないという可能性もある
登場人物が全員、不誠実な語り手であり、決定的な回答が出ないこの話の場合は、誰かの夢オチや妄想オチも、おおいにありえます。
映像的にも現実、過去の記憶、妄想や夢、劇中劇が混ざりこみ、はっきりとした現実との境目が分かりにくいタイプの作品は、夢オチや妄想劇な可能性も否定できません。
記憶を失われた街といった舞台や人物の設定も謎が多く、内容自体が、もともと、かなり仮想現実的な内容なので、どこまでが妄想や夢で、どこまでが現実か分離しにくいタイプのお話。
一般的には「妄想シーン」の挿入や妄想オチは、たいてい、サイコ系(人格破綻)キャラクターだったり、心理的にかなり追い込まれた不安定な心理状況のキャラクターが現実と妄想や夢の違いが分からなくなるような展開の中で見るものです。
『THEビッグオー』の中の「劇中劇」のシーン。

撮影スタジオのセット

撮影スタジオのセット

物語シーンに見えるが・・・

物語の中に挿入されている劇中劇のシーン

劇中劇であることを示す撮影セット・・・そして「パラダイム・シティ」自体も劇中劇。
『THEビッグオー』という物語(劇中劇)のリセット

物語をリセットすることができる存在であるエンジェルをガイドするゴードン・ローズウォーター

別空間との入り口のような描写=現実世界と劇中劇のクロスオ-バー的なシーン?

この作品は、劇中劇と現実がクロスオーバーしていて、視聴者をまどわせます。

最後の戦い。R・ドロシー・ウェインライトがビッグオーのファイナルステージを起動させる。

ビッグオーのファイナルステージの攻撃。強力な光線を発射する。

ビッグ・ヴィヌス=神のような存在。ビッグ・ヴィヌスは「パラダイム・シティ」を消滅させリセットする存在。
舞台をこのような形でリセット・消滅させる流れだと
『THEビッグオー』は、劇中劇の作り物・特撮番組(何でも演出可能)でした・・・というオチが一番分かりやすい。