「うっちゃれ五所瓦」とは
マンガ「うっちゃれ五所瓦」は、1988年から「少年サンデー」で連載された、高校相撲マンガです。かつては名門と言われた武蔵山高校相撲部ですが、現在は三年生の五所瓦角(ごしょがわら かく)がただ一人の部員ということで、来年は廃部が決定しています。一度でいいから団体戦を戦ってみたいと考えた五所瓦が、仲間を探し、仲間と一緒に団体戦を戦う姿を描いています。まっすぐに相撲に向き合う五所瓦と、その姿に共感して助っ人となっていく仲間たち、対戦相手のライバルや悪役監督なども登場して、相撲を知らない読者たちを惹きつけ、平成元年小学館漫画賞を受賞しています。
「うっちゃれ五所瓦」のあらすじ
「うっちゃれ五所瓦」の登場人物

五所瓦 角(ごしょがわら かく)
うっちゃれ五所瓦 1 | 小学館

清川 薫(きよかわ かおる)
うっちゃれ五所瓦 (2) (小学館文庫) | なかいま 強 | 本 | Amazon.co.jp

関内 孝之(かんない たかゆき)
うっちゃれ五所瓦 (4) (小学館文庫) | なかいま 強 | 本 | Amazon.co.jp

難野 一平(なんの いっぺい)
うっちゃれ五所瓦 3 | 小学館

雷電 五郎(らいでん ごろう)
うっちゃれ五所瓦 5 | 小学館
田門 泰造(たもん たいぞう)
黒島高校相撲部主将で、過去2年優勝している高校横綱です。五所瓦と対戦してその実力を認めていますが、冷酷で残忍な性格から、部長とともに「ダーティコンビ」と呼ばれていて、精神的に相手を揺さぶるような手段を選ばないところもあります。他の高校の大将クラスが団体戦メンバーに揃っています。
神田 八十次(かんだ やそじ)
黒島高校の数学教師で相撲部監督です。選手の育成能力や対戦相手の分析など、監督としての能力はありますが、勝つために手段を選ばないところがあり、団体戦のために個人戦でケガをさせるように指示をするなど、教育者としてはいかがなものかと思わざるを得ない人物です。
長谷川 清(はせがわ きよし)
武蔵山高校柔道部部長、柔道5段で国体優勝経験もあるらしい実力者です。教え子を信頼し、清川の意思を尊重して、柔道部から送り出します。こういう指導者が個人的には理想です。
その他にも、杉田工業高校の丙馬一郎(ひのえうまいちろう)や、和樽高校のアルゼンチンからの留学生アントニオ・マルセロなど、個性的な対戦相手がたくさん登場します。
そして、観客の声援や驚き、感嘆の声が、読者の共感を呼びながら、試合をより盛り上げていきます。
五所瓦の活躍を知ったOBや、雷電が所属していた囲碁部の仲間たちの応援もあり、一試合ごとに成長していくチームに、感動とともに声援を送ります。
「うっちゃれ五所瓦」の魅力とは
うっちゃれ五所瓦の魅力は、何と言っても五所瓦のまっすぐに努力していく姿と、その気概に打たれた部員たちが真剣に勝負に取り組む姿です。自分の持てる力を駆使して、優勝を目指していくなかには、「これはないでしょう」と思えるものもありますが、ただの根性物語ではなく、ギャグに笑いながらも青春に涙する感動的なシーンもあり、相撲を知らなくても純粋に楽しめます。
これだけ無茶苦茶やっているのだが、根底にはスポーツに対するひたむきさが流れており読後にはすがすがしさを感じる。 まさに相撲漫画、スポーツ漫画の隠れた名作。
http://ameblo.jp/teperou/entry-10026275999.html寝る前に読むマンガ9 「うっちゃれ五所瓦 全12巻」なかいま強|ROCKな生き方
「うっちゃれ五所瓦」の感想を見ていると、やはり「ひたむきさ」や「すがすがしさ」という言葉が目立ちます。今の時代には、少し恥ずかしく感じてしまうような純粋さというものも、五所瓦の大事な要素かもしれません。
「うっちゃれ五所瓦」の熱さに感動

五所瓦の硬派ぶりに感動する難野
マイ フェイバリットコミック - TEEDA hair日常 blog

武蔵山高校相撲部のメンバー
笑って笑って相撲が好きになる マンガ「うっちゃれ五所瓦」

柔道を辞め、相撲部に入部する清川
2014年05月20日の記事 | ありふれた人生

怪力ぶりを発揮する五所瓦
懐かしの相撲漫画「うっちゃれ五所瓦」が面白い | あぼかどブログ

反則負けとなった難野
マイ フェイバリットコミック - TEEDA hair日常 blog

弱いながらもできることをやろうとする雷電
うっちゃれ五所瓦 | ありふれた人生

ライバル田門との対決
漫画「うっちゃれ五所瓦」ライバル対決、大相撲甚句で実現…!?: 北脇貴士の大相撲甚句

団体戦について語る五所瓦
2014年05月20日の記事 | ありふれた人生
団体戦は5人で戦うため、五所瓦と清川、関内が勝てば次に進めます。雷電と難野は負けてもともとの雰囲気がありますが、とにかく勝ちたい一心で必死に戦います。観客の実況中継的な声援に笑いながら、感動している自分を発見して、新鮮な気持ちになる事ができます。この熱さや一生懸命さが、昭和のマンガの良いところなのかもしれません。
「うっちゃれ五所瓦」の作者、なかいま強

わたるがぴゅん
わたるがぴゅん!: 感想(評価/レビュー)[漫画]

黄金のラフ
黄金のラフ―草太のスタンス (2) (ビッグコミックス) | なかいま 強 | 本 | Amazon.co.jp
ちばあきお(ちばてつやの弟、「キャプテン」の作者)のアシスタントをしていました。中学野球の「わたるがぴゅん!」、高校相撲の「うっちゃれ五所瓦」のほかにも、「黄金のラフ」でプロゴルフの世界を描きました。
自身が高校まで野球に熱中していたことも影響しているのか、熱い情熱的なマンガが印象的です。
レスリング出身の相撲選手も実在!
レスリング出身とはいえ、さすがに関内のようなバックドロップはありませんが、珍しい決まり手なのは事実のようです。
相撲の反則技をコミカルに演じる初っ切り
福祉大相撲や巡業先ではおなじみの「初っ切り」ですが、本番の勝負ではありえないことばかりです。初っ切りを見るたびに、難野の取り組みを思い出します。
五所瓦のモデルも実在の相撲選手

右:五所瓦のモデルになった選手、左:同期だった中学時代の横綱若乃花
漫画「うっちゃれ五所瓦」ライバル対決、大相撲甚句で実現…!?: 北脇貴士の大相撲甚句
中学時代に同期だった、横綱「若乃花」の花田勝さんと一緒の写真です。企業の相撲部監督になりました。筋肉質なところと顔つきが、確かに五所瓦に似ているようです。
田門のモデルとなった選手も

前列中央:田門のモデルになった選手、前列左:五所瓦のモデルになった選手
漫画「うっちゃれ五所瓦」ライバル対決、大相撲甚句で実現…!?: 北脇貴士の大相撲甚句
マンガの中ではライバル高校の主将としての対決でしたが、モデルとなった方は三鷹相撲クラブの代表を務めています。マンガのような冷酷な人物ではありませんし、国体少年の部では同じ東京代表で、チームメートとして共に戦ったようです。
「うっちゃれ五所瓦」のすすめ
「うっちゃれ五所瓦」は、優勝した五所瓦たちのところに、入部希望の1年生がやってきて、廃部を免れるという結末で終わっています。
災害や紛争など、様々な混乱が多い今の時代、ひたむきに果敢に向かっていく五所瓦たち武蔵山高校相撲部の姿は、弱気になりそうな自分を応援してくれる、元気になれる作品です。ぜひ一度読んでみてください。