あすなひろしの画力
今作のおかしみは、テンポや躍動感も含めた、あすな氏の画の巧さにほかなりません。
べた塗りの黒に白い修正液で線を入れる、、なんて手抜き(じゃなくてふつうの漫画はそうなんですがf^^;)のやり方はしません。学ランやスーツの黒に一本入った白い線、、そういった画も、もとより細い線の部分を抜いて黒く塗りつぶしてあるのです。なんと繊細精緻な仕事!
レタリングの書き文字も専門のプロ以上の技。吹き出しのなかの文字も原稿にきっちりと写植顔負けの文字が列んでいたといいます。
人物もギャグタッチからシリアスな雰囲気まで、自在に、それも同じ人物を場面々々で微妙に変えて、、というのは、すでに見ていただいた通り、、
見ての通り、静物も精緻なタッチ、人物もどのスタイルで描いても魅力的ですが、
あすな氏の描く動物たちのまた可愛いこと!
彷徨の人、あすなひろし
彷徨の中途で、、
少女漫画から始まって、青年誌、少年誌と場がどこであっても、その技量を惜しみなく注いだ、あすな氏ですが、その作品は読み切りがほとんどで単行本は決して多くはありませんし、発行部数が少なくて入手困難なものも多々あります。
「青い空を、」のあとも作品は決して目にふれやすいかたちではありませんでした、、88年にコミックトムに掲載された(このころ、漫画仕事はもうトムだけにかぎっていたそうです。田舎の漫画少年だった筆者は当時知らなかった!)「林檎も匂わない」、、それ以来あすな氏の新作が読まれることがないまま、2001年、氏の訃報を聞きます。