終わりなき非(?)日常〜 漫画「究極超人あ〜る」

終わりなき非(?)日常〜 漫画「究極超人あ〜る」

85年から87年、週刊少年サンデーに連載された漫画「究極超人あ〜る」。ある種画期的な、時代の雰囲気を負っていた作品だと思うのですが、皆様どう見られるでしょうか。


第1巻、表紙

奇妙なはずだが違和感はない

85年、人気作品「ふたり鷹」は4年間続いた連載に終止符を打ったものの、看板作品の一つ「タッチ」も佳境、こういった作品を中心に充実した時期の週刊少年サンデーに、月刊の同誌増刊号で活躍していた漫画家ゆうきまさみが新連載を始めました。
それが今回ご紹介する「究極超人あ〜る」でした。

高校、文科系クラブが舞台、、

物語は、東京と思しき(後に練馬区であることが作中に出てきます)街の私立春風高校、その高校の「光画部」(一般にいうところの写真部)が舞台です。
、、文科系クラブが舞台。当時はめずらしかったですねえ。
でも、先行に写真漫画がなかったではないですね。写真勝負のはずなのにアクション漫画になってるやつとか、パンチラを狙うエロ写真漫画とか、、^^; さて、こちらの「あ〜る」はどうだったかといいますと、、

右下のコマ、下:鳥坂先輩
光画部部長 押しが強くて偉そうで好戦的。某生徒からは「息抜きの合間に人生やってる」と^^

左下から2番目のコマ:大戸島さんご
部員 天真爛漫な女の子。なぜか俊足。小学生扱いされることもある幼児体型

左下のコマ:堀川椎子「シイちゃん」
副部長 部のことをちゃんと考えている唯一の存在。「光画部のお母さん」

右上のコマ、右:あさの
      左:きしだ
いずれも部員

右下のコマ、上:たわば先輩
OB。だが、現役部員と同じくらい部にいる

こういった面々が部の撮影旅行で山に来ておりますと、
池から自転車で(!)出てきた珍妙な学ラン男、「R・田中一郎」と名乗ります。
彼に振り回され、どっと疲れ果てる光画部部員たち。
後日、さんごとシイちゃんのクラスに1学期の終業式だというのに転校してきたのは、、(ここは昔の漫画の定番^^)彼、R・田中一郎だったという展開が第一話です。

R・田中一郎
常に学ラン下駄履き。人よりワンテンポもツーテンポも、、というか独自のペースで、周囲を脱力させる。
自転車「轟天号」に乗り、なぜか白米に異常ともいえる執着を、、(というかf^^;)

さて、ところでこの面々ですが、さっぱり写真を撮る気配はなく、
夏休みでも部室にたむろしダラダラと、、あるいは三角ベースやプール遊びに興じるばかりです。
毎回べつだんハナシもなにもありません。毎度、(主に鳥坂先輩とRの)非常識な行動に周りが振り回されるという、、ギャグ漫画なわけですね^^
しかしギャグといっても、なんぞ決めギャグがあるでなし、、
当時の読者層が理解できるかどうかという古いネタが出てきたりして(轟天号ってねえ、、f^^;)、

こんな

のとかですね、、^^

まあ、それがそこはかとなく可笑しかったりもするわけでした、、

衝撃の真実!、、になぜかならない^^

鳥坂先輩が強面のウサギと対峙したり、Rが自転車で池から飛び出してきたり、そういった「漫画的表現」はあるわけですが、作中たいして現実離れしたことは起きません。超能力者やら悪の組織やら主人公らの使命やらが出てくるわけでもありません。
Rがバスケットボール部に闖入して超人的シュートを何連続も決めますが、、

どうも人間離れしていると思ったら、
Rくんはロボットだったのです!

(ロボットと言うと、「アンドロイドだよ」とRくんに頼りなく反論されますが、、f^^;)

と、いう衝撃の真実が判明しても、
この反応の面々、、f^^;;

学友がロボットという衝撃の非日常が明かされても、ゆるい反応、、
(バスケット部に取られそうなRを、「こんなおもしろいものほかのクラブにやってたまるか!」と、たわば先輩が強引に光画部部員にしただけでした(いまさら^^))
実際、次の回には何事もなかったかのように、また相変わらずのおハナシ(というか日常)が続くのでした、、

終わりなき(非?)日常

そうなのです。この作品は、高校生ら(一部OB^^;)が部室で日々だらだらと、部活に燃えるでなし何大会を目指すでなし、なにかかくべつ事件が起こるでなし、
日常を過ごすだけの漫画なのでした。
そこではRがロボット(「アンドロイドですよ」f^^;)だったことなんて非日常でもなんでもなく、やはり日常が続くのでした、、(いささか非常識ではありますがf^^;)
だいたい、ロボット、、いやアンドロイドといっても、エネルギー源は白米のみにかぎられ、頭の回転も人並み、計算も手と足の指を使って十進法でという、「人間なみの能力を持った」実に「よくできた」アンドロイドですしね、、f^^;

登場人物たちとほぼ同年代の筆者らも、同じような日々を(同級生にロボットはいませんでしたが、たぶん^^;)過ごしておりましたね。文科系といわず、万年弱小みたいなゆるくてぬるい体育会系みたいなんは、同じような日々の同世代がけっこういたのではないでしょうか。
80年代的雰囲気ともいえますし、オタク的雰囲気ともいえるかも知れません^^

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