古谷一行の金田一耕助シリーズ 『横溝正史シリーズI』(1977年の連続テレビドラマ)

古谷一行の金田一耕助シリーズ 『横溝正史シリーズI』(1977年の連続テレビドラマ)

金田一耕助を演じた俳優は大勢いますが、多くの人の記憶に残っているのは、1970年代後半に放映された「横溝正史シリーズ」に登場した古谷一行さんが演じる金田一耕助ではないだろうか。古谷一行さんの金田一耕助は、とても人間的で、親しみやすいキャラクターであることが印象的でした。シリーズは高視聴率を記録し「金田一といえば古谷一行」というイメージが定着しました。横溝正史シリーズIの全6作品のまとめです。連続殺人のムゴイ画像(映画版よりはマイルドです)も多々ありますので、お食事中の方はご注意ください。


古谷一行の金田一耕助シリーズ 『横溝正史シリーズI』(1977年の連続テレビドラマ)

横溝正史シリーズI(1977年)

第1作 「犬神家の一族」
第2作 「本陣殺人事件」
第3作 「三つ首塔」
第4作 「悪魔が来りて笛を吹く」
第5作 「獄門島」
第6作 「悪魔の手毬唄」

横溝正史シリーズI 第1作 「犬神家の一族」(1977年4月2日から4月30日・全5回)

『横溝正史シリーズI・犬神家の一族』は、TBS系列で1977年4月2日から4月30日まで毎週土曜日22:00 - 22:55に放送された。

テレビドラマ版において金田一耕助を最も多く演じている古谷一行が初めて金田一役を演じたのが本作であり、初放映時の最高視聴率は40パーセントを超えた。

昭和2×年2月、那須湖畔の本宅で信州財界の大物・犬神佐兵衛(いぬがみさへえ)が莫大な遺産を残して他界したが、遺産の配当や事業相続者を記した遺言状は、長女松子の一人息子佐清(すけきよ)が戦地から復員してから発表されることになっており、一族は佐清の帰りを待つところとなっていた。

佐兵衛は生涯に渡って正妻を持たず、それぞれ母親の違う娘が3人、皆婿養子をとり、さらにそれぞれに息子が1人ずついたが、お互いが反目し合っていた。

同年10月、金田一耕助は犬神家の本宅のある那須湖畔を訪れた。犬神家の顧問弁護士を務める古館恭三の法律事務所に勤務する若林豊一郎から、「近頃、犬神家に容易ならざる事態が起こりそうなので調査して欲しい」との手紙を受け取ったためであった。どうやら若林は佐兵衛の遺言状を盗み見てしまったらしいが、耕助と会う直前に何者かによって毒殺されてしまう。

そんな中、戦地で顔に怪我を負ったためゴムマスクを被った姿で佐清が帰ってきた。佐兵衛の遺言状は古館弁護士によって耕助の立ち会いのもと公開されることになるが、その内容は
「全相続権を示す犬神家の家宝“斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)”の三つを、野々宮珠世(佐兵衛の終世の恩人たる野々宮大弐の唯一の血縁、大弐の孫娘)に与えるが、珠世は佐清、佐武、佐智の佐兵衛の3人の孫息子の中から、配偶者を選ぶものとする」
というものであった。

3姉妹の仲はいよいよ険悪となり、珠世の愛を勝ち得んとしての争いが始まる一方、佐清は偽者の嫌疑をかけられ、手形(指紋)確認を迫られることとなる。そんな中、佐武が生首を「菊」人形として飾られて惨殺され、犬神家の連続殺人の幕が開く。

(出典:Wikipedia「犬神家の一族」)

横溝正史シリーズI 第1作 「犬神家の一族」

古谷一行さんの演じる金田一耕助。初放映時の最高視聴率は40パーセントを超えた。すごいです。

犬神松子(佐兵衛の長女)役:京マチ子

佐清さんの白いお面自体は、映画版よりもキモイ

偽佐清

この顔がつぶれた男が本物の犬神佐清(松子の息子)なのか?

本物の犬神佐清

復員服の男の正体は?

あばれはっちゃく(1979年)の逆立ちして、ひらめいた!は、年代的には古谷一行の金田一耕助シリーズより後なので、参考にしているのかもしれない。

古谷一行の金田一耕助シリーズのお約束のポーズの逆立ち

犬神家の連続殺人の幕が開く

佐武が生首を「菊」人形として飾られて惨殺される

犬神佐智(梅子の息子)は廃墟の中で死体となって発見される。

偽佐清=青沼静馬

テレビドラマ版も、これは名物。一体だれの死体なのか?

本物の佐清(演:田村亮)は母親をかばうが・・・

[怖い画像多数あり]石坂浩二の金田一耕助シリーズ[犬神家の一族(1976年)][悪魔の手毬唄(1977年)][獄門島(1977年)]のまとめ - Middle Edge(ミドルエッジ)

横溝正史シリーズI 第2作 「本陣殺人事件」(1977年5月7日から5月21日・全3回)

『横溝正史シリーズI・本陣殺人事件』は、TBS系列で1977年5月7日から5月21日まで毎週土曜日22:00 - 22:55に放送された。全3回。
毎日放送、映像京都製作。

横溝正史シリーズI 第2作 「本陣殺人事件」

岡山県の旧本陣の末裔・一柳家で長男の一柳賢蔵(演:佐藤慶)」と久保克子(演:真木洋子)の婚礼が行われた。

その晩の明け方近く、夫婦の寝室である離れから悲鳴と激しい琴の音が響き渡る。
夫婦の寝室である離れに引き上げた2人が日本刀で惨殺された。

しかし婚礼を挙げた二人が密室の離れで惨殺された・・・

足跡の残っていない庭の中央に凶器の日本刀が突き刺さっているのが見つかった。

密室トリックの謎には中盤で気づくが、動機の解明に手間がかかった。

難解な密室殺人事件に金田一耕助が挑む!

警察による捜査の結果、結婚式の直前に顔を隠し手袋をした3本指の男が一柳家を訪れ、賢蔵に「君のいわゆる生涯の仇敵」と署名した復讐遂行を示唆する手紙を託したこと、および「生涯の仇敵」と書かれた男の写真が賢蔵のアルバムにあったことが判明し、さらに日本刀についていた指紋と2日前に3本指の男が駅前で水を飲んだコップとの指紋が一致したため、3本指の男がその「生涯の仇敵」であり、犯人であると目される。しかし、夢遊病が疑われる鈴子が式の前夜に死んだ愛猫の墓に参っていたときに出くわしたと証言した以外、その足取りがつかめなかった。
(出典:Wikipedia「本陣殺人事件」)

3本指の男は事件に関わりがあるのか

金田一シリーズの犯人は最後に自殺するパタンが多いが、今回の犯人は最初から自殺していた・・・自作自演。動機は潔癖すぎ・封建的すぎて現代では共感しにくい

水車に結びつけてあった糸に引かれて、凶器の刀は雨戸上部の欄間より外に出、幹に刺さった鎌で糸を切られ、地面に刺さるという仕掛けなのであった。事件のたびに琴が鳴らされたのは、糸が切れるときに琴のような音が鳴ってしまうことをカムフラージュするためであった。

密室事件のトリック

横溝正史シリーズI 第3作 「三つ首塔」(1977年5月28日から6月18日・全4回)

『横溝正史シリーズI・三つ首塔』は、TBS系列で1977年5月28日から6月18日まで毎週土曜日22:00 - 22:55に放送された。全4回。

原作のあらすじ

13歳のときに両親を亡くし、伯父の某私立大学文学部長で英文学者である上杉誠也にひきとられた宮本音禰(みやもとおとね)は、昭和30年9月17日、突然、遠縁に当たる佐竹玄蔵老人の百億円に近い財産を、高頭俊作という見知らぬ男と結婚することを条件に譲られることになっていることを告げられる。
その1ヵ月後の10月3日。上杉伯父の還暦祝いの夜に、連続殺人の最初の事件が起こる。

(出典:Wikipedia「三つ首塔」)

横溝正史シリーズI 第3作 「三つ首塔」

原作とは違い、遺産の額が百億円ではなく十億円となっている。

高頭俊作という見知らぬ男と結婚することを条件に佐竹玄蔵の十億円の財産を相続するという条件。

宮本音禰(ヒロイン)役:真野響子

相続条件の相手である肝心の高頭俊作が殺されてしまう。やはり!

そのイザコザの中で、なんと、高頭五郎に宮本音禰はやられてしまいます。なんと!

やられてしまった五郎にだんだん惹かれていく音禰。ええっ。

相続候補が殺されていく中、音禰と五郎は殺人容疑をかけられて逃げ出し、「三つ首塔」なるものを探す旅に出るのだった。

実は高頭五郎の正体は・・・

高頭五郎役:黒沢年男

佐竹の一族の人間はあるものは麻薬に溺れ、あるものは近親相姦、あるものは同性愛と放埓で淫乱で道徳観念がまったくといっていいほど欠如していた。

ボンドのゴールドフィンガーを思い出すなあ。

エログロな金粉ショー

相続人たちの正体(本性)

佐竹由香利(演:佳那晃子)と義父の鬼頭庄七(演:小池朝雄)のSMショー

佐竹玄蔵老人が、かつて死に追いやった2人の男と自らの合せて3人の首を供養するために建てたという蓮華供養塔「三つ首塔」

「三つ首塔」の守り人の法然(演:殿山泰司)

法然(演:殿山泰司)と、古坂史郎(演:ピーター)と佐竹由香利(演:佳那晃子)は三角関係。
法然(演:殿山泰司)と古坂史郎(演:ピーター)がホモ。

この悪党たちは、仲間割れで自滅。野原の小屋で由香利と史郎が絞殺死体で発見される。

彼らは真犯人ではない。では犯人は誰?

音禰の夢の中に古坂史郎(演:ピーター)と佐竹由香利(演:佳那晃子)が出てきて殺されそうになる。

意外な結末

音禰は恋人の男性の傷の手当をするうち、彼が高頭俊作であることを知る。高頭俊作と名乗って殺された男は従兄弟の五郎で遺産と音禰を狙い何者かに殺害されたのだった。

高頭俊作は正体を隠して音禰を守っていたのだが、最初に強引にやっちゃうのはなあ。。正体が俊作だというのはバレバレでした。

音禰と俊作は暗闇の穴の中で結婚し、後に金田一耕助に救い出される。

ハッピーエンド。

高頭五郎の正体は高頭俊作だった。ヒロインを守るダークヒーロー。

犯人は最後に焼身自殺する。

音禰を独り占めしたいほど愛するがゆえの犯罪。血はつながっていない養父とはいえ、ロリコン。

今回は、随分と死人が出ています。

音禰(ヒロイン)の養父であり最も信頼する人間の上杉誠也役(演:佐分利信)は音禰を独り占めしたいほど愛していた・・・

三つ首搭(古谷版): 『ブタネコのトラウマ』 Blog版

横溝正史シリーズI 第4作 「悪魔が来りて笛を吹く」(1977年6月25日から7月23日・全5回)

『横溝正史シリーズI・悪魔が来りて笛を吹く』は、TBS系列で1977年6月25日から7月23日まで毎週土曜日22:00 - 22:55に放送された。全5回。
毎日放送製作。

昭和二十二年の正月も過ぎたある日、東京、銀座の宝石店。天銀堂で衛生局員を名乗る男によって十人が毒殺されるという強盗殺人事件が発生した !

生存者の証言によるモンタージュ写真から、容疑は元子爵椿英輔にかけられた。実は捜査本部に英輔の密告状が届いていたのだ。当時邸に住んでいたのは、妻秋子と一人娘の美弥子、秋子の伯父、玉虫公丸、兄の利彦一家と主治医、目賀重亮、それに乳母や書生の三島東太郎ら十二人。皆の証言は、事件当日、英輔は箱根行きで一致していた。日和警部の執拗な尋問に、英輔は ?!
(出典:ファミリー劇場「横溝正史シリーズ 悪魔が来りて笛を吹く」)

横溝正史シリーズI 第4作 「悪魔が来りて笛を吹く」

椿家当主、元子爵。フルート奏者。約半年前に43歳で自殺。

椿英輔(元子爵)役:江原真二郎

椿美禰子(英輔の娘)役:檀ふみ

兄の新宮利彦が妹の秋子を犯して産ませた子が三島東太郎。

英輔の遺書にあった耐えられない屈辱・不名誉とは、自分の妻の「椿秋子」と「新宮利彦」の関係のこと。

実の兄妹の「椿秋子(英輔の妻)役:草笛光子」と「新宮利彦役:長門裕之」の関係は・・・

新宮利彦が駒子(妙海尼)に産ませた小夜子は自殺していた。

恋人だった小夜子と三島東太郎は、異母兄妹だったのだ・・・父親は「新宮利彦」。

三島東太郎(椿家の書生)役:沖雅也

古谷一行演じる金田一耕助は残った全員の前でトリックを解明する。

彼や小夜子の運命をつくった者たちに復讐したのだ。

三島東太郎は「悪魔が来りて笛を吹く」を演奏して見せた。

横溝正史シリーズI 第5作 「獄門島」(1977年7月30日から8月20日・全4回)

『横溝正史シリーズI・獄門島』は、TBS系列で1977年7月30日から8月20日まで毎週土曜日22:00 - 22:55に放送された。全4回。毎日放送製作。

終戦から1年経った昭和21年9月下旬。金田一耕助は、引き揚げ船内でマラリアで死んだ戦友・鬼頭千万太(きとう ちまた)の死を知らせるため、千万太の故郷・瀬戸内海に浮かぶ、獄門島へと船で向かっていた。金田一は、千万太が息絶える前に残したある言葉が気に掛かっていた。
「俺が生きて帰らなければ、3人の妹たちが殺される…」

千万太は金田一が戦前、本陣殺人事件を解決した探偵であることを知っていて、来るべき事件のために自分の故郷に赴くように頼んだのだ。同じ船には、戦争に供出されていた千光寺の釣鐘が島に無事に戻り、千万太のいとこである一(ひとし)の戦地での無事の情報も聞かれた。

獄門島は封建的な因習の残る孤島で、島の網元である鬼頭家は、本鬼頭(ほんきとう)と分鬼頭(わけきとう)に分かれ対立していた。千万太は本鬼頭の本家、一は分家であった。
本鬼頭家には、美しいがいまだ幼子のような千万太の異母妹3人と、同じく美しくしっかりした一の妹の早苗がいたが、当主である千万太の父は発狂して座敷牢に入っていたため、千光寺の和尚・了念、村長の荒木、医者の幸庵が後見人となっていた。

金田一が千万太の死を告げた後、正式な公報も入ったので千万太の葬儀が行われた。その夜、3姉妹の三女の花子が行方不明となった。了念和尚の指示で捜索が行われたが見つからない。捜索に協力していた金田一は寺へ戻る途中、先を行く和尚の提灯の火を追って歩いていたところ、先に境内に入った和尚があわてて金田一を呼びつける。寺の庭では花子が足を帯で縛られ梅の古木から逆さまにぶら下げられて死んでいた。金田一は和尚が念仏を唱える中「きちがいじゃが仕方がない」とつぶやくのを耳にし、和尚は発狂した千万太の父を犯人と思っているようだが、それなら「きちがいだから」であるべきはずで、なぜ「きちがいじゃが」なのかといぶかる。

次の日、金田一は逗留させてもらっている千光寺で、千万太と一の祖父で本鬼頭の先代・嘉右衛門の書いた3句の俳句屏風を目にする。「むざんやな 冑(かぶと)の下の きりぎりす」「一つ家に 遊女も寝たり 萩と月」の2句は読めたが、残りの1句が判読できなかった。

千万太の言ったとおり残る2人の姉妹も危ないことを悟った金田一だが、不審人物として駐在所の牢に入れられてしまい、その間に次の殺人が起こってしまう。今度は3姉妹の次女の雪枝が首を絞められて釣鐘の中に押し込まれていたのであった。牢に入れられていてアリバイがあるため釈放された金田一は現場に赴き、そこで和尚が「むざんやな」の句をつぶやくのを聞く。金田一は釣鐘をてこの原理で持ち上げる方法を実演してみせた後、復員兵の海賊が島に潜入したとのことで県警本部からやって来た磯川警部と再会する。

花子が殺された日、何者かが屋敷や寺に侵入した形跡があり、それが海賊かつ殺人犯人ではないかと目されたため山狩りが行われることとなり、金田一も参加する。そこで床屋から、3姉妹の母のお小夜は「道成寺」が得意な旅役者だったのを与三松が見初めて後妻にしたのだが、先代の嘉右衛門と折り合いが悪く狂死。その後、与三松もおかしくなったため座敷牢に入れられたのだということを聞きとる。その直後に発見された復員兵は何者かに頭を殴られて死ぬ。早苗はその男が兄の一かもしれぬと思って助けるようなことをしていたのだが別人であった。同じ夜、通夜をしている本鬼頭家では、祈祷所で3姉妹の長女の月代が白拍子姿となり母から伝授されたという祈祷を行っていたが、家の者が確かめに行くと首を絞められて殺されており、そこには萩の花が蒔かれていた。

謎を追求する金田一は、雪枝が殺された日、雪枝が押し込められていた場所と違う場所に釣鐘を見たという話を聞く。さらに月代がこもった祈祷所を先代が「一つ家」と呼んでいたことを聞かされる。金田一はそれで月代の死が「一つ家に」の句の見立てであると知り、読めなかった屏風の句が「鶯(うぐいす)の身を逆(さかさま)に初音かな」であること、そして3姉妹はすべて屏風の句の見立てで殺されたことを知る。金田一は獄門島の人間は気がちがっていると興奮しだすが、その瞬間ある重大な謎が解ける。
金田一はこの事件に先代の影が濃いことから、分鬼頭の当主・儀兵衛に話を聞く。そこで嘉右衛門が見立て遊びを好んだこと、孫息子を2人とも戦争にとられ、忌み嫌っていたお小夜の血が残っている本鬼頭の将来を憂い、島の3長老的な和尚、医者の幸庵、村長に何かを託したこと、また彼らも嘉右衛門に同情的だったこと、さらに彼らが以前から金田一を知っていたことなどを聞き取る。

金田一は磯川警部立会いのもと和尚に面談し、そこで一連の殺人事件の真相を語る。花子(と復員兵)は和尚、雪枝は村長、月代は幸庵に殺されたのであり、殺人方法も含めすべては死んだ嘉右衛門の差し金によるものであった。出征した千万太が死亡すれば、気の狂った与三松とその子供である3姉妹が本鬼頭を継ぐことになるが、嘉右衛門は3姉妹の誰が跡を継いでも本鬼頭の家はつぶれてしまうことを心配し、また3姉妹の母親であるお小夜に対する憎悪も手伝って、千万太が死に一が帰ったときには一に本鬼頭の家を継がせたいと考えた[1]。和尚は、そのために邪魔になる3姉妹の殺害を、嘉右衛門が死の直前に自分たち3人に依頼したこと、その実行条件は千万太が死に一が帰ったときであったこと、「むざんやな」に使う釣鐘が戦時物資として供出させられているため嘉右衛門が指定する殺人方法は成立しないと安易に考えていたところに、釣鐘が帰ってきたので実行したことなどを語る。金田一はすべてが明らかになった後、前夜に村長が島から逃亡したことと幸庵も面談の前に発狂したことを知らせ、さらに一の生存が嘘(復員詐欺)であったことを告げたため、和尚はその場でショック死する。金田一は残された早苗に「一緒に東京に行かないか」と思いを伝えるが、早苗は本鬼頭を継ぐ意志を固めていたため断られ、ひとり島を去る。

(出典:Wikipedia「獄門島」)

横溝正史シリーズI 第5作 「獄門島」

鬼頭月代(千万太の妹)/	梶原 恵
鬼頭雪枝(千万太の妹)/	立枝 歩
鬼頭花子(千万太の妹)/	萩奈穂美

鬼頭三姉妹

鬼頭早苗(千万太の従妹)役:島村佳江

俳句を用いた見立て殺人が連続で起こる

本鬼頭の先代・嘉右衛門の書いた3句の俳句屏風。姉妹はすべて屏風の句の見立てで殺された。

俳句を用いた見立て殺人

この作品では「きちがいじゃが仕方がない」を「きがかわっているが仕方がない」という言い回しにして禁止用語を回避している。

「鶯(うぐいす)の身を逆(さかさま)に初音かな」 花子は千光寺境内で梅の木に逆さ吊りされた無惨な死体

雪枝が首を絞められて釣鐘の中に押し込まれていた

「むざんやな 冑(かぶと)の下の きりぎりす」

祈祷所で3姉妹の長女の月代が白拍子姿となり母から伝授されたという祈祷を行っていたが、家の者が確かめに行くと首を絞められて殺されており、そこには萩の花が蒔かれていた。

「一つ家に 遊女も寝たり 萩と月」

犯人(企画・実行者たち)

テレビ版の犯人は原作通り。嘉右衛門さんの死の直前に、枕元に了然和尚、荒木村長、幸庵の3人を集めて色紙を渡している場面・・・

横溝正史シリーズI 第6作 「悪魔の手毬唄」(1977年8月27日から10月1日・全6回)

『横溝正史シリーズI・悪魔の手毬唄』は、TBS系列で1977年8月27日から10月1日まで毎週土曜日22:00 - 22:55に放送された。全6回。

毎日放送・大映京都・映像京都 脚本:田坂啓 監督:森一生
撮影がかなり進行した時点で急遽放映の1回延長が決定。そのため最終回脚本が2回分に書き直され、謎解き部分が非常に丁寧な作品となっている。

昭和30年7月下旬、金田一耕助は1か月ばかり静養できる辺鄙な田舎を探して、岡山県警に磯川常次郎警部を訪ねた。磯川警部は耕助に、岡山と兵庫の県境にある寒村、鬼首村(おにこうべむら)[1][2]の温泉宿「亀の湯」を紹介する。磯川の話では、23年前の昭和7年、亀の湯の女主人・青池リカの夫である青池源治郎が殺害され、犯人と目される詐欺師・恩田幾三はいまだに行方不明だという。

亀の湯に滞在した耕助は、リカの息子の歌名雄、リカの娘・里子、村の有力者・仁礼嘉平、庄屋の一族の末裔・多々羅放庵らと顔を合わせる。美男子で歌が上手い歌名雄は村の人気者。旧家、由良家の娘で美人の泰子と交際していたが、嘉平の娘・文子はそれに嫉妬していた。ちょうどその頃、村の若者達の間では、村出身の人気歌手・大空ゆかりが里帰りするという噂で持ちきりとなっていた。実はゆかり(本名:別所千恵子)は、恩田が村の鍛冶屋の娘・別所春江に産ませた子供で、幼少時は「詐欺師で人殺しの子供」として周囲から迫害されていた。

一方、耕助は親しくなった放庵から、手紙の代筆を頼まれる。昭和7年、放庵の元を出奔した彼の5人目の妻・おりんが、復縁を求めてきたのだという。放庵の口述どおり、耕助は復縁を受け入れる手紙を書く。

耕助が亀の湯に滞在して2週間ほど経った8月10日。用事で山向こうの総社の町に向かう途中の耕助は、放庵の5番目の妻、おりんと名のる老婆と峠道ですれ違う。ところが、着いた先の総社の町で宿屋の女将・おいとから、おりんは昨年、すでに死んでいると聞かされる。驚いた耕助とおいとは放庵の草庵を訪ねるが、そこには放庵やおりんの姿は無く、来客があったことを伺わせる二人分の稲荷寿司の皿や濁酒の杯とともに、微量の吐血の痕が残されているのみだった。

8月13日、里帰りしたゆかりを囲んでの、村総出の歓迎会が催される。ところが、ゆかりの元同級生として歓迎会に出席するはずの泰子が見当たらない。夜を徹した山狩りの末、泰子は村内の滝つぼの中で絞殺死体となって発見される。遺体の口には、なぜか漏斗が差し込まれていた。滝の水が崖の途中に置かれた枡を満たした後、漏斗に注がれるような状態になっていた。

泰子の通夜が行われた晩、今度は仁礼家の娘・文子が行方不明となり、翌朝に村内の葡萄酒工場の中で絞殺死体となって発見される。遺体の腰には竿秤が差し込まれ、秤の皿には正月飾りに使われる作り物の大判小判が置かれていた。
耕助や警察、村人が奇妙な姿の遺体に悩む中、泰子の祖母・五百子は村に古くから伝わる手毬唄を皆に歌って聞かせるのだった。

(出典:Wikipedia「悪魔の手毬唄」)

横溝正史シリーズI 第6作 「悪魔の手毬唄」

青池リカ(亀の湯の女将)役:佐藤友美

青池歌名雄(リカの息子)役:高岡健二

カネボウキャンペーンガールとしてブレイクしたばかりの初々しい19歳の夏目雅子さん。

別所千恵子(歌手大空ゆかり)役:夏目雅子

昔から伝わる手毬歌のの歌詞になぞらえた見立て殺人

由良泰子(敦子の娘)役:渡井直美が殺される

映画版に比べてテレビ版は、猟奇的な殺人演出がなくマイルドな演出になっている。

仁礼文子(嘉平の娘)役:新海百合子が殺される

犯人はゆかり(演:夏目雅子)を殺すはずだったが、青池里子(演:池波志乃)を殺してしまう・・・

犯人は自殺してしまう

実は「青池源治郎」は「詐欺師・恩田幾三」と同一人物である。ここが最大のポイント。

リカの夫の青池源治郎は、恩田幾三という偽名で詐欺行為を働くとともに、3人の女性と関係を持ち、それぞれに女の子を一人ずつもうけていた。それが泰子・文子・ゆかりの3人である。

詐欺師・恩田(=リカの夫である青池源治郎)は殺された女性たち(泰子・文子・里子)とゆかりの父親である。

青池歌名雄(リカと青池源治郎の息子)とこれらの女性たちは、父親は一緒の「異母兄妹」なのである。そのため息子の歌名雄と女性たちを結婚させるわけにはいかない。というのが殺人の動機であった。

実の娘の里子を殺してしまい悲しむ青池リカ

犯人は自殺してしまう

母親が犯人だった青池歌名雄を励ますゆかり。二人は異母兄妹であった。

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開催直前!TOKYO MX開局30周年記念「昭和100年スーパーソングブックショウ」が10月16日に迫る。古舘伊知郎と友近がMC、豪華ゲストと共に贈る一夜限りの昭和ベストヒットに期待高まる!


ギタリスト 鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブを東阪ビルボードで開催!

ギタリスト 鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブを東阪ビルボードで開催!

ギタリスト 鈴木茂が、『鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブ~Autumn Season~』を11月13日にビルボードライブ大阪、16日にビルボードライブ東京にて開催する。今回は、1975年にリリースされた1stソロアルバム「BAND WAGON」の発売50周年を記念したプレミアム公演となる。


【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

2025年(令和7年)は、1965年(昭和40年)生まれの人が還暦を迎える年です。ついに、昭和40年代生まれが還暦を迎える時代になりました。今の60歳は若いとはと言っても、数字だけ見るともうすぐ高齢者。今回は、2025年に還暦を迎える7名の人気海外アーティストをご紹介します。