作家・沢木耕太郎による紀行小説『深夜特急』
『深夜特急』は、作家の沢木耕太郎さんが“インドからロンドンまでをバスで旅する”という名目で海外に飛び立った体験を元に書いた紀行文です。
産経新聞に途中まで連載された後、1986年5月に1巻・2巻(第1便・第2便と称す)が、1992年10月に最終巻(第3便)が新潮社から刊行されました。また、1994年には新潮文庫から6冊に分冊化される形で出版もされました。

『深夜特急』沢木 耕太郎 (新潮社)

『深夜特急』 沢木 耕太郎 (新潮文庫)

深夜特急マップ
『深夜特急』あらすじ

作家・沢木耕太郎
『深夜特急』は、バックパッカー達のバイブルに!

刊行後、色褪せる事のない最高のノンフィクションとして、バックパッカーの間でいわばバイブル的に扱われるようになり、1980~90年代の日本における“個人旅行”流行の一翼を担いました。
良くも悪くも『深夜特急』を読んだことで旅の魅力にとりつかれ、会社員という安定路線の人生を捨て、旅に出た人も多いと聞きます。
もちろん芸能人にも『深夜特急』の虜となった人がいます。
『深夜特急』に影響を受けた芸能人

松嶋尚美(お笑いタレント、元オセロ)

斎藤工(俳優)
テレビドラマ版『深夜特急』
旅を愛する若者たちのバイブルとして圧倒的人気を得た大ベストセラー『深夜特急』は、ドキュメンタリードラマ『劇的紀行 深夜特急』として映像化もされました。小説より先にドラマを見たという方も結構いらっしゃるのではないでしょうか!?

『劇的紀行 深夜特急』 (1996年-1998年)

主演は大沢たかお

共演は松嶋菜々子

回を追うごとに大沢たかおさんが“本物の旅人”になっていく様は必見
恋人が出てきたり、原作にはないエピソードもちらほらと見られますが、このドラマ版もこれはこれでとても良く出来た見応えのある作品に仕上がっていました。

原作である小説とは違う描かれ方も
深夜特急 - Wikipedia
【小ネタ】日本のロケ地情報

大沢たかおが出発前に日本で仲間たちとワイワイ話をする場面に出てくるのは新宿三丁目の老舗「どん底」

ドラマ『劇的紀行 深夜特急』が放映された1996年頃は旅ブーム!?

20代の出国者数・出国者率ともに1996年がピーク!
1996年頃は、海外へ旅に出る若者が多い時代でした。
ドラマ『劇的紀行 深夜特急』放映の影響はもちろん、他にもテレビの影響がまだまだ大きかった時代でもあったと思います。
「タイは、若いうちに行け。」

「タイは、若いうちに行け。」
これらの一連のCMによってタイが若者でも楽しめる旅行先と認知されるようになったのは、誰もが認めるところでしょう。
そしてこのCMがはじまった翌年の1996年、さまざまな無茶に挑戦したテレビ史上類を見ない伝説のバラエティ番組『進め!電波少年』で、猿岩石による過酷なヒッチハイク旅がはじまりました。
お笑いコンビ・猿岩石の「ユーラシア大陸横断ヒッチハイク!」

『進め!電波少年』最大のヒット企画となった「猿岩石のユーラシア大陸横断ヒッチハイク」

実は『進め!電波少年』のプロデューサーだった土屋敏男氏も『深夜特急』のファンだった
伝説の極悪P(土屋敏男元プロデューサー)が語る『電波少年』秘話とテレビの未来 | 賢者の知恵 | 現代ビジネス [講談社]
【電波少年】過酷な試練を乗り越えた彼らはいずこへ。ヒッチハイクをした人たちの今。 - Middle Edge(ミドルエッジ)
『深夜特急』を全巻読んだ人必見!続編ともいえる『旅する力』
作者・沢木耕太郎の“一人でも多くの人にバックパッカーとなって欲しい”との願いによるエッセイ『旅する力―深夜特急ノート』が“最終便”として2008年11月に刊行されました。(2011年には文庫本化)
レビュー(Amazon)
沢木耕太郎が1年半の放浪の旅に出る経緯、『深夜特急』の書かれた背景や執筆するにあたって躊躇したことなどが綴られています。
http://www.amazon.co.jp/%E6%97%85%E3%81%99%E3%82%8B%E5%8A%9B%E2%80%95%E6%B7%B1%E5%A4%9C%E7%89%B9%E6%80%A5%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B2%A2%E6%9C%A8-%E8%80%95%E5%A4%AA%E9%83%8E/dp/410123518X旅する力―深夜特急ノート (新潮文庫) | 沢木 耕太郎 | 本 | Amazon.co.jp
『深夜特急』の魔力に取り憑かれた人は大勢いることでしょう。今見返しても色褪せない本当に素敵な作品です。
もしまだ読んだことがない方はぜひ、そして読んだことがある人も久しぶりに『深夜特急』を読んでみてはいかかでしょうか?
おそらく旅に出たくなりますよ♪