
デビューから無敗でのG1制覇
エルコンドルパサーのデビュー戦はダート
2戦目もダート、この2戦の勝ちっぷりもすさまじく
ダートでも頂点に立てたのでは?と思うくらいである。
重賞初挑戦は芝の共同通信杯だったが、雪でダートに変更
ここも危なげなく勝利をし、初めての芝はNHKマイルカップの
トライアル、ニュージーランドトロフィー、同世代の強者が揃った
このレースも一番人気で快勝、芝でもやれるということを見せつけると
G1のNHKマイルカップでも人気に応えて勝利する。
土付かずの5連勝で春のシーズンを終えたのであった。

1998年ニュージーランドトロフィー
【最強ヒストリー】エルコンドルパサー 写真ギャラリー | 【おウマの玉手箱】 | スポーツナビ+
初黒星と世代の頂点へ
休養明けのエルコンドルパサーは、秋の毎日王冠から始動する。
ここにはグランプリホースのサイレンススズカと前年の2歳チャンピオン
グラスワンダーとの3強対決と言われ、さらにサイレンススズカは今年無敗
グラスワンダーとエルコンドルパサーも無敗の連勝街道を続ける
まさに世紀の一戦だった。レースはサイレンススズカの逃げ切り勝ち
エルコンドルパサーは好位を進んだものの2着敗退
初めての黒星となるとともに国内での最初で最後の黒星でもあった。
次走はマイルチャンピオンシップとジャパンカップという2つの選択肢が
あったが、ジャパンカップを選択、2000メートル以上は未経験のエルコンドルパサー
だったが、3番人気に支持され、レースはエアグルーヴに2馬身半差をつける
圧勝だった。このレースがこの年の最後のレースとなり
年度代表馬はタイキシャトルに譲ったものの、二冠馬のセイウンスカイや
ダービー馬のスペシャルウィークを抑え、最優秀3歳牡馬に選ばれた。
そして、翌年は海外遠征を目標とすることになった。
海外での躍進
エルコンドルパサーは長期滞在でヨーロッパへ海外遠征を行うこととなった。
凱旋門賞を最終目標とし、現地のレースを使っていくというローテーションである。
復帰戦はイスパーン賞、1番人気に支持されるものの、2着惜敗、しかし海外での
手応えをつかみ、続く伝統あるG1サンクルー大賞では、サガミックスやボルジアなどの
並みいる強豪を抑え、海外G1勝利となった。ヨーロッパで活躍する日本馬として
エルコンドルパサーの名は揺るぎないものとなったのである。
価値ある2着
秋になり、エルコンドルパサーは凱旋門賞の前哨戦、フォア賞も快勝し
堂々主役として凱旋門賞に挑むこととなる。人気はモンジューに譲ったものの
エルコンドルパサーは堂々の2番人気、日本馬による快挙に誰もが期待した。
ゲートが開くとエルコンドルパサーは逃げの体勢に入った。
最後の直線で他馬を突き放し、日本競馬の悲願が達成されるかと思われた。
しかし、モンジューが強襲し、エルコンドルパサーは差し返す力を見せたものの
半馬身差の2着惜敗。競馬は1着の馬だけが讃えられるのだが、この時は
勝ち馬が2頭いたと言われ、また、日本競馬にとっても世界の扉が見えた
価値ある2着だった。

引退式
エルコンドルパサーは凱旋門賞をラストランとし、ジャパンカップ当日に
引退式を行った。ジャパンカップにはスペシャルウィーク、モンジュー、ボルジアなどが
出走し、まるでエルコンドルパサーの引退を祝うかのようなメンツであった。
もう一戦走ってほしいというファンの思いもあったが、引き際の良さもまた
名馬の証と言えるのかもしれない。

年度代表馬
その年は一度も走っていないエルコンドルパサーだったが、年度代表馬に
選出された。スペシャルウィーク、グラスワンダーよりも評価されての
選出だけに、価値ある受賞と言えるだろう。それほど海外での活躍が
評価できるものだったのである。
1999年度JRA賞年度代表馬選考 - Wikipedia
種牡馬として
残念ながらエルコンドルパサーは7歳という若さで亡くなってしまい
産駒は3世代しか残せなかった。その中でもヴァーミリアンや
アロンダイト、菊花賞を勝利したソングオブウインドなどの
活躍馬を出した。同じキングマンボを父に持つキングカメハメハが
あれだけの活躍をしているのだから、もし、エルコンドルパサーが
今も種牡馬でいたらと思うと非常に悔やまれる早世である。
顕彰馬
エルコンドルパサーは常に顕彰馬選出の際にトップの投票数を集めていた。
しかし、得票率が規定に満たず、なかなか顕彰馬として選出されなかった。
ここでもスペシャルウィークの前に立ちはだかったのである。
しかし、2014年、JRA60周年を記念し、記者投票数が一人4票まで増え
エルコンドルパサーは規定の票数に達し、見事に顕彰馬に選ばれた。
G1の数ではスペシャルウィークやアグネスデジタル、ダイワメジャーなどには
及ばないが、それでもエルコンドルパサーが評価されるのは、海外での
成績が後を押しているとともに彼の能力の高さを誰もが感じ取って
いたからだろう。
平成26年度顕彰馬の選定について