そのストーリー、銀河規模!

語らずとも触れるだけで心を通わせるちからを持った人々が暮らす、音楽あふれる平和な星「エプシロン」。そして、この星の住民は、いくつかの特別な楽器を使うことで、遠く離れていた場所にいる人々にも思いを伝えられたという。
ただ一人を除いては・・・。
この物語の主人公「ミロン」は、この星で唯一、言葉でしか思いを伝えられず、伝達する楽器も扱えない特別な人間であった。しかし、人々はそんなミロンを特別視などせず、同じ民として心より受け入れていた。

そんなある日、突如どこからともなく現れた「魔人マハリト」が、数多の魔獣を率いて、この星の特別な楽器を全て奪い去ってしまう。
あまつさえ、この星の王女「エルシラ」を自身の居城「ガーランド」へ幽閉してしまうのであった。
人々は魔人マハリトの魔力と従える魔獣たちになす術もなく、挑めども打ちひしがれていった。
そう、ただ一人を除いては!
ミロンはこの星で、言葉でしか心を伝えられず、楽器も扱えない唯一の特別な存在。
それは、得てして魔人マハリトの魔力と魔獣たちに対抗できる能力を宿していた証であったのだ。

ミロンの住む国の王はミロンに言った!
王様:
貴様にこの「王家のトランペット」を授ける!特別なちからを持つ貴様には、音は出せずとも「バブル」を出すことができるのじゃ!貴様の放つ「バブル」は魔人や魔獣たちに必ずや大きな脅威となるであろう!
そして、ガーランド城はかつての我が居城、隠してある王家の宝と、楽器と共に囚われた仲間たちとハチと傘と協力し、必ずやマハリトを倒し王女を救い出すのじゃ!ゆけい!ミロンよ!!
ミロン:・・・王様、失礼ながら宝と楽器は分かるのですが・・・「ハチ」と「傘?」とは!?
王様:ハチはハチじゃ!傘は傘じゃあ!2つとも貴様に大いなるちからをもたらしてくれるじゃろう!
ミロン:ハチと傘が・・ですか?
王様:いいから!!いいから行けぃ!全能の神ハドソンに敬礼!!ジーク、ハドソン!
ミロン:・・・ハチと傘?が・・ねぇ・・・。
かくして、ミロンは王女エルシラを救い出すため、マハリトと魔獣たちを退治するため、そして、平和と音楽を取り戻すために単身で今やマハリトの居城、ガーランド城へ乗り込んでいくのであった。
・・・と、自作のかなり脚色の入ったストーリーですが、大体こんなもんです。

実はロールプレイングゲームです!

マハリトの居城、ガーランド城を1階から始まり4階までを右往左往しながら進めて行く、基本的にはアクションゲームです。
各部屋は全て独立しており、部屋の中のどこかに隠されている鍵を見つけ、隠しドアを見つけないと部屋から脱出できません。
ところが、部屋の中はすでに小さなRPGの世界!部屋の各所をバブルで打ちまくると「お金」が出てきたり、出口とは別の隠し扉が出てきたり、バブルを打つだけではなく体全体で押すことによっても現れたりします。また、隠し部屋はショップになっています。
集めたお金を使いショップでアイテムを購入しなくては進めない場所があったり、購入したアイテムによってパワーアップできたり、バブルを打つと突如飛び出す
ハドソンマーク(ハチ)をとるとバリアになったり、壁の中にバブルを打つと出てくるハチの巣をとると、ライフの上限が上がるなど、RPG的な要素もかなり満載に含んでいるのです。

ゲームタイトルの意味がゲームに込められている!

王様が言っていた「楽器と共に囚われた仲間たち」は、部屋のどこかにマハリトが隠した「楽器ケース」の中にいるのです。
この楽器ケースはボーナスステージ的な役割を果たしています。楽器ケースを取ると音符を広い集めるステージに移行します。
音符は4種類、シャープ、フラット、ナチュラル、連符とあり、連符は1点、シャープは2点、フラットはー1、ナチュラルは0だった気がします。
そんな感じで、上下に飛び跳ねるように動く音符を拾い集めた合計の点数に応じて、お金が増えるというものです。
このボーナスステージの楽曲こそがタイトルの迷宮組曲そのものを表しているのです。
この楽器ケースは城のどこかに全部で7つあります。1つ目のステージの楽曲はドラム音のみ、2つ目はドラム音と管楽器の演奏、3つ目は・・・というふうにどんどん使われる楽器が増えてきて最終的には7つの楽器で素晴らしい曲が演奏される仕組みになっているのです。
まさに組曲!これは当時、斬新でしたね!
知名度はやや低め!?いやそんなことは無いはずだ!!

迷宮組曲が発売された1986年は、古き良き時代のファミコンの名作が揃いまくっている時代でもありました。
じつは、1986年から1987年にかけて次のような名作が生まれました。
・ドラゴンクエスト
・スターソルジャー
・魔界村
・ソロモンの鍵
・がんばれゴエモンからくり道中記
・ワルキューレの冒険
・じゃじゃ丸の大冒険
・高橋名人の冒険島
・戦場の狼
・スーパーゼビウス
・ドラゴンボール
・マッピーランド
・迷宮組曲
・たけしの挑戦状
・ファミスタ
・アルカノイド
・ドラえもん
・ドラゴンバスター
・戦いの挽歌
・ドラゴンクエスト2
1986年5月から1987年1月にかけて出てきた順番に並べてみました。
もちろん全てではありませんが、メジャーどころだけ・・・。
そうなのです。こんなスゴいタイトルのなかに交じってしまっていることが少し不運だったのです。
時期的に、迷宮組曲はドラえもんに負けたと言っても過言ではないようです。

高橋名人の影響ありきの迷宮組曲!

迷宮組曲がこのオールスターソフトのなかで埋もれずに知名度を保てたのは、ある意味では高橋名人のおかげともいえるのではないでしょうか。
高橋名人が売れ行きを伸ばしたソフトの大半は連射系のソフト、つまりシューティングゲームです。
どれだけ連射ができるか、それが当時の売れ筋ソフトには絶対的に必要な要因でもありました。
では、この要因が迷宮組曲のどこに該当しているかというと、実はこの後に裏技でも紹介する予定ですが、タイトル画面の上の数字の部分にあったのです。
ここ、じつは連射すると数字がどんどん増えて行きます。このプチ連射測定機能みたいなものが、当時、高橋名人を崇め奉る子供たちに大人気であったのです。これが90万本という売れ行きを示唆した要因であるという説も有力なのです。
ただ、この説はゲームの内容を正当に評価しているものではないので、少し残念にも思えますが…。
余談ですが、テレビでゲーム攻略をしていたのは毛利名人でした・・・。

多彩なアイテム!

売られているパワーアップアイテムや、攻略アイテムをまとめてみます!
薬:触ると小さくなれる!
シューズ:ジャンプ台のあるところで、ジャンプ力があがる
ランプ:井戸の中を明るくする
チョッキ:火の部屋の炎のダメージを和らげる
ハンマー:城の外壁を壊して中に入れる。
のこぎり:鉄格子がはまっている部屋に入れる
ホバリング:ジャンプ後ボタンを長押しするとゆっくり降りれる
スーパーシューズ:ジャンプ力が常に上がる。
エクスカリバー:攻撃力が2倍になる
絵具:見えないブロックが見えるようになる。
羽:ある部屋のエレベータに乗れる
水筒:火の敵を倒せるようになる。
ちなみに、傘というかパラソルは、バブルを連射することが可能になります。
また、魔獣を倒したあとに現れるクリスタルには、ミロンの能力を上げるちからがあります。
バブルの威力を強くしたりバブルを大きくしたり、飛距離を長くしたり、パラソルなしで連射可能になったりします。
裏技を駆使して攻略しよう!
コンティニュー
定番の裏技。条件は一番最初の魔獣を倒してクリスタルをとること。
このクリスタル自体にコンティニューできるようになるという効果が含まれています。
コンティニューの仕方は、タイトル画面で左を押しながらスタートボタン!
お金を増やそう
コンティニューできるようになったら、適当にやられます。
タイトル画面でコンティニューするまえに、プチ連射測定の数字を増やすだけ増やしてコンティニュー。
すかさず楽器ケースに入ると、ボーナスステージの獲得点数が最初から連射して増やした時の数字になっていてかなりお得です。また、楽器ケースの数だけ同じことを繰り返せます。当分はお金に困らない事でしょう。

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皆さんの感想!
まとめました!
思いのほか、昔の記憶をたどって書いていると、書いているうちに楽しくなってくるくらい影響されたゲームであったなぁとしみじみ感じました。最近かの有名なゲームセンターCXでやったのを観たばかりだったので余計にそう感じたのかもしれませんが・・・。
とにかく、楽曲に高い評価を持っているゲームで、続編が作れないのは当時の高橋名人いわく「楽曲でこえられないところかもしれない」と言われるくらい、とにかく素晴らしい音楽だと思います。
特に楽器を集めて行くシーンでは、どんどん楽器が追加されていき最後はきれいな演奏で幕を閉じる構成は、当時は本当に斬新だと思いました。
また、各ボスとの戦闘や、冒頭でも書いたRPG的な要素もこのゲームを見事に引き立てていくれているのではないでしょうか。裏技に関しても、ハドソンなのにまじめで無茶なモノがないのも逆に良かったのかもしれません。
やりこみ要素を書き忘れました。一個おススメなのがあります。
クリアを1週とカウントして、計8週クリアするのを目指すことです。
1週目のエンディングを見た後、タイトル画面から再びゲーム再開で2周目に突入します。
2週目からは、アイテムの配置などに変更はないものの、各魔獣が恐ろしく強くなっています。
週を重ねるごとにどんどん強くなっていき、8週目の段階では、魔獣の弾が多すぎてよけるの不可能で、さらに一発食らうとライフをなんと10くらい持って行かれます。倒せません!マジで!
でも、そんな苦行を乗り越えた後の真のエンディングには必見の価値があります!
私も生で見たことはありません、エミュレータ使ってもかなり難しいですから・・・。
ではどんなエンディングなのか?それは自身の目で確かめてはいかがでしょうか?
8週目のエンディングの最後に、プレイヤ―へのメッセージが表示されますが、そのメッセージとは?そしてその真意とは?見たい!と思った人はぜひ遊んでみて下さい!
少し難しいのですが、頑張れば誰でもクリアできるようにちゃんと作られています。
だから、ここでは攻略法は敢えて書きませんけどね。
コンティニューを駆使して、苦行をのりこえて、8週はしなくとも、ぜひエンディングまでたどりついてみて下さい!
忘れてかけていた、子供の頃の「なんか頑張れば願いは適う的な!」感情が蘇るかもしれません!
ただ、蘇ったところで、「だからなんだ!」と言われてしまえばそれまでですけどね・・・。
