三人体制、リーダー交代。スーパー戦隊シリーズ異色の作品『太陽戦隊サンバルカン』

三人体制、リーダー交代。スーパー戦隊シリーズ異色の作品『太陽戦隊サンバルカン』

1981年から1982年にかけて放送されていた、スーパー戦隊シリーズ第5作『太陽戦隊サンバルカン』。男性3人のみで構成されており、女性メンバーが1人も存在しない。さらに途中でリーダーが交代するという異色中の異色作品。


スーパー戦隊シリーズ第5作『太陽戦隊サンバルカン』

『太陽戦隊サンバルカン』は1981年2月7日から1982年1月30日までテレビ朝日系列で毎週土曜日18:00~18:30に全50話が放送された東映製作の特撮テレビドラマ。

名称の「サンバルカン」の由来は「サン(太陽)」+「バルカン(ローマ神話の火の神)」。
企画当時の名称は単に「バルカン」だったが、この名前は化粧品などですでに使われていたので商標登録するためには前か後ろに語を足す必要が生じ、当時のスポンサーだった後楽園球場のマークから「太陽」を取り入れた経緯がある。
また「サン」にはヒーローの人数である「3」が、「バルカン」には連射機関砲であるバルカン砲や歴史上しばしば動乱の舞台となったバルカン半島の激しいイメージが込められている。

スーパー戦隊シリーズ第5作にあたり、前作は『電子戦隊デンジマン』。

『秘密戦隊ゴレンジャー』から連綿と受け継がれたコミカルな痛快活劇を中心としつつも、宇宙からの侵略者と手を組んだ悪の機械人間軍団に人間の英知と勇気、そして正義と友情、愛の心で立ち向かう主人公たちの地球人類の未来を賭けた戦いをハードかつドラマチックに描いた。

太陽戦隊サンバルカン

『太陽戦隊サンバルカン』の主題歌一覧

オープニングテーマ「太陽戦隊サンバルカン」
挿入歌「夢の翼を」
挿入歌「ファイト!サンバルカンロボ」
挿入歌「あしたがあるさ」
エンディングテーマ1「若さはプラズマ」
エンディングテーマ2「1たす2たすサンバルカン」

【特長1】陸・海・空の3人体制が新しかった

通常5人体制のスーパー戦隊シリーズだが、サンバルカンは男性3人のみで構成し、女性メンバーが1人も存在しない。

男性3人のみで構成されたチーム

この設定は、前作から人数を変化させることでマンネリ化せずに強い印象を生むため、そして陸・海・空の3要素を際立たせるためである。
しかし、放映当時から女児層をはじめとした視聴者から女性メンバーの復活を望む声が多数寄せられた。
そのため、翌年の『大戦隊ゴーグルファイブ』では女性メンバーが復活した5人構成となり、以後男性メンバーのみの作品は存在しない

※後のスーパー戦隊シリーズでも開始当初3人メンバーの作品は幾つか存在するが、いずれもシリーズ途中で何らかの形で追加戦士が登場することにより、最終的に5人以上のメンバーとなっている。

【特長2】前作『電子戦隊デンジマン』と世界観が繋がっている

『電子戦隊デンジマン』と『太陽戦隊サンバルカン』は同じ世界のストーリーであり、本作は『デンジマン』の続編にあたる。

前作『デンジマン』のラストで姿を消した敵役・ヘドリアン女王(曽我町子)がブラックマグマの手によって復活した、という設定で引き続きレギュラー出演した。

『デンジマン』からの敵役・ヘドリアン女王は本作中の台詞でデンジマンやバンリキ魔王のことに触れており、また嵐山長官がデンジマンやデンジ星人のことを詳しく知っていることも本編内で語られている。

作品ごとに世界観をリセットするスーパー戦隊シリーズにおいて、クロスオーバー企画以外の続編が作られた唯一のケースである。

当初から続編を作ろうという試みがあったわけではなく、へドリアン女王役の曽我町子の演技を高く評価した東映の吉川進プロデューサーが、引き続き彼女が活躍できる場を作ったというのが実情であるという。

へドリアン女王

【特長3】リーダーであるバルイーグルは途中で交代している

リーダーであるバルイーグルは途中で大鷲龍介(川崎龍介)【左】から飛羽高之(五代高之)【右】に交代している。
交代の理由は大鷲龍介がNASAにパイロットとしての技量を見込まれ、転任するという設定であった。
それと平行して敵組織ブラックマグマでも交代劇が描かれた。
プロデューサー鈴木武幸は「手詰まりになり、これくらいの設定変更をしなければ番組が一年間はもたないという危機感があった」と語っている。

バルイーグル交代シーン

バルイーグル交代劇の真相は?

バルイーグルの交代劇については、川崎本人もバルシャーク役の杉も突然だったと証言しており、川崎の降板は台本を手にするまで知らず驚いていたという。

後に川崎は「自分はこの作品で所属事務所を離れることにしていたので、もともとの半年契約を延長しないことになっていたのではないか」と語っている。

【特長4】戦隊シリーズ初、複数メカが合体して巨大ロボットになる

サンバルカンロボは戦隊シリーズ初の複数のメカが合体して完成する巨大ロボット。
バルイーグルの「合体!グランドクロス」の掛け声で合体が始まり、コズモバルカンが変形。
ブルバルカンが左右に分離し、脚の形になりジェット噴射で浮上。
空中で2機のマシンが合体し、足首から拳が出て来てロボの合体が完了する。
そして空中からゆっくり下降し、戦闘態勢が整う。

第20話ではシャークが負傷していたため、1度合体に失敗している。
動力源はソーラーパワーであるため、夜間や日食など太陽の光が届かないと弱体化するという弱点がある。

全高	50m(ロボ時)
重量	4500t
最高速度	マッハ10
最大出力	500万hp/t
合体コード	「合体!グランドクロス」

サンバルカンロボ

『太陽戦隊サンバルカン』の主要登場人物

地球平和守備隊

25歳。スーツカラーはレッド。元地球平和守備隊・空軍将校。東都大学ロケット研究所の滝本教授に師事していた。飛行機の操縦はプロ中のプロで、名前の如く「空を飛ぶために生まれてきたような男」。
第23話でNASAのスペースコロニー開発計画のメンバーとしてNASAに招集され、スペースシャトル操縦士を拝命。飛羽にバルイーグルを任せ、アメリカに旅立った。

初代バルイーグル / 大鷲龍介(川崎龍介)

25歳。元地球平和守備隊・空軍将校で大鷲とは同期。大鷲の後任として第23話からサンバルカンの一員になった。非番のときは剣道の師範を務める剣の達人であり、日ごろから鍛錬を欠かさない。
2012年放送の『海賊戦隊ゴーカイジャー』第49話、最終話にもゲスト出演している。

二代目バルイーグル / 飛羽高之(五代高之)

23歳。スーツカラーはブルー。元地球平和守備隊・海軍将校。何より海を愛する男であり、海洋学者でもある。マリンスポーツが得意。考古学者の父らとともにかつてアフリカに住んでいた時、その両親と弟・勝を戦争で亡くしたため、平和を乱す者に対して憎悪を持っている。

バルシャーク / 鮫島欣也(杉欣也)

19歳。スーツカラーはイエロー。元地球平和守備隊・レンジャー部隊隊員。明朗な性格の持ち主で、驚いた時などには「ひょひょーっ」と奇声をあげる。また、美佐からたまにこの口癖で呼ばれている。細身の体に似合わずかなりの大食漢で「スナックサファリ」のカレーライスを食べる場面が劇中では頻出した。

バルパンサー / 豹朝夫(小林朝夫)

太陽戦隊長官。ロボット工学の権威でありサンバルカンロボも彼の設計によるもの。
戦略家としても科学者としても一流で、様々な分野の知識にも精通している。
世を忍ぶ仮の姿として喫茶店・「スナックサファリ」を営んでいる。マスターとしての料理の腕前も一流で、多くの材料とかなりの時間をかけて作った「サファリカレー」が名物になっており、50種類のスパイスを混ぜ合わせ、3日がかりで作っているらしい。

嵐山大三郎(岸田森)

嵐山の一人娘で太陽戦隊の秘書兼通信係を務める。
仮の姿は「スナックサファリ」のウエイトレスとして行動。
自らも戦士の一員と自負しており、第29話ではマスクをつけて白バラ仮面と名乗り戦った。
水泳が得意で、スレンダーなビキニの水着姿を何度か披露している。

嵐山美佐(根本由美)

太陽戦隊本部であるバルカンベースへの隠し入り口がある。 
第1話ではバルイーグル大鷲龍介が到着して車から降りた際に「こんな所が集合場所?」と訝しがるシーンがあった。

地球平和守備隊がたむろする喫茶店「スナックサファリ」

機械帝国ブラックマグマ

ブラックマグマのリーダー。黒い仮面と黒服をまとい、黒い杖を持った怪人物。その正体は機械人間で、ずっと機械帝国の最高権力者のように振る舞っていたが、実は全能の神の忠実な部下だった。
デザインは『スター・ウォーズ』のダース・ベイダーにインスパイアを受けている。

ヘルサターン総統

第48~50話に登場するブラックマグマの真の支配者。容器に入った人間の脳のような外見をしている。エネルギー光波で一度死亡した者を実体として復活させ、操ることができる。また、設備を復元する自己再生能力や、脳から熱線を発する能力も持つが脳自体は脆い。

全能の神

第4~50話に登場。かつてデンジマンと戦ったベーダー一族の女王。
北極の氷の中で眠っていたが、第5話でメカ心臓を移植され機械人間として蘇生し、人類征服のため共通の敵となるサンバルカンを倒すべくブラックマグマと手を組んだ。
嵐山長官の娘である美佐を生贄にして延命を謀るが、弱りきったメカ心臓が妖術に耐え切れず、サンバルカンと戦うことなく死亡した。

へドリアン女王(曽我町子)

第45話から第49話に登場。利害が合えば手を組む相手も状況によっては平気で裏切る油断ならぬ野心家。
「ブラックマグマ」「ベーダー一族」に対し第三の勢力として三つ巴の争いを繰り広げるが、全能の神の怒りに触れて機械生命体イナズマモンガーに改造されてしまい、サンバルカンと対決するも敗北・戦死した。

イナズマギンガー

サンバルカンの必殺技『バルカンボール』

サンバルカンの必殺武器である赤・青・黄三色のバレーボール型爆弾『バルカンボール』。
3人がパスを繰り返し最後にイーグルが決めることで威力が発揮される。
第15話よりサッカー方式のパス・シュートに変わった。

①シャークとパンサーでトス

②パンサーが足で挟んでキャッチ、バック転を繰り返してパス。

③シャークが回転しながら飛び上がりヘディング

④イーグルがサッカー式シュート!

第39話からはボールに変形機能が備わり、玉乗りサイズ、超音波探知ミサイルなどに変化した。

また、イナズマギンガーにバルカンボールを破られ、新必殺武器として『ニューバルカンボール』を開発した。
3つのラグビーボール型爆弾を「トリプルクロス」の掛け声とともに空中で合体、三色のトゲ付きボール爆弾に変化させてシュートを決める。
シュートしたボールをさらに3人で再度シュートすることで時間差をつけて決める「時間差アタック」もある。
戦車を一撃で大破させる威力を誇る。

『太陽戦隊サンバルカン』最終回 驚きの結末!

嵐山長官の娘・美佐を人質に取り、降伏と忠誠を誓うよう要請する全能の神。
土下座して機械帝国に許しを請うよう強く迫る。

「助けて、お父さん!土下座して謝って。お願い、お父さん」と叫ぶ美佐の様子に違和感を感じる嵐山長官。
「美佐が私に土下座しろとは言わないはずだ。あれは美佐の形をしたアンドロイドだ!」と見抜く。
そこで土下座すると見せかけてバルイーグルの腰からバルカンスティックを抜き、全能の神を攻撃。.
すると全能の神と共に偽の美佐が消えたのだった。

戦隊ヒーローではなく、生身の人間である長官がラスボスを倒してしまう…。
この衝撃的な結末に当時の子供たちは「えっ、これで終わり?」とあっけにとられたのだった。

ラスボス「全能の神」を倒してしまう嵐山長官

牢に入れられていた本物の美佐を見つけたサンバルカンと嵐山長官。
ブラックマグマのアジトは跡形も残らず爆発するが、サンバルカンと嵐山長官と美佐はギリギリのところで脱出した。

機械帝国ブラックマグマが滅び、平和が訪れる。

バルイーグル飛羽は、部隊に戻ってジェットパイロットの教官に。
バルシャーク鮫島は、研究室に戻って海洋学の研究を続ける。
バルパンサー豹は、田舎に戻って父の仕事を手伝いに。

嵐山長官は娘・美佐の婿探しを…。
サンバルカン全員が美佐に求婚するが「平和が来たのだから当分は青春を謳歌しなくちゃ」と回答を保留するのだった。

もう一度じっくり見たくなった方はこちら

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81年から82年にテレビ朝日系で放映、初期の戦隊TVシリーズの第1弾。バルイーグル、バルシャーク、バルパンサーの3人の青年たちで構成される“太陽戦隊サンバルカン”が、機械帝国・ブラックマグマの野望に立ち向かう。第1話から第10話までを収録。

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