SS産駒の先駆け。『漆黒の名馬ジェニュイン』

SS産駒の先駆け。『漆黒の名馬ジェニュイン』

漆黒の馬体に白のシャドーロール、誰もが見いってしまうサラブレット・・それがジェニュインだった。1992年生まれ、今や日本競馬会を席巻しているサンデーサイレンスの初産駒にして、初のG1タイトルをもたらした。ここからサンデーサイレンス時代が始まることになる。


美しい名馬ジェニュイン

遂にやってきた【本物】

ジェニュイン
父サンデーサイレンス、母クルーピアレディー。母はアメリカで13勝している。甥に2007年菊花賞馬アサクサキングスがいる。
馬名の意味・由来
【正真正銘の、本物の】
管理していた調教師松山康久師がいつかこの馬はっいう出会いのためにとっておいた馬名でもある。幼少期から馬格もあり明らかにほかの馬たちとは一線を画していたという。

偉大な父 サンデーサイレンス

今や日本競馬にかかわるものでこの名を聞いたことがいないであろう歴史的種牡馬。ジェニュイン以外にもディープインパクト、スティルインラブ等の三冠馬を筆頭に数多くの名馬を輩出した。現在ではサンデーサイレンス系と言われる一大勢力となっている。ちなみに2011年の日本ダービーでは出走18頭すべての馬がサンデーサイレンスの血を引くという事態も起きている。

デビューそしてSS産駒初の栄冠へ

デビュー戦は2着に敗れたが、その後未勝利で勝ち上がる。朝日杯3歳ステークスを目指したが脚部不安により回避。翌年セントポーリア賞・若葉ステークスと連勝して晴れの舞台である皐月賞へ出走する。
その皐月賞では同じサンデーサイレンス産駒で本命最有力候補と言われていたフジキセキがいたが故障による電撃引退に見舞われ本命不在となっていた。全走若葉ステークスが1着入線馬降着による繰り上がり勝利が影響してかジェニュインは3番人気だった。
その中でジェニュインは、名手岡部騎手を背に2番手から直線で抜け出すという横綱競馬で、タヤスツヨシの猛追を退き栄冠を手にする!次走日本ダービーも2着と健闘する。

古馬相手に標準を合わせた秋競馬

古馬へ挑戦した秋の天皇賞

夏は休養にあて、秋のローテーションに陣営が選択したのは、距離適性を考え同年代ではなく古馬との対戦を選んだ。
京王杯オータムH・毎日王冠とステップを踏み秋の天皇賞へと向かう。春の皐月賞と同じく2番手でレースを進め直線抜け出したが、ゴール直前にサクラチトセオーの強襲に屈し2着と敗れる。
そして、4歳(現表記3歳)最後のレースの有馬記念は10着と大敗。有馬記念に騎乗していた岡部騎手は『強風で馬が嫌気をさしてしまった』とコメントしていたが、後には敗因を『距離の壁』と語っている。

短中距離路線で活躍した古馬時代

5歳になったジェニュインは短中距離路線を進み、春は中山記念2着、安田記念4着と勝利はつかめなかった。休養明けとなったG1天皇賞秋は14着と大敗するが、次走G1マイルチャンピオンシップは1番人気に答え、見事に勝利!G1 2勝目を飾る。その後は6歳時に安田記念2着、天皇賞秋3着と惜敗が続きこの勝利が最後の勝利となった。

名手岡部幸雄

ジェニュインのほとんどの手綱をとった名手岡部騎手。研究熱心で努力の天才ともいわれており、国外競馬への挑戦や騎手のエージェント制・モンキー乗り等々様々な事を日本競馬会に広めた騎手の先駆けである。

日本騎手会のレジェンド

種牡馬時代

種牡馬として初年度から100頭以上の種付けを続け人気を得た。また、2001年~2004年まではオーストラリアで供用され後に豪G1馬を輩出している。
日本の産駒では主にダートで活躍する産駒が多く、中央重賞はメイプルロードの小倉2歳Sのみとなっている。

おわりに

漆黒の馬体に白のシャドウロール・ピンクのバンテージはとても記憶に残っている。そして、あの社台の黄色と黒の勝負服に鞍上の岡部騎手。先行して直線で先頭に立ち押し切るスタイルと岡部騎手は『優等生』という言葉がぴったりの、一時代の先駆者だったと思う。ジェニュインが活躍していた1995年位はちょうど競馬を始めた頃で、見た目のきれいさ美しさに目を奪われたことをよく覚えている。
伝説の競馬たちのような衝撃的な強さではなかったが、人を魅了し、記憶に残る美しさがジェニュインにはあったと思う。

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