【石毛博史投手】巨人、近鉄、阪神で優勝を経験した荒れ球ストッパー。

【石毛博史投手】巨人、近鉄、阪神で優勝を経験した荒れ球ストッパー。

9回表、東京ドーム。「彼」の名前がコールされた瞬間、巨人の応援団から上がったのは歓声ではなかった。 「バッター、振ってくれ!」「ノーコン野郎!」野次が飛びかう中、「彼」はマウンドに上がっていく…。 3球団で優勝を経験した石毛博史投手についての記事を書かせていただきます。


●石毛投手の略歴

銚子市立銚子高校から、1988年ドラフト外で巨人に入団。
(甲子園出場経験はなし)

石毛投手はひじの故障歴もあって、長いイニングは投げる事はできなかったのですが、
球が速く、しかも連投が効く為、救援投手として次第に頭角を現していきます。

1993年に就任した長島茂雄監督により、同僚の橋本清投手とのリレーは
「勝利の方程式」と名づけられました。

この「勝利の方程式」という言葉は他の救援投手リレーにも使われるようになりましたが、
元祖は、橋本投手→石毛投手のリレーです。

ちなみにこの1993年は巨人は3位。

1994年も、石毛投手は大活躍。ヤクルトの高津投手と並びリーグ最多の19セーブを挙げます。
(45試合に登板、5勝4敗19セーブ)

ちなみに、この年巨人は、中日ドラゴンズとの最終戦「10.8決戦」を制し、リーグ優勝を果たします。
「10.8決戦」で石毛投手はリリーフ待機していたものの、長島監督が斎藤、槙原、桑田の「先発三本柱リレー」の継投を行った為、石毛投手は胴上げ投手にはなっていません。

優勝の行方が最終戦までもつれたこの試合は今も語り草です。

「10.8決戦」で優勝し、喜ぶ巨人の選手達

1995年以降、石毛投手は救援失敗が目立ち始め、守護神の座を西山投手や木田投手に明け渡すようになります。そして、1997年、石井浩郎選手と、石毛投手・吉岡雄二選手(若い世代の方はとんねるずの野球盤といえば…お分かり?)との2対1の交換トレードで近鉄に移籍します。

「とんねるずのスポーツ王は誰だ」より

吉岡雄二選手

近鉄に移籍後は先発投手に転向しましたが目立った活躍は残せず、リリーフに再転向。
経験豊富な中継ぎ投手として、2001年の近鉄のリーグ優勝にも大きく貢献しました。

近鉄時代の石毛投手

北川選手の代打逆転満塁サヨナラ優勝決定ホームランで優勝が決まりました。

2001年 近鉄の優勝の模様

優勝の翌年、2002年オフに戦力外通告を受けると、石毛投手は阪神タイガースにテスト入団します。すると、星野監督の下で阪神はリーグ優勝。石毛投手は所属した、巨人、近鉄、阪神の3球団で優勝を経験したのです。

背番号48が石毛投手です。

宙に舞う星野監督

●石毛投手あるある

ノーコンのイメージからか、先頭打者に投げた初球がボールになっただけで球場全体が「ざわざわ…」とそれはそれは異様な雰囲気になったものです。
この球場の独特な雰囲気が投球に与えた影響は決して小さくなかった事でしょう。
実際、石毛投手が登板した時は初球ストレートでストライクを取りにいくリードが多々見られました。
そこを狙い撃ちして凡退した打者には「振るなよ!」「振ってくれてありがとう!」とヤジが飛びかうのが「あるある」でした。

ノースリー・・・。

ただ、ファンから「ノーコン」とヤジられる事も多かった石毛投手ですが、石毛投手の退団後、巨人はリリーフとして獲得した外国人投手の誤算が続き、本来、先発要員の投手を後ろに回して急場を凌ぐなど、守護神を固定できないシーズンが続きました。そのことが巨大な戦力を有しながらも、優勝を逃す大きな要因となっていきます。

●石毛投手の現在は?

巨人、近鉄、阪神で優勝を経験した荒れ玉ストッパー。自らのことを「優勝請負人」ではなく「優勝見届け人」と呼んだ石毛投手は、現役引退後、指導者として活躍。
2012年からは、独立リーグ「06BULLS」のコーチを務め、若者の成長を見守っています。

独立リーグ「06BULLS」のユニフォーム姿の石毛博史さん

ちょっとふっくら?

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