ブラックジャックが愛した女性たち
日本が世界に誇る医療マンガの大傑作と言えば、やはり巨匠・手塚治虫先生が魂で書き上げた「ブラックジャック」で異論はないと思います。ブラックジャック(以下、BJ)は孤独にメスを握り続けるイメージですが、数多くのストーリーの中には人間らしく女性を愛したことも。そこで、ここではBJが愛した女性たちを紹介します。そこには究極の愛の形が隠れているのかもしれません。
ブラックジャックの母
BJが最も愛した女性と言って良いのが、母親。
政府の不誠実な対応で、米軍演習跡地の不発弾の爆発に巻き込まれ、両手足を失い、声も出なくなるほどの重傷を負ってしまう。夫(BJの父)には、他の女を作って香港に逃げられ、悲しい最期を遂げる悲劇の女性。
後にBJは、父の後妻を母と同じ顔に整形し、「世界で一番美しいと思っている」と述べているほど。
如月恵
BJの研修医時代の後輩の女性。
お互い気になる存在だったが、如月は子宮がんに侵されている事を知る。
BJの手術によって命は救われるが、女性として生きる道が閉ざされてしまう。
BJを愛し続けることができないと察す如月にBJは優しく「この瞬間は永遠なんだ」と語るのだった。
後に男性として船医となった如月と再会する。
ブラッククイーン(桑田このみ)
容赦なく足も切断してしまうほど適切ながら冷徹なオペを行う事から女版ブラックジャック、ブラッククイーンと呼ばれていた女性。後に婚約者の足を切断しなくてはならず、途方に暮れているところをBJがオペを行う足も残してくれた。
BJは、クイーンにクリスマスラブレターを書くも、渡さずに破り捨てる切ない終わりを迎えた。
清水 きよみ