筆者の拙文「貴方も知っているはず!作詞家・放送作家の保富康午」でちょっと触れた「アニメ・ソング・大全集」ですが、初期のころは作詞家・作曲家の紹介が載っていました。その中で「橋本淳」さんの本名が「与田準介」と知り…調べると「与田準一」さんの息子さんということがわかったのでびっくりです。
「与田準一」さんは、詩人・児童文学者で童謡「ことりのうた」の詩を書かれた、といえばおわかりになるでしょうか。
「メイプルタウン物語」や「ドラえもん」の主題歌を歌っている山野さと子さんの動画で聴いていただきました!
このさと子さんが語るエピソードの中に「息子さんがおやつがほしい~といってるのを…」というところ、この「息子さん」が橋本淳先生なのかな?なんて想像しちゃいました♪
橋本淳とは?
![橋本 淳(はしもと じゅん、1939年7月8日 - )は、日本の作詞家である。本名は与田 凖介(よだ じゅんすけ)、詩人・児童文学者の与田凖一(1905年 - 1997年[3])は実父である。すでに2,000曲を超える楽曲を発表し、『ブルー・シャトウ』、『ブルー・ライト・ヨコハマ』、『亜麻色の髪の乙女』のほかグループ・サウンズ(GS)の作詞を多く手がけ、オリコンチャート解析において「GS関連で最も売れた作詞家」としても知られる。日本音楽著作権協会全信託作家]。
小説家になるべく、10代のころから、父によって一流作家のもとに預けられていたという]。
筒美京平とは、青山学院高等部時代からの先輩後輩の間柄で、青山学院大学時代には、同じジャズバンドで筒美はピアノ、橋本はウッドベースを弾いていた。同学在学中から作詞を独学で学び、当時フジテレビジョン社員で作曲家のすぎやまこういちに見いだされる。(wikipediaより)](/assets/loading-white-036a89e74d12e2370818d8c3c529c859a6fee8fc9cdb71ed2771bae412866e0b.png)
このサイトでの拙文「作曲家・筒美京平の作品で一番のお気に入りは?」でも筒美京平さんを取り上げましたが、橋本先生は筒美先生とすぎやま先生とのコンビが本当に多いんです。
そしてやはり筆者が個人的に橋本先生の作品で一番好きなのは「真夏の出来事」です。
この動画はジャケットはリリース当時のものですが音源は後にソニーから出たセルフカバーです。
平山みきさんにはこの「橋本・筒美」コンビでたくさん曲を提供しています。
名曲はたくさんあるんですが、「ビューティフル・ヨコハマ」なんか聞くとなんというか…
今から45年前の曲なんですが、歌詞を聴いてると今の若者となんら変わらない青春の1ページがそこにありますよね。
この歌の中に歌われてる若者も今では還暦をすぎている年代なんです。
身の回りにいる60代の方々もこんな若いときがあったんだなあ…って思います。
そしてこの記事を書くにあたって知ったことですが、「踊り上手なハルオにゼンタ」が両先生の息子さんのお名前だとは!じゃあ「トモコの彼」の「トモコ」って…そしてその「彼」って…(笑)
さらにwikipediaによると「ビューティフル・ヨコハマ」は「ブルー・ライト・ヨコハマ」の続編的路線とは…
こちらも「橋本・筒美」コンビですよね。
それでは「ブルー・ライト・ヨコハマ」もお聴きください。
橋本淳といえば「ザ・タイガース」!
一方、橋本先生はすぎやまこういち先生とのコンビでグループサウンズのザ・タイガースにも楽曲を沢山提供しています。
このミドルエッジの読者の皆様にはタイガースの説明は不要でしょう。
全部ご紹介したいところですが、筆者のお気に入りを2曲。
歌い継がれる「亜麻色の髪の乙女」
近年、島谷ひとみ版でカバーされましたが1968年にリリースされたヴィレッジ・シンガーズ版をお聴きください。
「ビューティフル・ヨコハマ」の都会的な女性の歌、「亜麻色の髪の乙女」の清純な少女の歌…橋本先生はまさしく「詩人」と言ってもいいのではないでしょうか。
誰でも知ってるあの有名なアニメ作品も……
全男性の理想の女性・メーテルが乗り込む「銀河鉄道999」。
このテレビアニメの主題歌も橋本先生です。
曲は平尾昌晃先生ですから、後で紹介しますが「カナダからの手紙」のコンビであるともいえます。
どうしても「青い地球」もご紹介したかったのでこの動画をチョイスしました。
橋本先生は歌謡曲の売れっ子作詞家ですが、OPもEDも企画書あるいは原作をしっかり踏まえた歌詞であることがわかりますよね。
子供向け(当時はまだ子供向けという意識だった)だからこそ丁寧な作品を、というプロの仕事をされてるんだなと思います。
アニメ作品をあと2つご紹介します。「ルパン三世カリオストロの城」の主題歌「炎のたからもの」と「野球狂の詩」挿入歌「北の狼 南の虎」です。
「スワンの涙」「カナダからの手紙」「半分少女」
橋本先生の作品は多岐に渡るのでどれをご紹介しようか悩むのですが、この3曲は外せないような気がします。
昭和歌謡曲の作詞家は偉大です
橋本先生は「Uta-Net」でこのようなコメントを寄せられています。
Q.プロの作詞家になりたい人へのアドバイスを
A:シンガー・ソンガーの時代となってこのかた、等身大の作品ばかりとなってしまったが、
もっと自由にもっと深く人間の心と行動を表現して欲しい。
想像力と空想が必要だ。(http://www.uta-net.com/user/sakushika/01_100/29.html)
ここでご紹介した作品を改めて聴くと先生がすばらしい表現者であるかということがよくわかりますよね。
それでは最後にまたまた筆者の独断で。
「大事な曲を忘れていないか?」というお声もあると思います。
そうなんです。最後まで悩みました。ブルー・コメッツの「ブルー・シャトウ」もいいけど「草原の輝き」もいいよね、と…。
最後まで甲乙つけがたかったのでこの2曲でこの記事を締めたいと思います。